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彌十郎が映画『審判』出演
6月30日(土)より、渋谷ユーロスペースほかで公開の映画『審判』に、坂東彌十郎が出演します。
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カフカの『審判』を、イギリス出身で日本在住の監督が、日本を舞台に日本人キャストで映画化。30歳になった朝、目覚めたら身にまったく覚えもないのに逮捕された男、木村陽介(原作のヨーゼフ・K)が、何か見えないものに巻き込まれるように翻弄される日常が描かれます。
彌十郎はシネマ歌舞伎には登場していますが、スクリーンのための演技は『やじきた道中 てれすこ』(2007)以来で、現代劇としては初めてとなります。彌十郎が演じるのは殴る男、原作では鞭打つ笞刑吏の役です。木村が訴えたからと、鋲付きのグローブで二人の監視人を殴り、木村に書類にサインするよう強要します。ひと言ひと言含みのあるせりふが、耳を引き付けます。
このシーンに限らず、物語は不可解な空気に包まれています。そして、何にも拘束されていないのに、徐々に道を断たれ、身動きのとれない状況へと追い込まれていく木村。作品が醸し出す空気は、確かにカフカの世界感につながっていて、殴る男もその中の住人の一人として存在感を放ちます。
歌舞伎とはまるで異なる表現で、彌十郎がこの物語世界を体現する一人となる『審判』の世界。彌十郎は出演にあたり、「私の父(坂東好太郎)は若い頃映画の世界に身を置いておりましたし、私も還暦を過ぎて舞台以外の経験もしてみたくなりました。今回の“殴る男”という役にとても興味を持ったので、初めての現代劇に挑戦してみることにしました」とコメントを寄せました。ぜひ劇場でたっぷりとその作品に、映像に浸ってください。
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映画『審判』
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監督・脚本:ジョン・ウィリアムズ
原作:フランツ・カフカ『審判』
出演:にわつとむ
常石梨乃 田邉淳一 工藤雄作
川上史津子 早川知子 関根 愛 村田一朗 大宮イチ
坂東彌十郎 高橋長英 品川 徹
■公開
2018年6月30日(土)
■場所
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3階 電話:03-3461-0211
■上映時間
1時間58分
■配給
百米映画社