公演情報詳細
第五回 永楽館歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2012年11月4日(日)~9日(金)
劇場:出石永楽館
料金(税込)
10,000円(全席指定)
演目と配役
第一部
一、実録忠臣蔵(じつろくちゅうしんぐら)
大石妻子別れの場
大石内蔵助 妻 りく 大石主税 大石大三郎 寺坂吉右衛門 母 千壽 | 愛之助 壱太郎 種之助 吉太朗 薪車 吉弥 |
二、お目見得 口上(こうじょう)
幹部俳優出演 |
三、湧昇水鯉滝
鯉つかみ(こいつかみ)
滝窓志賀之助実は鯉の精 滝窓志賀之助実は清若丸 釣家息女小桜姫 篠村次郎公光 篠村妻 呉竹 | 愛之助 壱太郎薪車 吉弥 |
みどころ
第一部
一、実録忠臣蔵(じつろくちゅうしんぐら) 大石妻子別れの場
時は元禄の頃。赤穂藩主・浅野内匠頭が江戸城松の廊下で吉良上野之介に刃傷におよび、即日切腹を言い渡されてから数か月が過ぎました。残された家臣を束ねる立場にある赤穂藩国家老、大石内蔵之助は城を明け渡し、家族とともに京都の山科に移り住んでいます。
家中に吉良上野之介への仇討ちの気運が高まるなか、肝心要の内蔵之助は連夜の廓通いで放蕩三昧。そんな様子を恥じて、妻のりくや母の千壽(せんじゅ)が意見しても、内蔵之助は聞く耳を持たず家族の溝は深まるばかり。そして、とうとうその日はやってきます…。
赤穂浪士の討入り事件を、史実に沿って描写した『実録忠臣蔵』の名場面のひとつ「大石妻子別れの場」──りくの故郷である、ご当地、但馬・豊岡の永楽館でじっくりとお楽しみ下さい。
二、お目見得 口 上(こうじょう)
出演する幹部俳優がご挨拶を申し上げます。身近に歌舞伎を感じていただきたいという出演者の意気込みが伝わる口上は、小さな芝居小屋「出石永楽館」ならではの親近感のある恒例の一幕です。
三、湧昇水鯉滝(わきのぼるみずにこいたき)
鯉つかみ
ある夏の夜、琵琶湖畔、市女ヶ原でのこと。侍女の呉竹(くれたけ)たちと蛍狩りにやってきた釣家の息女小桜姫(こざくらひめ)は、そこで想いを寄せる滝窓志賀之助(たきまどしがのすけ)に偶然出会います。琵琶湖の湖面に大きな鯉が浮き出た後に姿を現した美しい稚児姿の志賀之助──しかし、それは恋わずらいに悩む姫が見た夢だったのです。
釣家の屋敷でうたた寝から目を覚ました姫は、恋する相手との再会が夢であったことに落胆します。が、それも束の間、またしても志賀之助が現れたので、姫は二度びっくり。今度こそ本物に出会えたと喜び、呉竹の粋なはからいで、二人は奥の一間へと入っていきます。
さて、ほどなくやってきたのは関白家の使者。釣家の名刀竜神丸を献上させるのが目的で、応じなければ、小桜姫を意に沿わぬ相手に輿入れさせるという難題を突き付けにきたのでした。応対に出た家老篠村次郎は、この縁談を断る代りに竜神丸を差し出すと告げ、使者たちの目の前で宝刀を抜いて見せます。すると、たちまち嵐が巻き起こり、奥座敷の障子に姫と大きな鯉の影が浮かび上がるのでした……。
『鯉つかみ』とは、主人公が水中で鯉の精と闘う場面を扱う作品群のことをいいます。とりわけ人気の高い本水(ほんみず:舞台上で本物の水を使うこと)を使う演出は長らく上演をみませんでしたが、本公演ではそれを復活し、愛之助が本水使用で鯉の精との大立廻りに挑みます。
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