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尾上右近「第四回 研の會」のお知らせ

尾上右近「第四回 研の會」のお知らせ

 8月26日(日)・27日(月)、国立劇場小劇場で、尾上右近 自主公演「第四回 研の會」が開かれます。

 4年目を迎えた今回も、演目を決めてから「菊五郎のおじ様にまずご相談にうかがいました。いいんじゃないか、とおっしゃったあとにしばらく考えられて、言葉が出てこないからなあ、と」。出てこない言葉とは、右近が歌舞伎ではしゃべったことのない、関西弁のこと。「研の會」初の上方の演目『封印切』に挑戦する右近は、菊五郎を前に感謝とともに、決意のほどを見せました。

 

「いつかは」と願い続けた『封印切』忠兵衛

 平成24(2012)年、藤十郎が『封印切』の忠兵衛を勤めた大阪松竹座の團菊祭。「25日間舞台袖で、覚えられるところから覚えたいと、涙を流しながら拝見していました。笑っているうちに、いつの間にか笑えなくなっている、あの多面的な悲劇性が大好き。おじ様の忠兵衛には、それがすごく色濃く感じられるところがたくさんありました」。成駒家型の忠兵衛を鴈治郎に教わり、梅川には壱太郎が出演します。

 

 成駒家型は最後に忠兵衛が一人で花道を引込みます。「忠兵衛は帰るけれど、客が来る時間で、たくさんの往来の中、自分一人が死に向かって歩く…。封印が切れてから自分しかその真実を知らない、周りの賑やかさが刺さるように痛いと思うんです。おじ様の忠兵衛に、そういう感覚をリアルに感じました」。千穐楽に藤十郎の楽屋で、「見ててくれてありがとう、とおっしゃってくださったのがとてもうれしくて」、と思い返すようにして顔をほころばせました。

 

 型があって型がないといわれる関西の芝居には、「自分というものの主張を重ねていくのが、その演目の生命力だとのお考えがある気がします。関東の人間ですが、関西歌舞伎の精神がすごく理解できます。忠兵衛はやはり捨てぜりふ。関西弁の捨てぜりふがぽろっと、さらっと出てくるところまでいくには、そうとう難儀するとうかがっています」。自主公演だからやりたいものをやればいいのに、「難儀なものを選んでしまう」性格なので、と苦笑していました。

 

尾上右近「第四回 研の會」のお知らせ

これからも壱太郎と踊っていきたい『二人椀久』

 もう一つの出し物は、「壱太郎さんとずっと前から、いつか一緒に踊ろうと話をさせていただいていた」『二人椀久』。いずれは本興行の舞台を目指す“サクセスストーリー”の一ページ目を開くつもりでと、念願かなう喜びをあふれさせました。松山と椀久といえば四世雀右衛門と五世富十郎、「“御存知”『二人椀久』だと思います。僕も憧れた一人で、ファンのような感覚なんですが、自分も歌舞伎俳優である以上は、あの尾上流振付を経験したいなと」。

 

 「(尾上)墨雪先生のところで手ほどきを受けたのが、(歌舞伎俳優としての)始まり。僕のルーツが尾上流にあります」。壱太郎は吾妻流ですが、「二人とも自分たちのルーツをたどるという意味で、この舞台はすごく大きいものがあります。壱太郎さんは、僕が公演で東京を離れていた間に、菊之丞先生のところで振り写しをしてくださっていて、はるかに準備が進んでいらっしゃるんです」。幕が上がる前から二人の熱意が伝わってきました。

 

 さらっと踊る魅力もあるかもしれないけれど、「僕の好みとしては油絵タッチの、リアリティーあふれる踊りを追求したい。男女の恋愛のなかの心情が色濃く映し出されている踊りで、これまであまり踊った経験がありません。『封印切』もそうですが、今回は内面的なものがすごく問われる二題、自分の数少ない恋愛経験も活かしていかないといけないと思っています」と、はにかみながらも力強く語りました。

 今回の「研の會」は、名付けて「男の悲恋二題」。26歳の今だからこそ、「経験を活かして生々しく演じさせていただきたい」。そして、経験は経験として、「ただひたすら、今は何を勉強したいか、直感で感じることを追い求めたい」。回数を重ねることで経験が力となることを願い、第四回の幕を開けます。

 

尾上右近「第四回 研の會」のお知らせ尾上右近「第四回 研の會」のお知らせ

 「見ていただきたいものと勉強したいもののせめぎ合い」、今回は立役のみ、悲恋の男二人を描きます

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尾上右近自主公演「第四回 研の會」

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   中村鴈治郎 指導

一、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)

封印切(ふういんきり)

亀屋忠兵衛:尾上右近
傾城梅川:中村壱太郎
槌屋治右衛門:嵐 橘三郎
井筒屋おえん:上村吉弥
丹波屋八右衛門:中村亀鶴

 

二、二人椀久(ににんわんきゅう)

椀屋久兵衛:尾上右近
松山太夫:中村壱太郎

 

 

日時

2018年8月 26日(日)17:00開演
  27日(月)12:00/17:00開演

 

場所

国立劇場小劇場

東京都千代田区隼町4-1

 

チケット

全席指定:11,000円(税込)

 

2018年7月14日(土)10:00発売

 

尾上右近事務所 080-4862-5858/070-3172-8010 (10:00~20:00)

イープラス

・国立劇場チケット売場(10:00~18:00) ※窓口販売のみ

 

お問い合わせ

尾上右近事務所 080-4862-5858/070-3172-8010(10:00~20:00)

2018/06/17