公演情報詳細
御名残御園座二代目 市川猿 翁四代目 市川猿之助 襲名披露九代目 市川中 車 | ||
三月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年3月2日(土)~26日(火)
劇場:御園座
料金(税込)
- 一等席20,000円
- 二等席12,500円
- 三等席6,500円
- 特別席22,000円
- 特別室(食事付)・東(4名)88,000円
- 特別室(食事付)・西(3名)66,000円
学生割引
2階・一等席 12,000円 二等席 7,000円
三等席 4,000円
※1月4日(金)より御園座窓口のみにて発売(要学生証)
演目と配役
昼の部
一、小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべえ)
長兵衛 馬士弥太八 妹おいね 堀尾茂助 猟人伝蔵 父長九郎 巫女小鈴 僧法善 七之助 | 中車 右近 笑三郎 月乃助 弘太郎 寿猿 春猿 猿弥 門之助 |
二、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)
老女岩手実は安達原鬼女 山伏大和坊 山伏讃岐坊 強力太郎吾 阿闍梨祐慶 | 亀治郎改め猿之助 門之助 右近 猿弥 梅玉 |
三、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
真柴久吉 石川五右衛門 | 猿之助改め猿翁 右近 |
夜の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
曽我五郎 静御前 曽我十郎 | 右近 春猿 笑三郎 |
ニ、ぢいさんばあさん
美濃部伊織 妻るん 宮重久右衛門 戸谷主税 石井民之進 宮重久弥 下嶋甚右衛門 | 中車 笑弥 猿弥 薪車 弘太郎 月乃助 右近 |
二代目市川猿 翁
三、四代目市川猿之助 襲名披露 口上(こうじょう)
九代目市川中 車
猿之助改め猿翁 亀治郎改め猿之助 中車 幹部俳優出演 |
四、三代猿之助 四十八撰の内 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
川連法眼館の場
市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐 駿河次郎 亀井六郎 飛鳥 川連法眼 静御前 源義経 | 亀治郎改め猿之助 門之助 右近 竹三郎 段四郎 秀太郎 藤十郎 |
みどころ
昼の部
一、小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべえ)
小栗栖村の長兵衛は博打、大酒に加え子供の頃から喧嘩好きな暴れ者。そのため村人には嫌われ、父親にまで見放される始末。今日も馬を盗んだ疑いをかけられ怒って暴れはじめているため村民たちに簀巻きにされ川へ運ばれようとします。そこへ現れた秀吉の家臣堀尾茂助の尋ねによって長兵衛が謀反の大将明智光秀を竹槍で討った手柄者だと分かると村人の態度は一変、長兵衛を村の英雄だと褒め称えます。長兵衛は英雄の証となる竹槍を手に秀吉の陣を目指して向かっていくのでした。
大正9年に初代猿翁が初演して以来の澤瀉屋の芸に中車が挑みます。
二、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)
芒(すすき)が生い茂り、虫の音が頻りに聞こえる安達原にやってきた諸国を行脚する阿闍梨祐慶ら一行は岩手という老女に一夜の宿を求めます。生きる望みを失っていた岩手は祐慶の仏の教えによって悟りの道に入るならば、必ず成仏できると説く。祐慶の言葉に救われ、一行に閨(ねや)の内を見てはならないと言い置き、山へ薪を取りに行きます。しかし、祐慶の供をする強力が閨を覗き見て、岩手が実は安達原の鬼女であることを知ります。やがて裏切られた岩手は鬼女の本性を顕し姿を消します。
猿翁十種の一つである人気の高い舞踊劇です。襲名披露狂言として新猿之助が勤める老女岩手実は安達原鬼女にご期待ください。
三、 楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
南禅寺山門の上で煙管をくゆらせ、桜が咲き誇る京の景色を悠然と楽しんでいる天下の大盗賊・石川五右衛門。折からここへ一羽の白鷹がくわえた血染めの遺言により自らが真柴久吉に討たれた大明国の宋蘇卿の遺児であることを知ります。父の仇である久吉を討つと決心したそのとき、一人の巡礼が山門の下から現れます。その巡礼こそが真柴久吉。お互いを気づいた久吉と五右衛門は山門の上下で対峙するのでした。
色彩美と様式美溢れる歌舞伎ならではの豪華な舞台。久吉で出演する新猿翁がご当地の皆様に久々に御目見得する見逃せない一幕です。
夜の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
曽我狂言のひとつで正月の七種の行事を描いた作品。父の仇を討とうと静御前と共に工藤の館へやってきた曽我五郎と曽我十郎の兄弟。勇み立つ二人をなだめながら静は七草の準備を始めます。
大富士を背景に、錦絵のように舞う、襲名興行に相応しい華やかな舞踊です。
二、ぢいさんばあさん
江戸番町、美濃部伊織と妻るんは評判のおしどり夫婦。ところが伊織は喧嘩で負傷した弟の宮重久右衛門に代わり京でのお役目を命じられ、二条城在番を勤めることになります。翌年の桜時の再会を誓い別れる二人。それから三カ月後、泥酔して絡んできた同輩の下嶋甚右衛門を誤って斬ってしまった伊織は越前へ預かりの身となり二人は離れ離れになってしまいます。三十七年の月日が経ち、ようやく再会をした伊織とるん。
この作品は昭和26年に新中車の曽祖父に当たる初代猿翁の伊織で初演された澤瀉屋に縁の深い作品です。夫婦の情愛が感動的な名作に今回は中車の襲名披露狂言としてご覧いただきます。
二代目市川猿 翁
三、四代目市川猿之助 襲名披露 口上(こうじょう)
九代目市川中 車
二代目猿翁、四代目猿之助、九代目中車が、そのお披露目のご挨拶を申し上げます。
四、三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
ここは吉野山中の川連法眼館。忠信と再会を果たした義経は静御前の居所を訊ねますが覚えがない様子の忠信。義経は忠信の造反を疑い家臣に詮議を命じるところへ、忠信とはぐれた静御前が一人で館へやって来ます。静御前は忠信の姿を見て驚きますが、同道してきた忠信とは別人のようです。道中で見失ったとき、初音の鼓を打つと現れると静御前から聞いた義経は鼓を用いての詮議を静御前に命じます。静が鼓を打つと忽然と姿を現す忠信。実は鼓の皮になった狐の子が忠信の姿となって鼓を守っていたのでした。親狐を慕う心情に心を打たれた義経は狐に鼓を与えます。喜んだ狐は鎌倉方に味方する吉野山の悪僧を館に引き入れ、狐の通力で打ち負かすと、鼓を携えて住み慣れた古巣を指して帰って行くのでした。
初音の鼓を恋慕う子狐の姿に人間の親子の情愛を重ねて描き出します。新猿之助が澤瀉屋ならではの数々の仕掛けや早替わり、宙乗り、狐六法などケレン味溢れる演出でご覧に入れます。
※澤瀉屋の「瀉」のつくりは正しくは“わかんむり”です。
続きを読む