愛之助が語る「松竹大歌舞伎」
11月12日(水)~11月25日(火)、全国10カ所で行われる 平成26年度「松竹大歌舞伎」出演の片岡愛之助が、公演への意気込みを語りました。
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初めてのお客様によりわかりやすい「毛谷村」を
今回上演の『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』は、お馴染みの「毛谷村」の前に「杉坂墓所」の場も上演されます。約3年ぶりの全国公演に出演する愛之助は、「初めてご覧になられる方には、『毛谷村』から始まるのは少し難しいかなと思いまして」と、「杉坂墓所」を上演する意義を語りました。
「通し上演に微塵弾正実は京極内匠という敵役で出させていただいたとき(平成23年2月大阪松竹座)、それまでは写真や資料でしか見たことがなかった場の舞台に立ってみて、この場があったほうがわかりやすいと思いました。『毛谷村』までの流れがあることで感情移入でき、六助の優しさと人間の器の大きさ、力強さを感じとることができました」
愛之助が六助を初めて演じた新春浅草歌舞伎(平成25年1月浅草公会堂)では、十三世仁左衛門から伝わるやり方を、伯父の我當に手取り足取り教わったと言います。「六助ほどの腕であれば、微塵弾正に傷がつくほどやられたりしないだろうとの考えで、伯父は眉間の傷をつけないのですが、役者はそれぞれ身長も顔も違うから、いろいろ試して自分に合うやり方を探していくもの、とも伯父は言っておりますので、今回は傷をつけてみようかと思っています」。
夫婦の雰囲気を大切に踊りたい『団子売』
賑やかに唄い踊って団子を売り、夫婦の仲のよさを見せる歌舞伎舞踊の『団子売』。相手役のお臼を踊るのは壱太郎です。「赤ちゃんの頃から見ている壱太郎さんですが、いつの間にか妹、時にお母さんで共演していただいて…」。共演の機会も多い二人、息もぴったりな夫婦の姿が今から目に浮かぶようです。
「壱太郎さんは山城屋のおじさん(藤十郎)や翫雀にいさんに似ていらっしゃって、同じ舞台に立たせていただくと幸せを感じます。『団子売』はそういう雰囲気が大切だと思うので、この気持ちを大事にしてやらせていただきます」。
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愛之助は、歌舞伎以外の舞台やテレビ出演などをきっかけに「歌舞伎を初めて観ましたと、言っていただけると本当にうれしい」と笑顔を見せ、最後に、「お客様に“面白かったね、もう一回観に来たいね”と喜んで帰っていただける芝居づくりを」と、全国公演への意気込みを力強く語りました。
平成26年度「松竹大歌舞伎」は11月12日(水)~11月25日(火)、チケット販売は会場ごとに異なりますので、公演情報から各会場へお問い合わせください。