公演情報詳細
團菊祭五月大歌舞伎 | 十二世 | 市川團十郎一年祭 |
当公演は終了いたしました。
2014年5月1日(木)~25日(日)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 小原万兵衛 小野春風 腰元巻絹 秦秀太郎 腰元若菜 錦の前 秦民部 八剣玄蕃 小野春道 | 左團次 権十郎 松江 梅枝 巳之助 廣松 男寅 秀調 團蔵 友右衛門 |
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶 富樫左衛門 亀井六郎 片岡八郎 駿河次郎 常陸坊海尊 源義経 | 海老蔵 菊之助 亀三郎 亀寿 萬太郎 市蔵 芝雀 |
新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
魚屋宗五郎 女房おはま 磯部主計之助 召使おなぎ 茶屋娘おしげ 小奴三吉 菊茶屋女房おみつ 父太兵衛 浦戸十左衛門 | 菊五郎 時蔵 錦之助 梅枝 尾上右近 橘太郎 萬次郎 團蔵 左團次 |
夜の部
一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
曽我五郎 大薩摩主膳太夫 馬士畑右衛門 曽我十郎 | 松緑 権十郎 橘太郎 田之助 |
二、極付幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
幡随院長兵衛 女房お時 唐犬権兵衛 出尻清兵衛 極楽十三 雷重五郎 神田弥吉 小仏小平 閻魔大助 笠森団六 慢容上人 坂田公平 伊予守頼義 渡辺綱九郎 近藤登之助 水野十郎左衛門 | 海老蔵 時蔵 松緑 男女蔵 亀三郎 亀寿 萬太郎 巳之助 尾上右近 男寅 松之助 市蔵 右之助 家橘 彦三郎 菊五郎 |
三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生/獅子の精 | 菊之助 |
みどころ
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
◆古風な味わいと歌舞伎味あふれる趣向の一幕
小野小町の子孫、春道の館を訪れた粂寺弾正。主人文屋豊秀への輿入れが延期されている春道の息女錦の前の病状を聞くことが目的でしたが、髪の毛が逆立つ奇病であることが分かります。考え込んだ弾正は、毛抜が急に踊りだす様子から、悪人の企てを見破ります。
弾正は豪快な面ばかりでなく、腰元や若衆に言い寄っては振られてしまうところもある明るく愉快な人物です。毛抜が踊るときに見せる弾正の見得がみどころのひとつにもなっています。愛嬌と知性を兼ね備えた人物を描いたおおらかな作品をお楽しみください。
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
◆みどころあふれる緊迫の場面
兄頼朝との不和により源義経は、弁慶ら家来達とともに都を落ち延び、山伏姿に身をやつして奥州を目指します。安宅の関に差し掛かった一行ですが、関守の富樫左衛門は通行を許しません。白紙の巻物を勧進帳として読み上げる弁慶。命がけで主君を守ろうとする弁慶の姿に心を打たれた富樫は、一行が義経主従と悟りつつも関所の通行を許すのでした。
歌舞伎十八番の中でも屈指の人気を誇る作品です。随所にみどころの尽きない重厚な一幕にご期待ください。
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
◆妹を思う男の一途な気持ちが描かれた傑作
魚屋宗五郎は、奉公に出した妹のお蔦が不義の咎によって磯部主計之助に手打ちにされたと知り、悲しみに暮れています。そこへお蔦の朋輩おなぎが弔問に現れます。お蔦の罪は濡れ衣であると知った宗五郎は、禁酒中にも関わらず、ついに耐え兼ねて酒を飲んでしまいます。酔った宗五郎は、妹の無念を晴らすために磯部邸に乗り込み…。
妹の死の真相を知った宗五郎が、禁酒の誓いを破って酒を飲み、ついには酒乱の体となる件が大きな見せ場です。江戸の庶民を活き活きと描いた黙阿弥の傑作をご堪能ください。
夜の部
一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
◆荒事の趣向をふんだんに盛り込んだ祝祭劇
紅梅白梅花盛りの正月。曽我五郎が大きな矢の根を研いでいると、大薩摩主膳太夫が年頭のあいさつに訪れます。主膳太夫が祝儀に持参した宝船の絵を枕の下に敷き、五郎は初夢を見ようと横になりますが、夢枕に兄の曽我十郎が現れます。助けを求める十郎の姿を見て飛び起きた五郎は…。
筋隈を取り、仁王襷をかけた五郎は、荒事の豪快さと稚気をあわせもつ役柄です。荒事の要素と江戸狂言の洒落っ気にみちた舞台にご期待ください。
二、極付幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)
◆俠客と旗本の争いを描いた名作
大勢の芝居見物客で賑わう江戸村山座。演じられている「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」の舞台に乱入し、居座る旗本水野十郎左衛門の家臣を追い払った幡随院長兵衛は、桟敷で様子を見ていた水野に呼び止められ、一触即発となります。後日、水野の屋敷での宴に呼ばれた長兵衛は、この誘いが水野の企みであると悟りながら、出向くことを決意します。周囲が止めるのも聞かず一人で屋敷に出かけた長兵衛は…。
俠客として知られる幡随院長兵衛を取り上げた様々な歌舞伎の中でも、決定版ともいわれる作品です。江戸の町奴と旗本の姿を鮮やかに描いた黙阿弥の名作をご堪能ください。
三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
◆気品と荒々しさを併せもつ華やかな舞踊
正月の江戸城本丸御殿。新年の恒例行事である御鏡曳きが執り行われ、将軍に所望された小姓の弥生が吉例の舞を踊ることになります。可憐に踊り始めた弥生ですが、祭壇に祀られた獅子頭を手にとり、踊りを披露しようとすると、獅子の精が弥生に乗りうつり、姿を消してしまいます。やがて、勇壮な獅子の精が現れ、獅子の狂いを見せ始めます。
前半は可憐な女小姓、後半は勇壮な獅子の精と踊り分けるのが一番のみどころです。格調高い長唄舞踊の大曲をお楽しみください。
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