公演情報詳細
中村歌昇改め 三代目 中村又五郎襲名披露中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露 | ||
六月博多座大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2012年6月2日(土)~26日(火)
劇場:博多座
演目と配役
昼の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
曽我五郎 曽我十郎 静御前 | 種太郎改め歌昇 錦之助 芝雀 |
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
大川端庚申塚の場
和尚吉三 お坊吉三 夜鷹おとせ お嬢吉三 | 梅玉 松緑 米吉 染五郎 |
三、太刀盗人(たちぬすびと)
すっぱの九郎兵衛 田舎者万兵衛 従者藤内 目代丁字左衛門 | 歌昇改め又五郎 三津五郎 松江 歌六 |
四、極付 幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
幡随長兵衛 お時 坂田公平 極楽十三 雷重五郎 神田弥吉 小仏小平 出尻清兵衛 閻魔大助 御台柏の前 伊与守頼義 慢容上人 渡辺綱九郎 近藤登之助 唐犬権兵衛 水野十郎左衛門 | 吉右衛門 魁春 錦之助 染五郎 松緑 松江 亀寿 種太郎改め歌昇 種之助 米吉 隼人 桂三 友右衛門 東蔵 梅玉 仁左衛門 |
夜の部
一、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
本能寺馬盥の場
愛宕山連歌の場
武智光秀 小田春永 安田作兵衛 矢代条介 長尾弥太郎 森蘭丸 森力丸 妹桔梗 浅山多惣 園生局 妻皐月 四王天但馬守 | 仁左衛門 梅玉 錦之助 松江 亀寿 種太郎改め歌昇 種之助 梅丸 桂三 友右衛門 魁春 吉右衛門 |
二、 口上(こうじょう)
歌昇改め又五郎 種太郎改め歌昇 幹部俳優出演 |
三、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村
毛谷村六助 お園 微塵弾正実は京極内匠 お幸 杣斧右衛門 | 歌昇改め又五郎 芝雀 歌六 東蔵 吉右衛門 |
四、寿靱猿(ことぶきうつぼざる)
鳴滝八幡宮の場
猿曳寿太夫 女大名三芳野 奴橘平 | 三津五郎 松緑 染五郎 |
みどころ
昼の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
曽我狂言のひとつで、正月の七種行事を描いた作品です。父の仇を討とうと、静御前と共に工藤の館にやってきた曽我五郎・十郎兄弟。勇み立つ二人を宥めながら静御前は七草粥の準備をします。大富士を背景に舞う、動く錦絵のように華やかな舞踊です。
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
白浪作者とも呼ばれる河竹黙阿弥が書いた長編戯曲の中の一幕で、百両の金と庚申丸という刀によって、同じ吉三の名前を持つ三人の盗賊の身に降りかかる因果を描いた作品。「大川端庚申塚の場」はその三人が初めて出会い義兄弟の契りを交わす場面です。「月も朧に白魚の」に始まる台詞でも有名な一幕。おなじみの名場面をご堪能下さい。
三、太刀盗人(たちぬすびと)
松羽目物の作品で、狂言の「太刀奪(たちばい)」を元にしたものです。すっぱ(すり)の九郎兵衛が田舎者の万兵衛の太刀を盗もうとして争いになります。そこへ目代が登場してこの事態を裁くことに。すっぱは田舎者が目代の質問に答えるのを横で盗み聞き、少し遅れて同じように答えていきますが、次第にそのからくりがばれて、ちぐはぐな答えをしてしまいます。すっぱが田舎者を真似て、半間ずつ遅れて舞を舞うところが笑いを誘います。楽しくわかりやすい舞踊劇、新・又五郎がユーモアたっぷりに演じます。
四、極付 幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
町奴の幡随院長兵衛と、旗本奴の水野十郎左衛門が争いを起こした事件を書き下ろした、河竹黙阿弥の作品。強く颯爽とした長兵衛と風格ある水野の対決が描かれた、江戸の心意気が感じられる名作です。劇中劇に始まり、長兵衛と妻子の別れを描いた愁嘆場、そして大詰の湯殿の立廻りなど、数々の名場面が黙阿弥ならではの七五調の台詞で綴られていきます。男伊達の潔さにあふれた世話物の傑作をお楽しみください。
夜の部
一、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
織田信長が明智光秀の反逆によって討たれる「本能寺の変」、そこに至るまでの過程を描いた鶴屋南北の異色の時代物です。小田春永(織田信長)からの度重なる侮辱に耐えていた光秀が、馬の盥で酒を飲ませられるという理不尽な仕打ちを受けたことで怒りを募らせ、謀反を決意する様子を、力強く写実的な手法で描きます。「時は今 天が下知る 皐月かな」と辞世の句を詠んだ後、春永の上使を斬り三宝を踏み砕いて大笑いする豪快な幕切れは見ものです。歴史の闇を鋭く描いた心理劇をご覧いただきます。
二、 口上(こうじょう)
播磨屋一門にとって大切な名跡を受け継ぐ、新・又五郎と新・歌昇。幹部俳優が裃姿の正装で並び、襲名を寿ぎご挨拶を申し上げます。
三、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
彦山の麓に住む剣の名人・毛谷村六助が、許嫁のお園と出会い敵討ちの助太刀をする物語です。微塵弾正の「親孝行をしたい」という願いを聞き入れ、剣術の試合にわざと敗れた六助。ところが弾正が実は師匠を暗殺した人物であったと知り、仇討ちに出かけることになります。お園は大力の女ですが、六助が許嫁であることを知ると一転して女らしくなり炊事支度を始めるところが笑いを呼びます。朴訥ながらも勇壮な六助を、新・又五郎が颯爽と演じます。ご当地九州を舞台にした襲名狂言をお楽しみください。
四、寿靱猿(ことぶきうつぼざる)
狂言の名作「靱猿」をもとにした舞踊です。猿曳が女大名から、靱に貼る革に使いたいので、小猿を渡すように要求されますが、無邪気に芸をする小猿の様子に女大名も心を打たれ、ついにその小猿をあきらめます。猿曳はその礼に小猿を舞わせ、女大名もそれにつられて上機嫌で舞い踊ります。江戸情緒と人情味にあふれた、大喜利にふさわしい華やかな一幕です。
続きを読む