公演情報詳細
芸術祭十月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2017年10月1日(日)~25日(水)
劇場:歌舞伎座
- 歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」初日開幕
- 菊五郎、菊之助『マハーバーラタ戦記』初演への思い
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- 彦三郎が「ナマステ・インディア」で『マハーバーラタ戦記』をアピール
- 菊之助がインド大使を表敬訪問
- 菊五郎、菊之助が語る『マハーバーラタ戦記』
- 歌舞伎座「イベント託児サービス」10月分受付は9月1日から
- 歌舞伎座『マハーバーラタ戦記』特設サイト公開
お食事予約のご案内
【特設サイト】『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』
演目と配役
昼の部
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭参加公演
日印友好交流年記念
青木 豪 脚本
宮城 聰 演出
新作歌舞伎
極付印度伝
マハーバーラタ戦記(まはーばーらたせんき)
序幕 神々の場所より 大詰 戦場まで 世界三大叙事詩が初めて歌舞伎に |
迦楼奈(かるな)/シヴァ神(しん) 汲手姫(くんてぃひめ) 帝釈天(たいしゃくてん) 鶴妖朶王女(づるようだおうじょ) 百合守良王子(ゆりしゅらおうじ)/多聞天(たもんてん) 風韋摩王子(びーまおうじ) 阿龍樹雷王子(あるじゅらおうじ)/梵天(ぼんてん) 汲手姫(くんてぃひめ)/森鬼飛(しきんび) 納倉王子(なくらおうじ)/我斗風鬼写(がとうきちゃ) 沙羽出葉王子(さはでばおうじ) 弗機美姫(どるはたびひめ) 森鬼獏(しきんば) 拉南(らーな) 道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ) 修験者破流可判(はるかばん) 亜照楽多(あでぃらた) 羅陀(らーだー) 弗機王(どるはたおう)/行者 大黒天(だいこくてん) 太陽神(たいようしん) 那羅延天(ならえんてん)/仙人久理修那(くりしゅな) | 菊之助 時蔵 鴈治郎 七之助 彦三郎 坂東亀蔵 松也 梅枝 萬太郎 種之助 児太郎 菊市郎 橘太郎 片岡亀蔵 権十郎 秀調 萬次郎 團蔵 楽善 左團次 菊五郎 |
夜の部
坪内逍遙 作
石川耕士 補綴・演出
一、沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
大阪城内奥殿
城内二の丸
城内山里糒庫階上
淀の方 豊臣秀頼 大野修理亮 饗庭の局 千姫 婢女お松実は常磐木 包丁頭大住与左衛門 氏家内膳 正栄尼 | 玉三郎 七之助 松也 梅枝 米吉 児太郎 坂東亀蔵 彦三郎 萬次郎 |
並木五瓶 作
木村錦花 改修
奈河彰輔 補綴
二、漢人韓文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)
唐人話
十木伝七 傾城高尾 奴光平 傾城名山 太鼓持長八 同 善六 須藤丹平 珍花慶 呉才官 相良和泉之助 千歳屋女房お才 幸才典蔵 | 鴈治郎 七之助 松也 米吉 竹松 廣太郎 福之助 橘太郎 片岡亀蔵 高麗蔵 友右衛門 芝翫 |
三、秋の色種(あきのいろくさ)
女 女 女 | 玉三郎 梅枝 児太郎 |
みどころ
昼の部
マハーバーラタ戦記(まはーばーらたせんき)
世界三大叙事詩を初の歌舞伎化
神々によって人間界に生を受けた迦楼奈(かるな)と阿龍樹雷(あるじゅら)。同じ母を持つ兄弟でありながら、それぞれが使命を背負い、二人は雌雄を決する戦いへと向かっていくのでした―─。
古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」。「マハー」は「偉大な」を意味し、「バラタ」は「バラタ族」を表しています。日印文化協定発効60周年の今年、「偉大なバラタ族」の物語である「マハーバーラタ」が、『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』として歌舞伎座に登場します。王位継承を巡り争う人間の葛藤を描いた壮大な新作歌舞伎です。
ここは神々の世界。那羅延天(ならえんてん)をはじめ、太陽神(たいようしん)、大黒天(だいこくてん)、帝釈天(たいしゃくてん)、シヴァ神(しん)、梵天(ぼんてん)ら多くの神々が集い、人間界を見下ろしています。神々は争うことを繰り返す人間界を嘆きます。そんななか、人間界に救いの手を差し伸べたのは太陽神。象の国の幼き汲手(くんてぃ)姫に子を授け、その子、迦楼奈を、平和を以って人間界を平定する救世主として君臨させようと試みます。しかし、汲手姫は迦楼奈を出産するも、赤ん坊の迦楼奈をガンジス川へ流してしまいます。そして、太陽神と対立する帝釈天は、力を以って世界を支配するべきだと、こちらも汲手姫に子を授けます。帝釈天の子の名は阿龍樹雷。
歳月は流れ、迦楼奈は天性の弓の才能を秘めた青年へと成長を遂げます。ある日、迦楼奈は太陽神から、迦楼奈こそが人間界の救世主であるとお告げを受けます。迦楼奈が母羅陀(らーだー)に夢のことを打ち明けると、羅陀は実の親ではないことを明かします。自らの宿命を悟った迦楼奈は、弓の修業のために家を出る決断をし、都へと旅立ちます。
迦楼奈がやってきた都では、王族として育てられた阿龍樹雷王子ら五王子と、従兄弟にあたる鶴妖朶(づるようだ)王女の姉弟が王位継承を巡り争っています。そこへ仙人久理修那(くりしゅな)が仲裁に入り、武芸大会で王位にふさわしい者が誰かを競うことになります。迦楼奈もその武芸大会に出場し、阿龍樹雷王子と相対しますが、身分が明らかでないために虐げられます。汲手姫は、自らがガンジス川に捨てた幼子が迦楼奈だと気づき卒倒、大会は中止となります。鶴妖朶王女は迦楼奈を味方につけ行動を共にします。因縁ある鶴妖朶王女と阿龍樹雷王子の争いは激化の一途を辿り、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされ、迦楼奈は宿命のライバル、阿龍樹雷王子と対決するのでした…。
神々の世界と人間界が交わり合う物語をお楽しみください。
夜の部
一、沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)
滅びゆく豊臣家の一族と淀の方の狂気を描いた名作
大阪夏の陣、大阪城は徳川家康に攻められ落城寸前です。徳川方と通じる奥女中常磐木らは、家康の孫で秀頼に嫁いだ千姫を城の奥殿から連れ出そうとしますが、秀頼の母淀の方に見とがめられ、常磐木は舌を噛み切って自害します。すると、千姫を助けようと包丁頭大住与左衛門が大台所に火をつけ、城内は炎に包まれます。徳川方の猛攻も始まって城内は両軍入り乱れての乱戦となりますが、与左衛門は千姫を城外へと落ち延びさせます。一方、糒庫(ほしいぐら)へと避難した淀の方は、千姫が城から逃げ出したことを知り、怒りのあまり錯乱。正気を失った母の姿に、母を殺して自害しようとする秀頼でしたが、それを周囲の者が止めます。豊臣家のために降伏するよう勧められた秀頼は、涙ながらに開城することを決意するのでした。
滅亡を迎える豊臣家の姿を綴る坪内逍遙の名作にご期待ください。
二、漢人韓文手管始(かんじんかんもんてくだのはじまり)
長崎を舞台に描く朝鮮使節団をめぐる事件
相良家の若殿和泉之助は唐使饗応(とうしきょうおう)の役を命じられ、長崎の遊廓で唐使呉才官をもてなします。和泉之助と深い仲の名山太夫に横恋慕している呉才官は、浜遊びに名山が同行しなかったため機嫌を損ねますが、通辞幸才典蔵(こうさいてんぞう)が機転を利かせ機嫌が直ります。一方、相良家の家老十木伝七(つづきでんしち)は、唐使に献上する家宝の菊一文字の槍先を紛失したうえ、和泉之助の名山身請けの金が届かないことで困り果てています。そんな伝七を見た典蔵は、思いを寄せる傾城高尾との仲を取り持ってもらう魂胆で、献上の槍先が偽物でも本物と認めると約束します。ところが高尾は伝七と恋仲で、高尾から二人の仲を聞いた典蔵は激怒、唐使への献上品内見の場で、病気の唐使に代わって唐服をまとって現れ、槍先は偽物だと暴露します。典蔵から辱めを受けた伝七は、国分寺の奥庭で典蔵を殺害するのでした。
江戸時代に実際に起きた事件をもとに、情趣豊かに描いた歌舞伎をお楽しみいただきます。
三、秋の色種(あきのいろくさ)
秋の草花が詞章に盛り込まれる長唄の名曲
季節は秋。咲き乱れる草花のなか、女がひっそりと佇んでいます。女は虫の音色に耳を傾けていましたが、楚の襄王が夢の中で巫山の女神と契った故事を思い出し、自らの恋と重ね合わせます。恋人に思いを馳せたあと、女は四季の楽しみというものは長い年月を経ても変わらぬことを思い、舞い納めるのでした。
秋の情景をつややかに踊る季節感あふれる舞踊をご堪能ください。
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