公演情報詳細
二月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2016年2月2日(火)~26日(金)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
吉川英治 作
今井豊茂 脚本・演出
通し狂言 新書太閤記(しんしょたいこうき)
長短槍試合
三日普請
竹中閑居
叡山焼討
本能寺
中国大返し
清洲会議
木下藤吉郎/羽柴秀吉 織田信長 寧子 柴田勝家 織田信孝 上島主水 濃姫 織田信忠 小早川隆景 福島市松 林佐渡守/黒田官兵衛 おゆう 加藤虎之助 森蘭丸 小熊 森力丸 下男権三 滝川一益 延暦寺使僧 佐久間信盛 武井夕庵 山渕右近/池田恒興 蜂須賀彦右衛門 棟梁六兵衛/吉川元春 又右衛門妻こひ 浅野又右衛門/安国寺恵瓊 前田利家 母なか/丹羽長秀 名古屋因幡守 竹中半兵衛 明智光秀 | 菊五郎 梅玉 時蔵 又五郎 錦之助 松緑 菊之助 松江 亀三郎 亀寿 亀鶴 梅枝 歌昇 萬太郎 廣太郎 種之助 橘太郎 松之助 橘三郎 宗之助 由次郎 亀蔵 市蔵 権十郎 萬次郎 團蔵 歌六 東蔵 彦三郎 左團次 吉右衛門 |
夜の部
一、ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)
源太勘當
梶原源太景季 腰元千鳥 横須賀軍内 茶道珍斎 梶原平次景高 母延寿 | 梅玉 孝太郎 市蔵 橘太郎 錦之助 秀太郎 |
三世河竹新七 作
二、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序 幕 二幕目 三幕目 大 詰 | 吉原仲之町見染の場 立花屋見世先の場 大音寺前浪宅の場 兵庫屋二階遣手部屋の場 同 廻し部屋の場 同 八ツ橋部屋縁切りの場 立花屋二階の場 |
佐野次郎左衛門 兵庫屋八ツ橋 下男治六 兵庫屋九重 同 七越 同 初菊 遣手お辰 絹商人丹兵衛 釣鐘権八 立花屋長兵衛 立花屋女房おきつ 繁山栄之丞 | 吉右衛門 菊之助 又五郎 梅枝 新悟 米吉 歌女之丞 橘三郎 彌十郎 歌六 魁春 菊五郎 |
三、小ふじ此兵衛 浜松風恋歌(はままつかぜこいのよみびと)
海女小ふじ 船頭此兵衛 | 時蔵 松緑 |
みどころ
昼の部
通し狂言 新書太閤記(しんしょたいこうき)
天下人秀吉の魅力を生き生きと描いた壮大な物語
尾張国清洲城主の織田信長に新参者として仕えている木下藤吉郎は、城攻めの槍の手配で采配をふるい、信長に認められることとなります。同時に周囲の恨みも買いますが、つまらぬ見栄や体面にこだわることの愚かさを訴えた藤吉郎に、闇討ちしようとする輩も心をうたれる有様。
ある日、信長に弓衆として仕える浅野又右衛門は、前田利家が娘の寧子を嫁にしたいと望んでいると、藤吉郎に相談を持ちかけます。当の寧子が承諾しないので利家の機嫌を損ねずに縁談を断りたいという又右衛門に対し、万事任せるようにと告げる藤吉郎。実はかねてから寧子に心を寄せていた藤吉郎は、寧子も自らを想っていたことを知ると、驚くべき方法で祝言へと漕ぎつけ、寧子もまた、藤吉郎を思って祝言の席に藤吉郎の母を呼び寄せるのでした。
その後、藤吉郎は、清洲城城壁の普請場での活躍や、名軍師である竹中半兵衛説得などの数々の功により、めきめきと頭角を現し、木下藤吉郎秀吉と名乗るようになります。やがて信長は、自らの天下をより確実なものとするため、毛利攻めを決意し、その前に延暦寺の焼き討ち決行を命じますが、思いとどまるよう諫言した明智光秀に激怒し、毛利攻めの総大将に秀吉を任命します。
毛利方の高松城を攻めあぐねている秀吉のところへ、光秀が信長のいる本能寺に攻め込んだ報せが届き、声をあげて嘆く秀吉。しかし、信長の時代は終わり、秀吉が信長に代わって天下人となるのが相応しいと励まされた秀吉は、幕下の将兵を数多従え、日の出とともに光秀の陣へと向かうのでした…。
国民的人気作家であった吉川英治が描いた「新書太閤記」を舞台化した作品で、これまでたびたび上演されています。今回は、初めて上演する場面を加え、秀吉の人間的魅力と天下人として上りつめるまでを、脚色も新たにより大きなスケールでご覧いただきます。
夜の部
一、ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)
源太勘當
「鎌倉一の風流男」の戦物語と母の苦悩
宇治川の合戦で佐々木高綱との先陣争いに敗れた梶原源太景季は、父景時の命で鎌倉の館へ戻り、責任をとって切腹を命ぜられます。兄の恋人の腰元千鳥に横恋慕し、跡取りの座を狙う弟の平次景高は、仮病を使って出陣もせず、源太をなじり大喜びします。実は源太は、父が合戦の前に佐々木高綱から受けた恩があるので、わざと先陣の功を譲ったのでした。その心を知った母の延寿は、息子を助けるためにわざと勘当して家を出るように命じます。母の愛情に感謝し、源太は千鳥とともに落ち延びていくのでした。
源平の合戦を描いた義太夫狂言「ひらかな盛衰記」の名場面をご覧いただきます。
二、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
花魁にすべてを捧げた男の物語
上州佐野の次郎左衛門は、商売一筋の真面目な絹商人。下男の治六とともに吉原仲之町を訪れ、美しい花魁八ツ橋に心を奪われます。田舎者ながら気前の良い次郎左衛門は、八ツ橋のもとへ通いつめ、身請け話が進みます。ところが、間夫の浪人繁山栄之丞から次郎左衛門との縁切りを迫られた八ツ橋は、満座の中で心ならずも次郎左衛門に愛想づかしをします。突然の仕打ちにうちひしがれて佐野に戻った次郎左衛門でしたが、それから4カ月が過ぎ、再び吉原に現れ…。
三世河竹新七が講談の「吉原百人斬り」をもとに脚色した、世話物の名作をご堪能ください。
三、小ふじ此兵衛 浜松風恋歌(はままつかぜこいのよみびと)
恋人をひたすら待ちわびた海女の怨念
須磨の浦に流された在原行平が都に帰ってしまったことを知って恋焦がれ死んだ海女松風。その松風の霊が小ふじに乗り移ります。小ふじは正気を失って行平が残した烏帽子と狩衣を身にまといながら、行平をしのんで踊ります。そんな小ふじに思いを寄せる船頭此兵衛が追い回しますが、此兵衛は自分の恋が到底叶わないと知ると、いきなり刀を抜いて襲いかかります。小ふじは身をかわすと散々に翻弄するのでした。
謡曲「松風」を素材にした舞踊をお楽しみください。
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