公演情報詳細
中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 | ||
二月博多座大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年2月2日(土)~26日(火)
劇場:博多座
料金(税込)
- A席18,000円
- 特B席15,000円
- B席12,000円
- C席5,000円
演目と配役
昼の部
一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
直吉 おえん 助蔵 | 梅玉 孝太郎 扇雀 |
二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 太郎冠者 奥方玉の井 | 勘太郎改め勘九郎 七之助 仁左衛門 |
天衣紛上野初花
三、河内山(こうちやま)
質見世より玄関先まで
河内山宗俊 松江出雲守 宮崎数馬 腰元浪路 北村大膳 和泉屋清兵衛 高木小左衛門 | 仁左衛門 勘太郎改め勘九郎 松江 新悟 亀蔵 彌十郎 橋之助 |
夜の部
平家女護島
一、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 丹左衛門尉基康 海女千鳥 判官康頼 瀬尾太郎 丹波小将成経 | 仁左衛門 橋之助 孝太郎 錦之助 彌十郎 扇雀 |
二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
勘太郎改め勘九郎 幹部俳優出演 |
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 典侍の局 相模五郎 入江丹蔵 武蔵坊弁慶 源義経 | 勘太郎改め勘九郎 七之助 錦之助 亀蔵 彌十郎 梅玉 |
四、芝翫奴(しかんやっこ)
奴駒平 | 橋之助 |
みどころ
昼の部
一、吹雪峠(ふぶきとうげ)
助蔵とおえんは、実は駆け落ちした身。罪の意識から、日蓮宗の本山身延山への参拝に向かった二人でしたが、その帰り吹雪に遭い、やっとの思いである山小屋に逃げ込みます。そこへもう一人、吹雪で道に迷った男が逃れてきますが、なんとそれはおえんの夫直吉でした。再会した三人は…。
山小屋を舞台に、男女の三角関係の中から、人間の欲望や罪の意識、男女間の愛憎、本音などが浮かび上がる巧みな心理劇です。直吉に梅玉、助蔵に扇雀、おえんに孝太郎という顔合わせでご覧いただきます。
二、身替座禅(みがわりざぜん)
恐妻家の山蔭右京は、かつて深い契りを交わした花子が上洛したことを知り、なんとか逢瀬を実現しようと画策します。そして、持仏堂にこもって座禅をすると偽り、太郎冠者を身替りに仕立て花子の許へ向かうのですが…。
前半は、浮気性の右京がなんとか妻の玉の井を騙そうとするやりとりがみどころ。そして後半は花子の許から帰ってきた右京が、玉の井がいるとも知らず、逢瀬の様子を語って聞かせるところがみどころです。右京に新勘九郎、太郎冠者に七之助、そして玉の井に仁左衛門と、襲名公演ならではの配役でお楽しみいただきます。
三、河内山(こうちやま)
悪巧みに長けたお数寄屋坊主の河内山宗俊は、上州屋の娘である腰元浪路が、奉公先の松江出雲守の屋敷に幽閉されていることを聞きつけ、お金欲しさに娘の奪還を請け負います。松江邸に赴いた河内山は、上野寛永寺の使僧と偽り、威風堂々と出雲守をやりこめて娘を救い出します。役目を終えた河内山が帰ろうとしたところ、玄関先で家臣北村大膳に素性を見破られてしまいますが、開き直って啖呵を切り、悠々とその場を引き上げるのでした。
大胆不敵で憎めない悪ぶりが魅力的な主人公の河内山宗俊が繰り広げる、爽快な河竹黙阿弥の人気作。河内山を博多座では初となる仁左衛門。松江出雲守を新勘九郎が勤めます。
夜の部
一、俊寛(しゅんかん)
平家転覆を詮議した罪で、俊寛、成経、康頼が絶海の孤島の鬼界ヶ島に流されてはや3年。ある日、成経が島に住む海女千鳥と結婚することになり、そのささやかな幸せを喜び合う三人。そこへ都から赦免船が到着し、三人の赦免が告げられますが、千鳥の乗船は許されません。悲嘆にくれる千鳥を見て、俊寛は自分の代わりに千鳥を船に乗せ、一人島に残る決心をします…。
人間の真情を見事に描き出した名作で、赦免船が遠ざかるにつれ、孤独感に苛まれる俊寛の姿に胸が締め付けられます。仁左衛門の俊寛は、博多座では初披露となります。
二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
新勘九郎の襲名を寿ぎ、幹部俳優が袴姿の正装で並び、ご挨拶を申し上げます。
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 渡海屋
大物浦
大物浦
渡海屋の主銀平、女房お柳は、実は平家再興の機会をねらう平知盛と安徳天皇の乳母典侍の局(すけのつぼね)、そして娘のお安は安徳天皇でした。知盛は、渡海屋に逗留している義経一行に船を出させ、海上で討とうとしますが…。
前半、颯爽と登場する船頭銀平と知盛の正体を現す後半との変わり目が難しい役であり、見せどころとなります。場面が変わると、典侍の局の最大のしどころで、安徳天皇の乳母らしい品格を見せます。最後は知盛が大碇を担いで入水し、壮絶な最期を見せます。知盛に初役で挑む新勘九郎、典侍の局を七之助、そして義経に梅玉という顔合わせで、時代物の名作をご堪能ください。
四、芝翫奴(しかんやっこ)
文政11(1828)年、江戸中村座で四世歌右衛門(当時芝翫)によって初演され、その名を採って「芝翫奴」と呼ばれます。奴駒平が供をしていた旦那とはぐれ、江戸吉原の廓へやってきます。提灯を掲げて走り出た奴が近道をして急いでいる様子から、自分の主人の姿をまねたり、両足脱ぎになって足拍子をいろいろに踏むなど、廓情緒とリズミカルで軽妙なしぐさが楽しめる踊りで、橋之助が勤めます。
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