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彦三郎が「ナマステ・インディア」で『マハーバーラタ戦記』をアピール
9月24日(日)、東京都代々木公園イベント広場で開催された「ナマステ・インディア2017」に坂東彦三郎が登場、野外ステージのイベントで、10月の歌舞伎座昼の部『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』を紹介しました。
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歌舞伎ハウスで『マハーバーラタ戦記』を紹介
25回目を迎える「ナマステ・インディア」は、日本最大級のインド・フェスティバルといわれる文化交流イベントです。オープニングでは、菊之助が先日表敬訪問したチノイ駐日インド大使が挨拶に立ち、『マハーバーラタ戦記』の公演に期待を寄せました。かつては歌舞伎座に近い築地本願寺で開催されていましたが、現在は代々木に場所を移して規模も拡大しています。
今回、インドの文化を楽しく体験できるこの一大イベントに、インドの神話的叙事詩を題材とした『マハーバーラタ戦記』を紹介する、「歌舞伎ハウス」が設けられました。ここでは、8月に菊之助のインド訪問、在インド日本大使館で披露した舞踊『鐘ヶ岬』や、迦楼奈(かるな)のスチール撮影の様子などを映像でお見せし、パネルや特製のチラシで『マハーバーラタ戦記』の公演を紹介しました。
野外ステージでのインドと日本の交流
そして、イベント2日目の24日(日)には、舞踊やコンサートなどが行われる野外ステージに、稽古を終えたばかりの彦三郎が、特別ゲストとして登場しました。インド人演歌歌手のチャダさんの紹介でステージに上がった彦三郎は、「衣裳や音楽、表現の仕方など、いろいろとインドを混ぜて新しい歌舞伎をつくっております。皆さん、ぜひ観に来てください」と、呼びかけました。
「まずは敬意を表します」と彦三郎に一礼したチャダさんは、世界初のインド人演歌歌手。「私は42年前に日本で演歌を覚えて歌っていますが、それが今年、日本の素晴らしい方々がインドの『マハーバーラタ』に挑戦するとは、これまた本当に画期的なことです」と、熱く語りかけました。こちらこそと恐縮した彦三郎は、「公演に関してはインド大使館の方々、今日のナマステ・インディアの方々に、たくさんご協力いただいております。ありがとうございます」と、深い感謝の念を伝えました。
インドが好きな人には見逃せない『マハーバーラタ戦記』
「今回の芝居はカルナを中心としたお話ですが、どうしても日本の色、匂いが入ってしまいますので、嘘にならないようにと、一所懸命やっております。インドの世界観を壊さないように、皆で頑張っております」と、彦三郎が稽古の様子を伝えると、チャダさんは歌舞伎ハウスで紹介している菊之助の弓を引く姿について触れ、「『マハーバーラタ』でも同じような引き方をしています。勉強されていますね」と感心しきりでした。
彦三郎は今回の舞台では、百合守良王子(ゆりしゅら)と多聞天(たもんてん)を勤めます。百合守良は五王子の長男ユディシュティラのことで、「ちゃんと賭け事の場面もあります」と役どころを説明。チャダさんをはじめ会場のインドの方々も大きくうなずき、「マハーバーラタ」が本当にインドの人にとっては説明不要の物語であることが伝わってきました。
日印友好のために歌舞伎座へ!
ここで、「せっかくですから、こんなことはなかなかしないのですが、見得をさせていただきます」と、見得を披露した彦三郎に、会場は指笛も鳴って大喝采。「こういう場面がいっぱいありますので、楽しみにしてください。本当に皆様をお待ちしております」とアピールすると、いっそうの拍手が起こりました。一人でも多くの方に歌舞伎に興味を持ってもらいたいという彦三郎の気持ちが、会場の皆さんに一気に広がった瞬間でした。
「日印友好のためにもぜひぜひ観てください」とチャダさんが続けて、彦三郎に頑張ってくださいと、最後までエールを送り、会場は再び温かい拍手に包まれました。日本とインドの懸け橋となる「ナマステ・インディア」らしいアットホームな雰囲気の中、日印友好交流年記念にふさわしい二人の出会いとなりました。
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歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」『マハーバーラタ戦記』は、10月1日(日)から25日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹で販売中です。