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澤村藤十郎「こんぴら歌舞伎」サプライズトークショーに登場

澤村藤十郎が「こんぴら歌舞伎」スペシャルトークショーに登場

 左より、澤村藤十郎、中村勘九郎、中村七之助

 4月11日(木)、香川県の旧金毘羅大芝居(金丸座)で行われた「第三十五回記念 四国こんぴら歌舞伎大芝居」において、サプライズトークショーとして、澤村藤十郎、中村勘九郎、中村七之助が登場しました。

 第二部の終演後、席を離れずにお客様が待っていたのは、この日突然行われると知らされたトークショー。藤十郎が平成10(1998)年以来、20年ぶりに金丸座の舞台に戻ってくるとあって、客席にも興奮が広がりました。

 

 定式幕が開き、現れたのは藤十郎と、勘九郎。客席からはさっそく惜しみない拍手が送られました。舞台からの金丸座の景色を見て、「こんぴら歌舞伎」は、「懐かしい芝居小屋で、昔、面白い芝居をやろうって話になって、私と播磨屋(吉右衛門)とのりちゃん(十八世勘三郎)と三人で、始めたんですよ」と、うれしそうに話す藤十郎。「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、三人がテレビ番組を通じて金丸座と出会い、そこで歌舞伎を上演したいという情熱をもったことから、昭和60(1985)年に始まりました。

 

 しばらく金丸座へ出演していなかった藤十郎ですが、勘九郎は「父(十八世勘三郎)が、第三十回記念のときは絶対に一緒に出てもらわなきゃいけないと言っていました。それが結局かなわなかったので、第三十五回記念の今回、必ず出ていただきたいと思って」、今回のトークショーが実現したと明かしました。勘三郎は藤十郎と、第三十回記念公演で「こんぴら歌舞伎」復活に至るまでの苦労話などを語りつくす座談会を行う約束を交わしていたと言います。第三十五回記念という節目に藤十郎、勘九郎、七之助の三人という形で実現しました。

 

 藤十郎から第一回公演を迎えるまでの紆余曲折を聞き、客席と舞台が近い金丸座だからこそのエピソードなどを語りあった二人。勘九郎が現在上演中の『高坏』も例に挙げ、「本当に、舞台に出てきただけで皆さんの顔が桜に見えるんです。ああ、お客様に助けられているなという気持ちになる劇場です」と話すと、藤十郎も深くうなずきながら、「これからも大事にやっていきたい劇場ですね」と返しました。

 

 着替えを終え、登場した七之助。藤十郎に笑顔で近づき、「舞台に一緒に立てるなんて」と喜びを表しました。藤十郎はいつも優しく、幼い頃、「おいでと言われて、近寄って頬にキスをすると、必ずお菓子をくれた」という、微笑ましいエピソードも披露。勘九郎も「本当によくお芝居をご存知で、父(勘三郎)からも、アンクル(藤十郎)を見習えよ、毎日芝居を見ているぞ、と言われていた」と話します。そんな勘九郎と七之助を前に、藤十郎は、「面白い演目がたくさんあるんだよ。全部やってもらおうと思っている」と目を輝かせました。最後に一言を求められた藤十郎は、「またこの金丸座で楽しい芝居をやってもらいましょう」と、力強く言い、それに応えるように沸き上がった熱い拍手が金丸座を包みました。

 旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十五回記念 四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、4月6日(土)から21日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2019/04/18