「永楽館歌舞伎」出演者がお練りで地元にご挨拶
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11月3日(火・祝)、兵庫県豊岡市で、「第八回永楽館歌舞伎」出演の片岡愛之助、中村壱太郎、上村吉弥、中村鴈治郎がお練りを行い、永楽館のある地元、出石の皆さんに公演をアピールしました。
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城下町の風情も色濃い出石の街に鮮やかな幟(のぼり)がはためき、翌日の初日を前に、今年も年に1度の 「永楽館歌舞伎」のお練りは、おおいに盛り上がりを見せました。朝から続く「第45回 出石お城まつり」が終盤に近づいたところで、舞台稽古中の永楽館から人力車に乗込んだ公演出演者の四人。ときに雨もぱらついていたのが、お練り出発とともに空も明るくなり、穏やかな秋の一日、昨年にも増して大勢の人出となりました。
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詰めかけた歌舞伎ファンからの声援に俳優たちがにこやかに手を振って応え、一行がようやくお祭り広場に到着すると、特設ステージに上がった四人にまぶしいほどの秋の日差しが当たり、お待ちかねのご挨拶が始まりました。
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「本当にうれしゅうございます。中貝市長をはじめ、応援してくださる皆様のお力があって成り立っている芝居でございます」と感謝した愛之助は、「今回、『青雲の座』で桂小五郎を勤めさせていただきます。小五郎は出石に本当にうまく潜り込み、誰も気づかなかったということです。そして、『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』では、五役早替りで勤めます。さらに今年は、鴈治郎兄さんがお忙しい襲名のさなかに来てくださいました」と話し、「永楽館歌舞伎」のあとは鴈治郎襲名披露の「吉例顔見世興行」もよろしくお願いしますと続けました。
新作歌舞伎『青雲の座』は、長年の夢がかなってつくられた昨年の『神の鳥(こうのとり)』に続くご当地狂言。幕末期に長州藩の桂小五郎が出石に潜伏していたことをとり上げたもので、出石には身を寄せていた民家跡に石碑も残っています。愛之助の勤める小五郎が、出石の人々に助けられた逸話が描かれます。
「父とともに来られたことがとてもうれしい。と言うのも、父はずっと来たいと言っておりましたので、きっと喜んでいると思います」と挨拶したのは壱太郎で、襲名披露興行が続いている鴈治郎は、『弁天娘女男白浪』日本駄右衛門で出演した第二回(2009年)以来となる、念願の出演に向けての意欲を満面の笑顔で語りました。
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近畿地方でも屈指の歴史を誇る芝居小屋に歌舞伎をと、2008(平成20)年に出石の皆さんの尽力で実現した「永楽館歌舞伎」も8回目。昨年より公演期間が1日長くなりましたが、愛之助は「できれば来年も、日にちを延ばしてさせていただきたい」と意気込みを見せました。最後に大阪締めでさらなる盛況を願った「永楽館歌舞伎」は、いよいよ明日、初日を迎えます。
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出石永楽館「第八回 永楽館歌舞伎」は、明日4日(水)から10日(火)までの公演です。