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令和初の顔見世興行、新開場一周年へ向けて「まねき書き」

令和初の顔見世興行、新開場一周年へ向けて「まねき書き」

 11月6日(水)、京都市内の妙傳寺で、南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」に向けて、恒例の「まねき書き」が行われました。

 南座の「吉例顔見世興行」で掲げられる、出演俳優の名前を記した「まねき」。江戸時代、劇場前を種々の文字や絵を使って飾り立てることが芝居の宣伝の主要な方法とされており、そうした看板類の一種がこの「まねき看板」でした。南座の正面に飾られるこの看板は、京の師走の風物詩として親しまれています。

 

 揮毫は、南座のまねき書きを引き継いで今年で6年目となる勘亭流書家の井上玉清(本名:優)さん。”令和初のまねき書き”について意気込みを尋ねられると、「いつもと特に変わりませんが、先代から書きつなげてきたという責任感、これからも南座のまねきをずっと伝統として守りたい一心で毎年やっています」と微笑みながら、脈々と受け継がれてきた文化への確かな思いを述べました。

 

令和初の顔見世興行、新開場一周年へ向けて「まねき書き」

 客席がすき間なく埋まるようにと願いを込められた歌舞伎独特の「勘亭流」の文字で、まねき板(長さ一間=約1.8m、幅一尺=約30.3cm、厚さ一寸=約3cm)いっぱいに、出演俳優の名前を書き入れていきます。井上さんは最後に、「京都の“なじみ”になっている南座のまねきを見て、衹園の華やかな気分を味わいながら芝居見物をしてほしいです」と語りました。総数約50枚のまねきは、11月25日(月)の「まねき上げ」で南座正面に掲げられ、師走の京都を彩ります。

 

 昨年の新開場より一周年を記念する今年の顔見世では、昼の部『金閣寺』で坂田藤十郎、中村鴈治郎、中村壱太郎が、同じく昼の部『仮名手本忠臣蔵』「祇園一力茶屋の場」では、片岡仁左衛門、片岡孝太郎、片岡千之助が親子孫三代での共演を果たします。また、片岡秀太郎の顔見世史上最多となる70回目の出演や、梅丸改め中村莟玉の南座初披露など、みどころ満載です。「芝居国の正月」ともいわれる、豪華絢爛な歌舞伎の祭典を今年もお楽しみください。

 京都南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は11月30日(土)から12月26日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。 

 

令和初の顔見世興行、新開場一周年へ向けて「まねき書き」
2019/11/06