ニュース
大阪松竹座「十月大歌舞伎」齊入、右團次が成功祈願とお練り
9月7日(金)、大阪松竹座「十月大歌舞伎」で襲名披露する二代目市川齊入と三代目市川右團次が、大阪市の高津宮で成功祈願の後、道頓堀にてお練りを行いました。
▼
初世右團次がその名を子に譲って、初代齊入を名のり、二代目右團次とともに襲名披露の舞台に立ったのは、明治42(1909)年1月、大阪の中座でのことでした。今回、大正4(1915)年に齊入が引退してから103年ぶりに、再びそろった齊入と右團次の名跡。ゆかり深い大阪での襲名披露にあたり、成功祈願とお練りに臨んだ二人には特別な思いが満ちていました。
高津宮の成功祈願祭では、本殿に涼やかな風が吹き渡り、お神楽の鈴の音が鳴り響って厳かな空気が、二人を包み込みました。本殿を出たところで、待ち受けたファンのカメラにすがすがしい笑顔を向けた齊入と右團次。記念写真に収まったところで、地元の皆さんへ襲名への決意を語りました。
◇
続いて場所を道頓堀に移し、堺筋から二人が人力車に乗り込むと、雲の切れ目から日も差し込みはじめ、まるでスポットライトが当たっているかのよう。集まった皆さんの「高嶋屋!」のかけ声に手を振り、ありがとうございますと感謝の言葉で応えていました。いつも観光客で賑わう道頓堀を御堂筋方向へとゆっくりと進み、地元へのお目見得を果たした齊入と右團次は、30分ほどかけてようやく大阪松竹座に到着しました。
「本日は皆様の熱い応援のおかげで、雨にも降られずにお練りができました。ありがとうございます。ご後援の皆様方のご援助をいただき、このように晴れがましく襲名披露させていただくことになりました。これも、私の先祖のおかげと喜んでおります。右團次、齊入の名前が道頓堀の舞台に上がりますこと、先祖も皆、泉下におきまして喜んでいることと存じます。初心に立ち返り、一から勉強しなおす覚悟でございます。どうぞ、皆様応援のほどよろしくお願い申し上げます」と、齊入は感謝と喜びの言葉をあふれさせました。
右團次も大阪でのお披露目を「幸せでございます」と続け、「私は道頓堀からほど近い場所で生まれました。小学校六年生までそこで過ごしておりましたけれど、今はスーパーになっております。自分の育ちました町のすぐそばで、こうして襲名披露興行がかくも盛大に行われますこと、このような幸せはございません。このうえは故郷に恥をさらさぬよう、代々の右團次の名跡を辱めることのなきよう、懸命に努力精進いたしまして、故郷に錦を飾りたいと存じております」と挨拶し、懐かしい地元からの大きな拍手を浴びました。
最後は市村昌也大阪松竹座支配人があらためて感謝を述べ、10月の襲名披露公演の成功を祈念し、お集まりの皆さんのご唱和とともに大阪締めでめでたくお開きとなりました。
▼
大阪松竹座「十月大歌舞伎」は10月2日(火)から26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹で販売中です。