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尾上右近「第六回 研の會」のお知らせ

尾上右近「第六回 研の會」のお知らせ

 

 2022年8月22日(月)・23日(火)に、国立劇場小劇場で、尾上右近 自主公演「第六回 研の會」が開かれます。

 これまで右近がさまざまな挑戦をしてきた自主公演「研の會」。3年ぶりの開催となる6回目は、『色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ) かさね』と、『実盛物語』をそれぞれ初役で勤めます。「皆を引き連れ、巻き込み、今できる限りの情熱をぶつける自己研鑽の場ですので、3年間で培ったものと溜まったうっぷんを、全力で発散したいと思っております」と、意気込みます。

 

尾上右近「第六回 研の會」のお知らせ

 

新しい『かさね』を

 『色彩間苅豆 かさね』では、かさねと与右衛門の2役を、昼と夜の二部役替わりで演じ、さらに文楽人形との共演も果たします。通常、義太夫の語りで操る文楽を、清元の名曲に乗せて繰り広げる、これまでにない形での『かさね』の上演となります。「いつかかさねと与右衛門を勤めたい、という思いがあり、ただ2役を同時にやることは難しいので、何かできることはないかと、前から考えていました。文楽の人形遣いの吉田簑紫郎さんにお目にかかる機会があり、コラボさせていただいたら、お互いに面白いのではないかと、清元の地で文楽人形が所作をすることも、自分のなかでは画期的に思えました」と、経緯を語ります。

 

 人間と人形の共演について右近は、過去の作品なども見たうえで、「あまり違和感がなかった」と印象を話し、「人形と一緒にやるのであれば、ラブストーリー、色事だと、なんとなく思っていました」と、前から構想があったことを明かします。かさねの人形とはすでに対面したといい、「かさねの鬘と僕の肌がパッと触れたときにはもう恋人の感覚でした。その感覚は僕のなかですごく不思議だったので、これを『かさね』のストーリーに乗せてお見せしたときに、(観ていただいた方にも)新しい感覚を感じていただけると確信してます」と、語ります。

  

 「自主公演はいつも、そのタイミングで、なんとなく思ってたものに、必要なパズルのピースがはまるときが来るんです。簑紫郎さんと話をしていて、『かさね』の上演がしっくりきて、人形はせりふを言うことはできないので、(清元の太夫である)父・清元延寿太夫に。そしてお三味線は兄・清元斎寿にも出てもらい、親子3人の共演にもなる。いろんな意味合いが重なって面白いと思いました」と、自身も期待をふくらませている様子がうかがえます。

 

尾上右近「第六回 研の會」のお知らせ

 

つながりを意識した『実盛物語』

 時代物の名作、『実盛物語』の上演にあたっては、「(実盛は)ジェントルマンで、ものすごく心があり、器が大きくて男らしい。本当に理想的な男性で、憧れのお役」と話す右近。尾上菊五郎から指導を受ける予定だといい、「人間にある恩と義理と人情を貫いている輝かしい人物だという印象は、菊五郎のおじさまと実盛とで重なる部分だと思っています。そういったところをおじさまから勉強させていただけたら」と、気を引き締めます。

 

 本作には過去、平成13(2001)年に岡村研佑として、重要な役どころである子役の太郎吉として出演。「僕が太郎吉をやらせていただいたとき、(小よしと九郎助が)中村梅花さんと片岡市蔵さんでした。当時は芝喜松さん、十蔵さんのお名前で、三人とも名前が変わったのですが、僕が実盛をやらせていただくときは、絶対にこのお二人に、同じお役を演じていただきたいと思っていました」と、特別な思いを語りました。 

   

 今回の配役に関して、「第5回の自主公演で彦三郎のお兄さん、第4回で壱太郎さんに出ていただきました。僕のなかではそれぞれ大切な関係性がある、先輩たち、仲間たちに出ていただくということで、これぞ、私の「研の會」!という感覚でやっております。関係性を一からつくっていくよりは、ずっと繋がってきたものを一つの形にしていくことが、自分なりの自主公演なのだと、今回また改めて実感しました」と述べました。

 今年30歳を迎えた右近。「自分が歌舞伎役者としてどのように見られていくのか。世の中に何かを発信したり、飛び出していったときに、どう映るのか。歌舞伎に迷惑をかけないように、そして、歌舞伎って面白そうと思ってもらえる存在でありたいと、とても感じるようになりました。(自主公演は)自分が一人輝いているのではなく、さまざまな方からバトンを受け取って、自分がやりたいことをやっているんだ!という顔で、存分にキラキラして、お客様にも楽しんでいただきたいです」と語り、熱い言葉で締めくくりました。

 

尾上右近「第六回 研の會」のお知らせ

 [チラシを拡大する]

 

 

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尾上右近自主公演

「第六回 研の會」

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一、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)

  かさね

【22日昼の部・23日夜の部】
尾上右 近  かさね相勤め申し候
吉田簑紫郎 与右衛門相勤め申し候

 【22日夜の部・23日昼の部】
尾上右 近 与右衛門相勤め申し候
吉田簑紫郎 かさね相勤め申し候
  

与右衛門/かさね:尾上右近

 文楽座特別出演
【人形遣い】

吉田簑紫郎
吉田簑太郎
桐竹勘介
吉田簑之

源平布引滝

二、実盛物語(さねもりものがたり)

斎藤実盛:尾上右近
瀬尾十郎:坂東彦三郎
小万:中村壱太郎
太郎吉:坂東亀三郎
葵御前:尾上菊三呂
小よし:中村梅花
九郎助:片岡市蔵

 

■日程と会場

2022年8月22日(月)・23日(火)

昼の部 12:30開演/夜の部 17:00開演

国立劇場小劇場(東京都)

  

■チケット

全席指定:13,000円(税込)

 2022年7月16日(土)11:00~販売

 

尾上右近事務所 電話080-4862-5858/FAX050-3588-3790(11:00~20:00)
イープラス
国立劇場チケット売場(11:00~18:00) ※窓口販売のみ

 

※7月4日(月)時点での情報。最新の情報は主催者サイトをご確認ください

 

お問い合わせ

尾上右近事務所 電話080-4862-5858/FAX050-3588-3790(11:00~20:00)

2022/07/04