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錦秋名古屋 顔見世

料金(税込)

  • 一等席17,000円
  • 二等席8,500円
  • 三等席4,000円
  • 特別席19,000円

上演時間

  • 歌舞伎十八番の内 鳴神

  • 幕間 25分
  • 鷺娘

  • 幕間 30分
  • 与話情浮名横櫛

  • 西郷と豚姫

  • 幕間 30分
  • 於染久松色読販 お染の七役
    序幕・二幕

  • 幕間 15分
  • 於染久松色読販 お染の七役
    大詰

※10月21日記
※上記の上演時間は予定ですので、変更になる可能性があります。

演目と配役

昼の部

一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
鳴神上人
雲の絶間姫
橋之助
扇 雀
二、鷺娘(さぎむすめ)
鷺の精

三、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)

木更津海岸見染の場

源氏店妾宅の場

与三郎
鳶頭金五郎
蝙蝠安
茶店女おとら
番頭藤八
和泉屋多左衛門
お富
橋之助




彌十郎

夜の部

一、西郷と豚姫(さいごうとぶたひめ)
お玉
大久保市助
舞妓雛勇
中村半次郎
芸妓岸野
西郷吉之助

門之助
児太郎

萬次郎
彌十郎
二、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)

お染の七役

序 幕


二幕目


大 詰
柳島妙見の場
橋本座敷の場
小梅莨屋の場
瓦町油屋の場
同 座敷の場
同 土蔵の場
向島道行の場
浄瑠璃「心中翌の噂」
油屋娘お染
丁稚久松
許嫁お光
後家貞昌
奥女中竹川
芸者小糸
土手のお六

山家屋清兵衛
船頭長吉
女猿曳きお作
油屋太郎七
百姓久作
油屋多三郎
鬼門の喜兵衛

彌十郎
門之助
児太郎


萬次郎
橋之助

みどころ

昼の部

一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)

 歌舞伎十八番の一つ。時の天皇が約束を破ったため、これを恨んだ鳴神上人は、天下に雨を降らせないよう、水を司る龍神を京都・北山の奥の滝壺に封じ込めてしまいました。宮中第一の美女・雲の絶間姫は、天子の命を受けて山中に分け入り、女の色香で上人を堕落させ、滝の封印を切って龍神を空に帰し、雨を降らせます。

 姫が色仕掛けで上人を堕落させる前半のユーモラスなせりふ劇と、後半、姫に騙されたと知った上人が、怒りの形相となって荒れ狂う様式美に富んだ荒事芸が見どころです。

二、鷺娘(さぎむすめ)

 女方の舞踊でも屈指の作品。もともとは、変化舞踊(短いいくつかの舞踊を、一人の演者が、次々に踊り分けていく作品)の中の一つでした。

 葦の茂るさびしい川のほとり、真っ白な雪景色のなかに真っ白な着物で、一人たたずむ娘。実は、鷺の精でした。恋ゆえに落ちた地獄の責めにあえぎ苦しみ、羽ばたきがだんだんと弱くなっていく白鷺の姿。かなわぬ恋の妄執に、女形の美しさを充分に味わっていただける名曲です。

三、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)

 三世瀬川如皐によって書かれ、嘉永6(1853)年江戸・中村座で初演された全九幕の世話物です。今回ご覧いただくのは、代表的な二幕目の「木更津海岸見染の場」と四幕目の「源氏店の場」です。

 江戸の大店伊豆屋の若旦那与三郎は、木更津の浜で、土地の親分・赤間源左衛門の妾お富を見染めます。源左衛門の留守に密会したのを見つけられた与三郎は、なぶり斬りにあって全身に34箇所の刀傷を受け、生死の境をさまよう身になってしまいます。一方のお富も木更津の海に身を投げましたが、折から通りかかった鎌倉にある和泉屋の大番頭・多左衛門の船に助けられました。

 それから3年。命を取り留めた与三郎は親に勘当され、「切られ与三」の異名をとってならず者の仲間に入っていました。今日は兄貴分の蝙蝠安に伴われて鎌倉・雪の下の源氏店にある妾宅に強請(ゆすり)に入ったところ、死んだものと諦めていたお富とばったり再会するのでした。

夜の部

一、西郷と豚姫(さいごうとぶたひめ)

 京都に実在したお茶屋、奈良富の仲居で大女のお虎と、お虎にぞっこんだった西郷さんのエピソードをもとに、池田大伍が脚色した新歌舞伎の名作です。

 幕末の京都。三本木の揚屋の仲居お玉は、太った立派な体格のため豚姫と呼ばれ、倒幕に奔走する薩摩藩の西郷吉之助に恋しています。そんなある日、お玉が思いを寄せる西郷が、幕府の刺客に追われて揚屋に駆け込んできます。時代からも藩主からも理解を得られず塞いでいる西郷に、お玉は思いを打ち明け、西郷はお玉との死を決意するのですが…。ほのぼのとした人間愛の物語をお楽しみください。

二、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)

 文化10(1813)年江戸・森田座で初演。大南北といれる四世鶴屋南北の作品です。当時、五世岩井半四郎が、娘お染、丁稚久松、奥女中竹川、後家貞昌、土手のお六、許嫁(いいなずけ)お光、子守お作の七役を早替わりで演じ、大人気となりました。そこから通称を『お染の七役』といわれています。昭和になって渥美清太郎が改訂し、お作に代わり芸者小糸を加えたのが、今上演される七役となっています。

 質店油屋の娘お染と山家屋清兵衛の縁談が進められる中、お染には久松という言い交わした相手がいます。一方、久松にもお光という許嫁があり、元は武家の子息である久松は、紛失した御家の重宝の短刀と折紙を探しています。姉の竹川も久松の身を案じ、短刀の探索の金の工面を土手のお六に頼みます。お六と亭主の鬼門の喜兵衛は、油屋で金を騙し取ろうとしますが、あえなく失敗。一方お染は、久松の子を宿しながらも、母親の貞昌の説得にあい、ついに家を抜け出します…。

 一人で七役を演じ分け、傘やござ等を巧みに使い、二人の人物がぶつかった瞬間に入れ替わるなど、早替わり三十数回は目が離せません。どろどろした人間関係、実は実はの展開など、いかにも南北らしい作品です。久松の生まれ、お家騒動の背景、御家の宝刀の探索に注意しながらご覧いただくと、面白さが倍増します。

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