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南座「まねき書き」で顔見世興行大入りを願う

南座「まねき書き」で顔見世興行大入りを願う

 

 11月6日(金)、京都市内の妙傳寺で、京の年中行事「當る丑歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」に向けて、恒例の「まねき書き」が行われました。

 南座の「吉例顔見世興行」で掲げられる、出演俳優の名前を記した「まねき」。例年、顔見世興行の期間中、公演の大入りと成功を祈り南座の正面をにぎやかに飾るまねきは、京都の冬の風物詩として親しまれています。

 

 勘亭流書家の井上玉清(本名:優)さんが、客席がすき間なく埋まるようにと願いを込められた歌舞伎独特の「勘亭流」の文字で、まねき板いっぱいに出演俳優の名前を書き入れていきます。今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、さまざまな感染拡大防止対策を講じての開催となりますが、井上さんは「この状況下でも、これまで一度も途切れることのなかった顔見世興行の伝統を続けられたことが書き手としてうれしいです」と、今年も無事に興行が行われる喜びを表します。

 

南座「まねき書き」で顔見世興行大入りを願う

 

 また、客席数を減らしての上演とはなるものの、「気持ちのうえでは大入りになるよう願いを込めて書きました。劇場に上がったまねきを見て、明るい気持ちになっていただければ」と、筆に込めた思いを語りました。書き上げられたまねきは、11月下旬の「まねき上げ」で南座正面に掲げられ、いよいよ初日を待つばかりとなります。

 

 感染予防対策の一環として、2演目三部制興行で行われる今年の顔見世興行。各部、若手俳優による舞踊に始まり、上方俳優がそろう第一部の『傾城反魂香』、当代松嶋屋三代が共演する第二部『熊谷陣屋』、上方和事の世界をご堪能いただける『吉田屋』と、今年ならではの顔ぶれによる多彩で魅力的な狂言立てをご覧にいれます。年末の歌舞伎の祭典を、どうぞお楽しみください。

 京の年中行事「當る丑歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は12月5日(土)から19日(土)までの公演。チケットは、11月15日(日)から、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。

2020/11/07