京都・南座の「まねき書き」始まる
11月6日、今月末から南座で幕を開ける師走の年中行事「吉例顔見世興行」を前に、出演する歌舞伎役者の名前を庵形の看板に書き込む「まねき書き」が京都市左京区の妙伝寺にて始まりました。
今年で12年目となる書家・川勝清歩さん(74歳)が、「勘亭流」と呼ばれる歌舞伎独特の書体で、祝事の意味を込め、また文字の照りを良くするための清酒と風雨にさらされるなど屋外環境の中でも耐えうるためのニカワを混ぜた墨をたっぷりと筆に含ませて一枚一枚丁寧に書き上げていきました。
「勘亭流」は筆太で隙間なく内へと丸まって書かれる書体で、客席に隙間なくたくさんのお客様が入ってほしいという主催者や劇場の願いが込められています。
今年の顔見世は二代目中村錦之助の襲名披露ともなりますが、南座で「中村錦之助」のまねきがあがるのは実に55年ぶりです。そして、坂田藤十郎、中村富十郎、尾上菊五郎、松本幸四郎、片岡仁左衛門、中村梅玉、片岡我當、市川左團次、片岡秀太郎ら東西の人気俳優が顔を揃えて公演を盛り上げます。
25日にはまねきを劇場正面に飾る「まねき上げ」が行われ、京都の冬も本番を迎えることとなります。
2007/11/07