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史上初の「吉例顔見世興行」まねき上げ

史上初の「吉例顔見世興行」まねき上げ

 

 

 11月25日(土)、「當る戌歳 吉例顔見世興行」の開幕を前にロームシアター京都で、「まねき上げ」が行われ、中村芝翫、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助が挨拶しました。

史上初の「吉例顔見世興行」まねき上げ

ロームシアター京都にまねきが上がる

 歴史ある京都の「吉例顔見世興行」で初めて、南座以外の劇場に上がった「まねき看板」。坂田藤十郎のまねきが上がり、56枚のまねき看板が並びそろうと、ご見物の皆さんからも大きな拍手が上がりました。

 

 すがすがしい朝を迎えた芝翫は、「戦中戦後の苦しい時代もこのまねきを上げ続けた『吉例顔見世興行』で、親子四人で襲名披露できますこと、本当に幸せでございます」と、感激の面持ちで挨拶。「昼夜に面白い狂言、素晴らしい先輩方のお胸をお借りして、私ども一家、一所懸命勤めてまいります。どうか多くの皆様がこのロームシアター京都に足を運んでくださるよう、切にお願い申し上げます」と、きりりとした表情で述べました。

 

まねき上げで顔見世興行を実感

 橋之助も伝統ある「吉例顔見世興行」での襲名を喜び、「2度、京都の顔見世には出させていただいておりますが、昨日、京都の駅に降り立ち、肌寒さを感じたときに、いよいよ顔見世が近づいてきたんだなと。そして今日、まねきを見ることができて、本当に顔見世で襲名させていただけるんだと、より身が引き締まりました」と、初日に向けて決意も新たに語りました。

 

 福之助は1年前の秋に始まった襲名披露を思い返し、「京都の公演は遠いことと思っておりましたが、来週はもう初日。今日、まねき上げで実感が沸いて、緊張感も高まってきています。さまざまな大役をいただいておりますので、一日一日、成長できるよう頑張ります」と、初めてとなる「吉例顔見世興行」の舞台に意欲を見せました。

 

 歌之助も京都の顔見世は初めての出演。「顔見世は父や兄が出ているときにいつも観に来ていました。出ていらっしゃる方がオールスターの顔見世に憧れていて、今回出られることが本当にうれしい。まねきが上がるのは初めてで、今日、見て実感が沸いて楽しみになっています」。観る側も楽しくなる、頼もしい挨拶をしました。

 

京都とともに歩んできた「吉例顔見世興行」

 続いて、「顔見世は京都の誇り。ロームシアター京都を活用していただけるのもうれしい」という門川大作京都市長が挨拶に立ち、「歌舞伎は京都の伝統産業が、文化が、匠が支えております。この顔見世を市民ぐるみでおおいに盛り上げていきたい。日本の伝統文化である歌舞伎を、皆さんと一緒に、そして、京都の伝統産業と一緒に盛り上げていきたい」と、歌舞伎と京都がともに育んできた長い歴史を踏まえ、未来に向けてのメッセージを発信しました。

 

史上初の「吉例顔見世興行」まねき上げ

 公演の成功を祈念し、芝翫の発声による一本締めで「まねき上げ」式典をめでたく終えたところで、四人はそろって向かいに建つみやこめっせへ。「歌舞伎モノコト展」に足を運び、衣裳展示などでこれまでの襲名披露を懐かしんだり、これから始まる襲名披露公演に向けて、また一つ、気持ちを高めていました。

 ロームシアター京都 メインホール「京の年中行事 當る戌歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は、12月1日(金)から18日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

2017/11/25