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「新春浅草歌舞伎」鏡開きで新年を寿ぐ
1月2日(火)、浅草公会堂で「新春浅草歌舞伎」出演の尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村歌女之丞、中村梅丸、そして中村錦之助が、新年の挨拶と鏡開きを行いました。
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早朝から浅草公会堂のスターの広場と、道路を挟んで向かい側の歩道まで、いっぱいの歌舞伎ファンが待ちわびていたのは、「新春浅草歌舞伎」出演者の登場。出演者たちが姿を見せると、いっせいに屋号のかけ声が飛んで、威勢のよい2018年の幕開けとなり、まずは新年の挨拶が始まりました。
出演者が現在の若手世代に変わって4年目の「新春浅草歌舞伎」。松也は、「また新たな気持ちで挑まなくてはいけないと思っております。去年より人数が増えまして、いっそう華やかな形で浅草歌舞伎ができることを、うれしく思っております。先輩方にご指導いただいたことを、しっかりとひと月間出し切り、次につなげられるように精いっぱい勤めたい。初日から何度でもお越しいただき、ぜひ私どもの成長をご覧ください」と、引き締まった表情で挨拶しました。
出演は3年ぶりとなる歌昇は、「この3年間に出ていた皆が、浅草歌舞伎の基礎を築いてくれました。私はそれに乗り、皆に負けないように精進していけたらと思っております。今回は南方十次兵衛という、本当に難しいお役に挑戦させていただきます。ここに集まっていただいた皆様の熱気を、我々は舞台の上でしっかり表現していけましたら」と気合を込めました。
巳之助は今年、5演目中4演目に出演。「去年は人数が少なかったものですから、鏡開きも寒かったです(
新悟は、お集まりの皆さんを見て、「浅草歌舞伎は出演者もさることながら、お客様の層も若い公演です。歌舞伎を観たことのないお客様には歌舞伎の演目の幅広さを知っていただき、あなたたちのことは子どもの頃から知っている、というお客様には、温かい目で私どもの成長を見守っていただきたい。ご期待を裏切らないよう精いっぱい勤めます」。
種之助は、「まだまだ若手で、つたない芸だとは思いますけれども、やれるだけの稽古をし、先輩方にできるだけのお稽古をしていただいて、この初日を迎えられることを本当にわくわくして年を越しました。そのわくわくがお客様に伝わり、来てよかったなと思っていただけるような公演にしたい。千穐楽まで精いっぱい勤めます」と笑顔を見せました。
米吉は2年ぶりの浅草出演。「本当に楽しみで、大きな2つのお役を勤めさせていただくにあたり、いっぱいいっぱいでどうしようかというような気持ちではありますが、一所懸命、教えていただいたことを反芻しながら、毎日、毎日を勤めたいと思いますので、皆様のご声援、どうぞ、よろしくお願いいたします」と、緊張もにじませながら挨拶しました。
隼人は7年連続7回目の出演。「今年は新作歌舞伎に出演する予定も多いのですが、その1年の始めに浅草歌舞伎で古典を勉強させていただき、本当にありがたいスタートが切れます。『鳥居前』では佐藤忠信という荒事、私、人生初の荒事を勤めさせていただきます。劇場の熱気はほかのどこの劇場にも負けないと思います」と熱く語りました。
歌女之丞は昨年に続いて4年連続の出演。「錦之助さん、若手の皆さんと一緒に熱い舞台を勤めたいと思っております。ご支援、ご声援のほど、どうぞよろしくお願いいたします」と、穏やかにな語り口に熱を込めて呼びかけました。
梅丸は6年連続、浅草での年明け。「今年もまたこうしてお兄さんたちの仲間に入れていただきまして、本当にありがたく思っております。大きなお役、3役を勤めさせていただきますが、すべて初役です。25日間しかありませんので、とにかく毎日、成長していけるように早寝早起き、充実したひと月、健康的なひと月にしたいと思っております」。
錦之助はマイクを握るや否や、「皆さん、チケット持っていますか! お持ちでない方はご購入ください」と呼びかけて場を沸かせ、「舞台をご覧になって素晴らしかったら、ぜひつぶやいてください。浅草歌舞伎、頑張っていた、よかった、楽しかった、面白かったと、どんどん拡散して、大入り満員札止めになるように、よろしくお願いいたします」と、力強い言葉で「新春浅草歌舞伎」を舞台の外からも支えていました。
服部征夫台東区長からも「台東区の幕開けは浅草歌舞伎から。どうぞご堪能ください」と、心強い祝辞を受け、お待ちかねの鏡開きに。景気のよいかけ声とともに酒樽が開き、お客様に振る舞い酒で温まっていただいたところで、いよいよ初日開幕となりました。
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