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明治座 五月花形歌舞伎

明治座 五月花形歌舞伎

当公演は終了いたしました。

2015年5月2日(土)~26日(火)

当公演は終了いたしました。

昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時~
※14日(木)夜の部のみ午後5時15分開演
【貸切】11日(月)、14日(木)、16日(土)、20日(水)昼の部

劇場:明治座

料金(税込)

  • 一等席(1階席、2階席正面) 15,000円
  • 二等席(2階席左右)7,500円
  • 三等A席(3階席正面)5,000円
  • 三等B席(3階席左右)3,000円

明治座座席表

上演時間

  • 歌舞伎十八番の内 矢の根

  • 幕間 30分
  • 男の花道
    一幕

  • 幕間 30分
  • 男の花道
    二幕

  • あんまと泥棒

  • 幕間 30分
  • 通し狂言 鯉つかみ
    序幕

  • 幕間 10分
  • 通し狂言 鯉つかみ
    二幕

  • 幕間 30分
  • 通し狂言 鯉つかみ
    大詰

※5月1日時点での予定
※上演時間は変更になる可能性があります。

演目と配役

昼の部

一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
曽我五郎
大薩摩文太夫
馬士畑右衛門
曽我十郎
市川
中村
市川
市川
二、男の花道(おとこのはなみち)
加賀屋歌右衛門
土生玄碩
田辺嘉右衛門
山田春庵
加賀屋歌助
山崎順之助
按摩杢の市
松屋忠兵衛
富枝妹雪乃
加賀屋歌五郎
加賀屋東蔵
田辺妻富枝
万八の女将お時
市川 猿之助
市川
片岡 愛之助
市川 男女蔵
中村 壱太郎
市川
市川 弘太郎
市川 寿
市川
中村
市川 猿三郎 
市川 門之助
片岡 秀太郎

夜の部

一、あんまと泥棒(あんまとどろぼう)
泥棒権太郎
あんま秀の市
市川 猿之助
市川

湧昇水鯉滝(わきのぼるみずにこいたき)

二、通し狂言 鯉つかみ(こいつかみ)

片岡愛之助六役早替り宙乗りならびに本水にて立廻り相勤め申し候

俵藤太秀郷
鯉王皇子金鯉
滝窓志賀之助
滝窓志賀之助実は鯉の精
奴瀬田平
関白中納言橘広継

鯉王
篠村女房呉竹
家老篠村次郎公光
釣家息女小桜姫
信田清晴
三上山の大百足実は平将門の霊
堅田刑部
鮒五郎
瀬織津媛
片岡 愛之助

市川
市川 門之助
中村
中村 壱太郎
市川 弘太郎
市川
市川 男女蔵
市川
片岡 秀太郎
※坂東竹三郎休演につき、配役変更にて上演いたします。
 上記変更により、頭取円八は市川喜楽、下廻りは市川喜之助が勤めます。

みどころ

昼の部

一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)

 新年を迎えて紅白の梅の花も咲きそろったある日。家の中で矢の根を砥いでいるのは、曽我五郎。そこへ大薩摩文太夫が年始の挨拶にやってきて、宝船を描いた縁起のいい絵を五郎に渡す。これを喜ぶ五郎は、枕に見立てた砥石の下にその宝船の絵を敷くと、初夢を見ようとうたた寝をする。それというのも五郎には、長年抱いてきた父の仇の工藤祐経の首を討つという大願成就があり、その初夢を見たいと思ったからである。
 やがて、夢の中に兄の曽我十郎が現れ、工藤の館で捕まっている自分を助けて欲しいと訴える。夢から覚めた五郎は、兄の念力が通じたものだと悟り、兄の危機を救うため工藤の館へ出かけようと勇み立つ。そこで、通りかかった馬士の畑右衛門に馬を貸してほしいと願い出るのだが…。

 この作品は、享保14(1729)年の正月に江戸中村座で初演され、後に歌舞伎十八番の一つに加えられた荒事狂言です。主人公の曽我五郎は、角前髪に黒鬢、筋隈を取り黒綸子の揚羽折に仁王襷を懸けた勇壮な扮装です。まるで五月人形のような出で立ちの五郎が、大きな矢の根を砥ぐという古風な趣向に面白みがあります。みどころは、随所に現れる五郎の豪快な荒事で、背ギバや柱巻の見得、元禄見得をはじめ馬に乗っての引込みなど、溌剌として力強い五郎の姿に注目です。のどかな風景の中、荒事の豪快さを楽しむことができる明るくて華やかな舞台です。

二、男の花道(おとこのはなみち)

 文化5年の春、大阪道頓堀の中の芝居では、女方の加賀谷歌右衛門の芝居が大当たり。歌右衛門を見ようと見物人たちで賑わうところ、小屋の中からから土生玄碩が追い出される。シーボルトからオランダ医学を学んだ玄碩は、歌右衛門の芝居を見て、彼の眼の悪さを指摘したので、贔屓客と争いとなり、追い出されたのだった。
 その1カ月後、東海道金谷宿にある旅籠松屋では、江戸へ下る歌右衛門一座が宿泊している。実は、歌右衛門の眼の患いは本当で、彼は命を絶とうとまで思い詰めていた。それを救ったのは、同宿していた玄碩。眼科医の玄碩は命を懸けて手術を行い、歌右衛門の眼病は完治した。歌右衛門は謝礼を出すが、玄碩は受け取らず、二人は江戸で大成することを誓うと、刎頸の交わりだと言って別れるのだった。
 4年後、江戸中村座では、歌右衛門の舞台が大評判。他方、玄碩も実直な眼科医として大成していた。あるとき、広島浅野家の侍田辺嘉右衛門から言いがかりをつけられた玄碩は、窮地に陥り、歌右衛門へすぐに来てほしいと手紙を出す。しかし、歌右衛門は『櫓のお七』の舞台中。手紙を受け取った歌右衛門は…。

 この作品は、昭和16(1941)年公開の長谷川一夫主演映画(小國秀雄脚本、マキノ雅弘監督)で大ヒットとなり、その後、舞台化されました。歌右衛門と玄碩の交流を中心に、前半では歌右衛門を失明の危機から救う玄碩の姿、後半では玄碩の危急を知り、“男の約束”を守る歌右衛門の姿がみどころです。劇中劇の『櫓のお七』など、随所に見せ場を工夫しながら、二人のかけがえのない友情を描いた心温まる作品です。

夜の部

一、あんまと泥棒(あんまとどろぼう)

 夜更け、泥棒権太郎は、あんま秀の市の家へ泥棒に押し入る。権太郎は、秀の市が高利貸しの烏金を貯めていると噂を聞きつけ、秀の市に金を出すように迫る。しかし、秀の市はしらばくれて、利息はもらっているもののほとんど貸し倒ればかりだと言い逃れる。権太郎は鐘のありかを白状させようとするが、秀の市はとぼけるばかり。
 やがて、二人は台所にある焼酎を飲み始める。秀の市が泥棒は命と引き換えにしても割のいい仕事なのかと問いただすので、権太郎は、以前は堅気の八百屋だったものの、泥棒業に転落した身の上を語る。これを聴いた秀の市は、権太郎にもっと世渡り上手にならなければいけないと説教を始める。そのうち、日が昇り始めるので、権太郎が家の中を物色し始めると、位牌が出てくる。すると、秀の市は死んだ女房に仏壇を買ってやりたいが、金が貯まらないと言って涙を流す。これを気の毒に思った権太郎は、盗みを諦め、秀の市に金まで与え出ていく。これに感謝する秀の市だが…。

 この作品は、昭和26(1951)年にNHKのラジオドラマとして放送されたものを後に舞台化しました。登場人物は、盲目の按摩と泥棒で、二人の対話の妙だけで物語を展開しているところに面白さがあります。あんまの話術にのらりくらりとはぐらかされた泥棒は、あんまからの説教を受け、ついには金まで恵んで退散します。したたかなあんまと気の言いい泥棒という組み合わせがみどころの舞台です。

二、通し狂言 鯉つかみ(こいつかみ)

 近江国の三上山では大百足退治の勅命を受けた俵藤太秀郷が大百足と闘っている。そこへ琵琶湖の守り神・瀬織津媛が現れ、藤太の宝剣・龍神丸を授ける。藤太は宝剣の力で見事、百足を退治する。他方、琵琶湖中では、鯉王の皇子金鯉が龍に変じることになり、その門出を祝っている。しかし、そこへ藤太に退治された百足の毒血が流れ込み、金鯉の身が汚れると、登龍の望みは絶たれた。これを恨む鯉王は、末代まで俵家を祟ると誓うのだった。
 時は移り、俵家を祖先とする釣家は龍神丸を家宝としている、しかし、家臣の御家横領の企みを知った奴瀬田平は陰謀を阻止すべく奮闘。一方、釣家の息女小桜姫は、清水寺で滝窓志賀之助と出会い、恋煩いとなる。折しも、二人が密会するところへ、関白中納言橘広継の使者が来訪する。献上するため家老が龍神丸を抜くと、奥座敷に鯉の影が浮かび上がる。実は、姫と密会している志賀之助は、鯉の精の化身であった。そこへ本物の志賀之助が現れて…。

 主人公が水中で鯉の精と戦う鯉退治を描いたこの作品は、夏狂言の中でも人気の高い作品です。一昨年の明治座での上演からさらにパワーアップをして、今回は俵藤太の大百足退治を導入、通し狂言として上演します。愛之助の六役早替りをはじめ、宙乗り、本水での立廻り、泳ぎ六方などケレン味あふれるスペクタクルな舞台です。

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