公演情報詳細
第三十回記念 | ||
四国こんぴら歌舞伎大芝居 |
当公演は終了いたしました。
2014年4月5日(土)~20日(日)
劇場:旧金毘羅大芝居(金丸座)
料金(税込)
- A席13,000円
- B席9,000円
演目と配役
第一部
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
加茂堤
車引
寺子屋
〈加茂堤〉 〈車引〉 〈寺子屋〉 | 舎人桜丸 斎世の君 苅屋姫 桜丸女房八重 舎人松王丸 舎人梅王丸 舎人杉王丸 金棒引藤内 藤原時平 舎人桜丸 舎人松王丸 武部源蔵 女房戸浪 涎くり与太郎 御台園生の前 春藤玄蕃 松王女房千代 | 松也 廣太郎 米吉 壱太郎 染五郎 歌昇 種之助 廣太郎 橘三郎 松也 染五郎 松也 壱太郎 宗之助 吉弥 亀蔵 高麗蔵 |
第二部
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
徳庵堤茶店の場
河内屋内の場
豊嶋屋油店の場
北の新地の場
豊嶋屋逮夜の場
河内屋与兵衛 お吉 豊嶋屋七左衛門 小栗八弥 皆朱の善兵衛 刷毛の弥五郎 妹おかち 父徳兵衛 兄太兵衛 母おさわ 山本森右衛門 芸者小菊 | 染五郎 壱太郎 松也 歌昇 廣太郎 種之助 米吉 橘三郎 宗之助 吉弥 亀蔵 高麗蔵 |
みどころ
第一部
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
〈加茂堤〉
帝の弟斎世親王の舎人である桜丸は、妻の八重の手助けを得て、加茂明神に参詣した斎世親王と、菅丞相の養女の苅屋姫を牛車の中で逢引させます。しかしこれを疑った藤原時平方の三善清行が詮議に現れたので、斎世親王と苅屋姫は落ち延びてしまいます。桜丸は牛車を八重に任せると、二人の後を追うのでした。
〈車引〉
吉田神社の社頭で菅丞相の舎人梅王丸と斎世親王の舎人桜丸が互いの主人を追い落とした藤原時平に恨みを晴らそうと、参拝に来た時平の行列を襲います。しかし、それを止める時平の舎人松王丸。実は、梅王丸、松王丸、桜丸は三つ子の兄弟ですが、敵味方に分かれて奉公しているのでした。三兄弟が争う内に、牛車の中から時平が現れると、梅王丸、桜丸は時平の迫力に身をすくめてしまいます。松王丸は二人を成敗しようとしますが、時平は松王丸の忠義に免じてそれを止め、三兄弟は遺恨を残しながらもその場を後にするのでした。
〈寺子屋〉
武部源蔵と妻戸浪は、寺子屋を営みながら、流罪となった主人菅丞相の子菅秀才を匿っています。それを知った敵の藤原時平は、菅秀才の首を差し出すよう命じます。窮地に陥った源蔵は、今日寺入りした小太郎を菅秀才の身替りとし、検分役の松王丸と春藤玄蕃の前に、首を差し出します。意外にも菅秀才をよく知るはずの松王丸が、菅秀才の首と認めて去ります。やがて小太郎の母千代が我が子を迎えに来たので、源蔵が千代に斬りかかると、松王丸が現れ…。
第二部
女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
近松門左衛門が享保6(1721)年に書いた世話物で、同年5月に金に困った油屋の息子が同業の女房、お吉を殺して処刑された事件を題材にした浄瑠璃です。その後、明治になって歌舞伎として上演されました。
主人公の与兵衛は感情の赴くまま行動する青年で表面は強がっていても根は気弱な性格。すぐカッとなる与兵衛の人間像は彼の家庭環境、複雑な事情から形成されており、近松の人間観察の厳しさが表れています。
町でうわさの放蕩息子の河内屋与兵衛は、借金を作り、自らの喧嘩の不始末により伯父森右衛門が職を辞することとなりますが、あいかわらずの放蕩三昧を続けています。実は父・徳兵衛は主人亡きあとに婿に入った義理の父親で甘やかして育てたのが災いしたのです。ついに、与兵衛は家を追われ、同業の油屋豊嶋屋のお吉の元で、父、母の自分へのやさしい思いを痛感し、父に迷惑をかけたくないと思います。しかし、お吉に更なる借金の無心を断られると、ついにはお吉を殺してしまいます。ここに自分本位で刹那的な感情のまま行動する与兵衛の人間性が表れています。
油屋での殺しの場は凄惨でまさに油地獄のタイトルに相応しく、人間の暗部、感情の深いところがまさしくむき出しになる場面です。
また、今回は「豊嶋屋逮夜の場」を上演します。お吉を手にかけたあとの与兵衛が描かれる注目の舞台です。
続きを読む