公演情報詳細
秀山祭九月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2017年9月1日(金)~25日(月)
劇場:歌舞伎座
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演目と配役
昼の部
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村
毛谷村六助 お園 杣斧右衛門 お幸 微塵弾正実は京極内匠 | 染五郎 菊之助 吉之丞 吉弥 又五郎 |
仮名手本忠臣蔵
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)
戸無瀬 小浪 奴可内 | 藤十郎 壱太郎 隼人 |
河竹黙阿弥 作
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
幡随院長兵衛 水野十郎左衛門 近藤登之助 子分極楽十三 同 雷重五郎 同 神田弥吉 同 小仏小平 御台柏の前 伊予守頼義 坂田金左衛門 慢容上人 渡辺綱九郎 坂田公平/出尻清兵衛 唐犬権兵衛 長兵衛女房お時 | 吉右衛門 染五郎 錦之助 松江 亀鶴 歌昇 種之助 米吉 児太郎 吉之丞 橘三郎 錦吾 又五郎 歌六 魁春 |
夜の部
一、ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)
逆櫓
船頭松右衛門実は樋口次郎兼光 漁師権四郎 お筆 船頭明神丸富蔵 同 灘吉九郎作 同 日吉丸又六 松右衛門女房およし 畠山重忠 | 吉右衛門 歌六 雀右衛門 又五郎 錦之助 松江 東蔵 左團次 |
「遇曽我中村」より
松 貫四 作
中村吉右衛門 監修
戸部和久 補綴
二、再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)
桜にまよふ破戒清玄
新清水花見の場 雪の下桂庵宿の場 六浦庵室の場 |
清水法師清玄/奴浪平 桜姫 奴磯平 奴灘平 妙寿 妙喜 大藤内成景 石塚団兵衛 按摩多門 荏柄平太胤長 千葉之助清玄 山路 | 染五郎 雀右衛門 歌昇 種之助 米吉 児太郎 吉之丞 橘三郎 宗之助 桂三 錦之助 魁春 |
みどころ
昼の部
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち) 毛谷村
真実を知った男が奮起する仇討ち物の名作
小倉藩では、豊前国彦山の百姓ながら剣術の達人である六助に試合で勝った者を、500石で召抱えるというお触れを出しています。母親孝行のために士官したいので勝たせてほしいと浪人微塵弾正から懇願された六助は、その思いに心を打たれ、負ける約束をします。試合当日、弾正と刀を交えた六助は、約束どおり弾正に勝ちを譲ります。その後、六助の前に謎の虚無僧が現れ、突然六助に斬りかかります。この虚無僧、実は六助の許嫁で、剣術の師である吉岡一味斎の娘のお園だったのです。六助はお園から、一味斎を闇討ちにしたのは京極内匠で、先の試合で勝たせてやった弾正こそが京極内匠だと明かされます。騙されたうえに、勝ちを譲った相手が師匠の仇だと知った六助は、自らの遺恨を晴らして、お園らに仇討ちをさせることを誓うのでした。
義太夫狂言の名作をご覧に入れます。
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)
義母と娘の道行を描く一幕
桃井若狭之助の家老加古川本蔵の娘小浪は、塩冶家の家老大星由良之助の嫡子力弥と許嫁の間柄でしたが、塩冶家はお家断絶となり、今や大星親子は浪人の身です。それでも力弥に恋焦がれる小浪は、義母である戸無瀬とともに大星の閑居がある山科へと東海道を急ぐのでした。
東海道の地名を詞章に巧みに折り込んだ道行舞踊をお楽しみいただきます。
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
江戸の町奴と旗本の争いを鮮やかに描いた世話物
大勢の観客で賑わう江戸村山座では、「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」が上演されています。しかし、芝居が佳境にさしかかったときに旗本水野十郎左衛門の家臣が舞台上に乱入し、芝居を中断させてしまいます。それを見かねて舞台に上がったのは幡随院長兵衛。打ってかかる水野の家臣を打ち据え、花道から追い払います。その様子を見ていた水野十郎左衛門が長兵衛を呼び止めると、そこへ長兵衛の子分たちが駆け出してきて一発触発となりますが、長兵衛がその場を収めます。後日、水野の屋敷に呼ばれた長兵衛は、この誘いが水野の企みと悟りながらも、出向くことを決断します。無事に帰ることを切に願う妻子に別れを告げ、長兵衛は一人、水野の屋敷へと乗り込んでいくのでした。
俠客として知られる幡随院長兵衛の生き様を描く、河竹黙阿弥の名作をご堪能いただきます。
夜の部
一、ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)
船頭に身をやつした武将が内に秘めた覚悟
船頭の夫を亡くした漁師権四郎の娘およしの婿となった松右衛門は、権四郎の家に代々伝わる「逆櫓」という船頭の技術を習得し、源義経が乗る船の船頭を命じられます。そこへお筆という女がやってきて、子どもを取り違えた者だと申し出ます。実は、およしは亡き夫との間に息子槌松を授かりましたが、西国巡礼の旅の途中で捕物騒動に巻き込まれ、その際に取り違えていたのです。お筆は、およしが育てている子は木曽義仲の遺児駒若丸であり、槌松は身替りに命を落としたことを明かし、若君を返してほしいと頼みます。お筆の言葉に腹を立てた権四郎は、若君の首を討ったうえで返そうと、その場へ若君を抱いて現れた松右衛門に促しますが、松右衛門はこれを拒みます。すると松右衛門は、自らの正体が木曽義仲の家臣樋口次郎兼光であると告げ、主君の仇である義経を討つために船頭になったことを明かします。その後、計略が明るみになった樋口は大勢の船頭に取り囲まれますが、駒若丸は義経方の武将畠山重忠の恩情により助かります。樋口はその粋な計らいに心を打たれ、重忠の言葉に従い縄目にかかるのでした。
忠義に厚い武将を描く重厚な時代物をご覧に入れます。
二、再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)
陥れられた僧の執念を描いた一幕
この日、鎌倉の新清水寺では源頼朝の厄除のために薄縁の御剣が奉納されます。奉納の役目を務めるのは、北条時政の娘桜姫と深い仲にある千葉之助清玄(きよはる)。桜姫に思いを寄せる荏柄平太胤長は、桜姫が清玄(きよはる)に宛てた恋文を拾い怒りに燃え、庵室にいた清玄(きよはる)と桜姫を引っ立てます。しかし、桜姫の腰元山路が不義の相手は寺僧清玄(せいげん)であると強弁し、清玄(せいげん)は驚きながらも人助けのうちだと、破戒僧の汚名を着せられ寺を去ります。死を覚悟した桜姫は、新清水の舞台から身を投げますが、清玄(せいげん)がそれを助けます。桜姫を介抱するうちに、清玄(せいげん)はただならぬ感情を抱き桜姫に迫ります。そこへ現れた清玄(きよはる)が桜姫を救い出し、清玄(せいげん)は桜姫の片袖を手にさまよいます。その後、清玄(きよはる)と桜姫は山路の父雀屋惣兵衛の家で匿われますが、荏柄の追手が迫り、皆散り散りとなってしまいます。そんななか、桜姫の入った葛籠が偶然にも清玄(せいげん)の庵室に預けられてしまい…。
昭和60(1985)年と平成16(2004)年の公演で演じた当代吉右衛門が監修し、松貫四の名で脚本を手がける舞台をお楽しみいただきます。
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