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猿之助が宙乗り1000回達成

猿之助が宙乗り1000回達成

 『金幣猿島郡』 市川猿之助

 5月16日(火)、大阪松竹座「五月花形歌舞伎」昼の部『金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)』で、市川猿之助が宙乗り1000回を達成しました。 

 16日は朝早くから劇場前に幕見席を求めるお客様の列ができ、場内は満席。清姫として登場した猿之助に大きな拍手が贈られます。頼光と七綾姫の二人がようやく結ばれ、二人にそれぞれ強い思いを抱いていた清姫、忠文は恨みを募らせ、蛇体となった清姫が悪鬼となった忠文に合体。怨念の炎が渦巻く中、スッポンから合体した怨霊が、頼光と七綾姫を追いかけて中空を飛んでいきました。

 

 幕間をはさんで所作事『双面道成寺』が終わり、昼の部が打ち出しとなっても、拍手はいつまでも鳴りやみません。記念すべき宙乗り1000回の余韻に、お客様も浸っていらっしゃるようでした。

 猿之助は、「1000回といっても大したことはありません。ご飯を食べる回数のほうがよほど多い、そんな感じです」と、いつもと変わらない様子。その言葉は、いつもどおりに宙乗りをするからこそ、何事もなく無事に続けられるということを物語っているのかもしれません。「事故なくできるということは、スタッフがそれだけ大変だということです。本人は飛んでいるだけで大したことはないです」。

 

 大阪松竹座で迎えた1000回。「ここは距離が短い。そのぶんコンパクトで親近感があります」と語った猿之助。昨年のスーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』のようなヒーローが飛ぶのではなく、今回は怨念となって飛ぶので、「祝祭ムードにはなりにくい」条件でしたが、猿之助の思いとは別に、お客様は宙乗りに心躍らせ、「澤瀉屋!」「大当たり!」の声もかかって場内は喝采に包まれました。

 

 「でも、ちょうど大阪松竹座でよかった。関西って宙乗りがずっと流行っていた時期があったから、ご縁のある地で1000回を飛ぶことができ、よかったです」。楽屋には猿翁から贈られた祝福の色紙も飾られていました。最後に、「こののちも、引き続き皆様のお力添えをいただき、回数を重ねることができますれば、いつの日か猿翁の伯父の回数に追いつくことができるのではないかと思っております。今日はその通過点として、まずは無事に宙乗りができましたことを喜びたいと思っております」と、あらためて周囲への感謝の気持ちを表しました。

 大阪松竹座「五月花形歌舞伎」は、5月26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中。幕見席についてはこちらをご覧ください

2017/05/16