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天皇皇后両陛下が歌舞伎座「二月大歌舞伎」をご観劇
2月14日(水)、天皇皇后両陛下が、歌舞伎座「二月大歌舞伎」の『壽三代歌舞伎賑』をご観劇されました。
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高麗屋三代の襲名披露公演が続く歌舞伎座、両陛下がご来場されるのは、新開場の平成25(2013)年4月以来、約5年ぶりとなります。夜の部の『熊谷陣屋』の舞台が終わると、大谷信義松竹株式会社会長、迫本淳一松竹株式会社社長のお出迎えのもと、歌舞伎座にご到着された両陛下は、裃を着けて次の『壽三代歌舞伎賑』のこしらえをした白鸚、幸四郎、染五郎によるご挨拶を受けられました。
場内アナウンスがあってお客様の大きな拍手に迎えられた両陛下は、2階最前列にご着席され、間もなく『壽三代歌舞伎賑』の幕が上がりました。芝居茶屋亭主に呼び出されて花道に登場した白鸚は、37年前の三代襲名の折にも、当時皇太子殿下と妃殿下だった両陛下にご覧いただいたことにふれ、「感無量でございます」と喜びを述べました。昭和56(1981)年の三代襲名披露では11月に『襲名披露口上』と、『助六曲輪江戸桜』で白鸚が九代目幸四郎襲名披露となる助六を、幸四郎は七代目染五郎として福山のかつぎをご覧いただいています。
今回の襲名披露でも、両陛下は『口上』をご観劇。両花道に男伊達と女伊達がずらりと並び、せりふを渡していくツラネでは、東と西の花道に交互に顔をお向けになり、にこやかにご覧になっているお姿がありました。いよいよ三人の口上が始まると、白鸚は前回の口上を思い出したかのように、感激の面持ちで語りはじめ、両陛下からも温かい拍手が贈られました。
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幕が降り、熱気冷めやらぬ場内をあとにされた両陛下は、大谷会長と迫本社長も同席して、幸四郎とご歓談。幸四郎は、「(襲名披露興行は)大変でしょうとねぎらっていただき、伝統的な歌舞伎の継承とともに、新しい歌舞伎の可能性もといったお話もさせていただきました」。
幸四郎は、陛下からは「体に気を付けて」、皇后陛下からも「声に気を付けて」とお言葉をかけられ、「私にとってのこの興行の大きさを、察していただいている感じを受けました」と、やさしいお心にふれた感動を表しました。
白鸚と染五郎はお出迎えの折、白鸚が37年前のことにふれ、染五郎は皇后陛下から年齢を聞かれて、「しっかり受け答えをしておりました。息子にとってもお目にかかり、舞台姿をご覧いただいたことは、これから役者をしていくうえでも支えになるのでは」と幸四郎。「前回、今回と襲名をご覧いただき、我々にとって身に余る光栄であり、歌舞伎にとっても大きな大きなありがたいことだと思っております」、と続けました。
舞台上という特等席から、両陛下のお姿を「記憶に焼き付けました」と、顔をほころばせた幸四郎は、「(開幕の)直前には、(揚幕の中から)お客様が両陛下をお迎えする様子も見られ、今日は本当に素敵な場にいることができました。言葉にできない感動と興奮を感じた一日になりました」と、最後までうれしそうに語っていました。