公演情報詳細
八月花形歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2011年8月6日(土)~27日(土)
劇場:新橋演舞場
料金(税込)
- 1等A席130,000円
- 1等B席10,000円
- 2等A席6,500円
- 2等B席4,000円
- 3階A席4,000円
- 3階B席2,500円
- 桟敷席14,000円
※一幕見席はございません。
演目と配役
第一部
一、花魁草(おいらんそう)
お蝶 幸太郎 米之助 客孝吉 お糸 小料理屋女房 五兵衛 お八重 勘左衛門 お栄 | 福助 獅童 勘太郎 亀蔵 新悟 歌江 市蔵 高麗蔵 彌十郎 扇雀 |
伊達娘恋緋鹿子
二、櫓のお七(やぐらのおしち)
八百屋お七 | 七之助 |
第二部
新作歌舞伎
一、東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)
藤川新左衛門 関口多膳 左宝月 高橋秋之丞 お若 宇内 伊勢屋徳兵衛 お弓 潮田軍蔵 小夜 | 橋之助 扇雀 獅童 勘太郎 七之助 巳之助 亀蔵 萬次郎 彌十郎 福助 |
二、夏 魂まつり(なつ たままつり)
若旦那栄太郎 芸者お梅 芸者お駒 太鼓持国吉 舞妓よし鶴 | 芝翫 福助 橋之助 国生 宜生 |
第三部
一、宿の月(やどのつき)
おつる 亀太郎 | 扇雀 橋之助 |
二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
中村勘太郎四役早替りにて相勤め申し候
うわばみ三次 下男正助 菱川重信 三遊亭円朝 お関 住職雲海 磯貝浪江 | 勘太郎 七之助 市蔵 獅童 |
みどころ
第一部
一、花魁草(おいらんそう)
江戸時代の終わり。安政大地震を生き延びた女郎のお蝶と大部屋役者の幸太郎は、百姓米之助に助けられた縁で、栃木にある米之助の家で間借りして生活をするようになります。米之助は二人に所帯を持つように勧めますが、昔、身も心も尽くした男に裏切られ、暗い過去をもつお蝶は、夫婦になることを躊躇していました。そこへ、猿若町の座元勘左衛門や芝居茶屋の女将お栄がやってきて、幸太郎に芝居へ復帰することを勧めます。二人は江戸へ旅立ちますが…。
巧みな劇作術で人心の機微を叙情味豊かに描く北條秀司の作品。女郎と役者の儚い愛の物語をお楽しみください。
二、櫓のお七(やぐらのおしち)
大雪の江戸本郷。八百屋久兵衛の娘のお七は、寺小姓の吉三郎と恋仲になりますが、お七が恋焦がれる吉三郎は、宝剣天国紛失の咎により今宵中に刀が手に入らなければ、もはや切腹という窮地に追い込まれています。吉三郎に刀の在処を知らせたいとやってきたお七ですが、すでに夜更けを過ぎ、町木戸は堅く閉ざされています。お七は、御法度を承知の上で、降りしきる雪の中、火の見櫓にのぼると渾身の力を込めて太鼓を打つのでした。
恋に燃えた美しい娘の悲哀を、文楽人形の動きをなぞる「人形振り」で表現した舞踊をご覧ください。
第二部
一、新作歌舞伎 東雲烏恋真似琴(あけがらすこいのまねごと)
御家人、藤川新左衛門は、堅物で廓に足を踏み入れたこともありませんでしたが、初対面の花魁小夜に心奪われ、ひょんなことから身請けすることになります。小夜には、新左衛門の親友で、関口多膳という間夫がいましたが、新左衛門に惹かれた小夜は、多膳に愛想尽かしをします。多膳は、吉原の大火事から逃げてきた小夜を、怒りにまかせて殺し、川に沈めてしまいますが、新左衛門は小夜が死んだことを信じようとしません。そんな新左衛門のもとに、人形師左宝月が作った小夜そっくりの人形が届き、新左衛門と小夜の人形との奇妙な生活が始まり…。
スピード感あふれる演出と丁寧な人物描写が魅力的なG2作・演出。新橋演舞場で橋之助が主演した『魔界転生』、『憑神』の脚本・演出をしたG2が、初めて手掛ける話題の新作歌舞伎にご期待ください。
二、夏 魂まつり(なつ たままつり)
京の加茂川べり。如意ヶ嶽の山腹で焚かれる大文字の送り火を見るために、若旦那が芸者たちを連れ立ってやってきます。まるで幻のように夜空を焦がす炎を眺めながら、故人の精霊たちを思い、過ぎゆく夏を惜しむのでした。
明治、大正時代に活躍した歌人九條武子の遺作で、今回上演されるのは、舞踊詩『四季』の「夏」の部分。京都の晩夏を彩る大文字の送り火を描いた季節感溢れる舞踊を、芝翫が子息や孫とともに情緒豊かに舞います。
第三部
一、宿の月(やどのつき)
春の月を仲人に、めでたく祝言を挙げたおつると亀太郎。やがて子宝に恵まれ、お宮参りにやってきます。我が子を抱いてはしゃぐ夫に対して、貫禄の出てきた妻は、自分の好まないことをせぬように夫に神様への誓いを立てさせます。歳月を経て、小判磨きに熱心な妻。外で怪しい物音が聞こえ、おつるは夫を外へ突き出します。妻の愛情を確かめようと、賊に襲われたように装う亀太郎。おつるは金包みを放りだして夫を助けてくれと叫びます。互いの心が解かり、手をとりあって美しい宿の月を眺めるのでした。
夫婦の情愛を描いた田中青滋の作品で、ユーモア溢れる舞踊劇をお楽しみください。
二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
花見客で賑わう江戸向島の隅田堤。絵師菱川重信の妻お関が赤ん坊の真与太郎を抱いてやってきます。泥酔した侍にお関が絡まれているのを救った浪人磯貝浪江は、これが縁で重信の内弟子となりますが、高田の南蔵院本堂の天井画を描くために重信が家を留守にした間に、お関を我が物にしてしまいます。さらに、下男正助を仲間に引き入れると、深夜、落合田島橋で重信を殺害します。一方、南蔵院では、死んだはずの重信が霊となって現れ、雌雄の龍の両眼を描き入れて絵を完成させると、忽然と姿を消してしまいます。悪業を隠してお関と夫婦になった浪江は、今度は、正助に四谷角筈十二社の滝壺へ真与太郎を棄てに行かせますが…。
三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺。父勘三郎の当り役を受け継ぎ、勘太郎が四役早替りで上演する話題の舞台です。
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