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二月花形歌舞伎

二月花形歌舞伎

当公演は終了いたしました。

2010年2月1日(月)~25日(木)

昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30分~

劇場:博多座

料金(税込)

  • A席13,000円
  • 特B席10,000円
  • B席7,000円
  • C席4,000円

日程詳細

2010年2月

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昼の部夜の部11:0016:3011:0016:3011:00--16:3011:0016:3011:0016:30
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昼の部夜の部11:0016:3011:0016:3011:0016:3011:0016:3011:0016:30

2010年2月

昼の部 夜の部
1
(月)
11:00 16:30
2
(火)
11:00 16:30
3
(水)
11:00 -
4
(木)
- 16:30
5
(金)
11:00 16:30
6
(土)
11:00 16:30
7
(日)
11:00 16:30
8
(月)
11:00 16:30
9
(火)
11:00 16:30
10
(水)
11:00 16:30
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(木)
11:00 16:30
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(金)
11:00 16:30
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(土)
11:00 16:30
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(日)
11:00 16:30
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(月)
11:00 16:30
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(火)
11:00 16:30
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(水)
11:00 16:30
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(木)
11:00 16:30
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(金)
11:00 16:30
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(土)
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(日)
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(月)
11:00 16:30
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(火)
11:00 16:30
24
(水)
11:00 16:30
25
(木)
11:00 16:30

演目と配役

昼の部

一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

引窓(ひきまど)

南与兵衛後に南方十次兵衛
濡髪長五郎
平岡丹平
三原伝造
女房お早
母お幸
染五郎

種太郎
壱太郎
高麗蔵
竹三郎
二、猿之助十八番の内 金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)

宇治通円の場

橋姫社の場


木津川堤の場


市川亀治郎宙乗り相勤め申し候

如月尼娘清姫/右衛門尉藤原忠文
北白川の安珍実は文珠丸頼光
寂莫法印
将門妹七綾姫
およし実は将門腰元桜木
如月尼実は乳人御厨
亀治郎
染五郎


門之助

大喜利所作事 双面道成寺(ふたおもてどうじょうじ)

白拍子花子実は清姫の霊
狂言師升六実は忠文の霊
田原藤太秀郷
将門妹七綾姫
能力黒雲
能力白雲
文珠丸頼光
亀治郎


門之助
高麗蔵
染五郎

夜の部

一、竜馬がゆく(りょうまがゆく)

立志篇

坂本竜馬
桂小五郎
池田寅之進
中平忠一郎
千葉重太郎
勝海舟
染五郎

種太郎
壱太郎
高麗蔵

二、三社祭(さんじゃまつり)
悪玉
善玉
染五郎
亀治郎
三、瞼の母(まぶたのはは)
番場の忠太郎
金町の半次郎
お登世
おぬい
おむら
水熊のおはま

亀治郎

壱太郎
竹三郎
英太郎

みどころ

昼の部

一、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

  引窓

 この作品は竹田出雲、三好松洛、並木千柳の合作で、寛延2年(1749)に大坂竹本座で初演された全九段の浄瑠璃『双蝶々曲輪日記』の八段目に当たる。この八段目が「引窓」と通称されるのは、明かりを採るために設けられた引窓が、劇中で大きな役割を果たすためである。
 この作品の舞台となっている京都近郊の八幡の里は、濡髪長五郎のモデルとなっている濡紙長五郎の郷里が八幡であったことに因んでいる。田舎の一家で展開される親子兄弟の義理と人情、葛藤を描きながら、石清水八幡宮の"放生会"と仲秋の名月が巧みに利用された詩情溢れる一幕となっている。
 物語の前半では、実子の濡髪長五郎との対面を純粋に喜ぶお幸の姿と、これが今生で最後の対面と覚悟している長五郎の姿が、対照的に描かれる。
 その後、長五郎召捕りの命をうけたお幸の継子・十次兵衛が、水鏡で家の二階に忍んでいる長五郎の姿を見つけ、舞台は一気に緊迫する。この件で、引窓が効果的に用いられている。また、お幸の真意を汲み取った十次兵衛が、人相書をお幸に売り渡すところは、十次兵衛の義理の母を思う情けある配慮が胸を打つ。後半、長五郎を救おうとするお幸と、十次兵衛の情けに感謝して縄に付こうとする長五郎のやりとりも見どころのひとつ。さらに放生会に事寄せて長五郎を逃す十次兵衛の台詞は、最大の見せ場である。
 情緒溢れる世話物の名作を市川染五郎の十次兵衛、中村獅童の長五郎という清新な組み合わせでお楽しみいただく。人気・実力を兼ね備えた花形二人が綴る人間模様の機微に注目したい。

二、猿之助十八番の内 金弊猿島郡(きんのざいさるしまだいり)
  大喜利所作事 双面道成寺(ふたおもてどうじょうじ)

 江戸後期の名作者、四世鶴屋南北の作品。平将門と藤原純友の乱を中心として描かれる『前太平記』の世界に、安珍清姫の道成寺伝説をからませたもので、文政12年(1829)に初演された。南北はこの作品が上演されている期間中に75歳で歿したため、これが絶筆となった。全五幕の長編で、今回は原作の二幕目にあたる三場と所作事「双面道成寺」を上演する。恋に破れてそれぞれ身を滅ぼした後も、蛇となり鬼と化して執念を燃やす清姫と忠文に、市川亀治郎が初役で挑む。
 清姫はかつて出会った都人に、ひたすら恋焦がれて泣き続けたあげく盲目となった。しかし源氏の重宝・村雨丸の威光により目が見えるようになると、思いを寄せていた頼光と将軍の妹・七綾姫が恋仲だったことを知る。その上に七綾姫の身替りとして命を奪われ、清姫は嫉妬に狂い蛇となってその尾を鐘に巻きつけ情念をたぎらせるのだった。姫の清純さを現す前半と、すさまじい執念を燃やす後半の変化が見どころである。
 一方の藤原忠文は将軍追討の任にありながら、「兄の命を助けてくれたら色よい返事をする」という七綾姫の色香に迷い見逃した。しかし頼光という許婚のある七綾姫との恋は叶えられるはずもなく、謀反と言い立てられて官位も所領も召し上げられた。さらに頼光と七綾姫の仲睦まじい姿を目の当たりにし、嫉妬に狂った忠文は生きながらにして鬼神と化し、川に身を投げる。
 やがてそこに流れ寄る清姫の帯。恋の恨みをこの世に残しつつ、忠文と清姫の霊は合体し、大きな見せ場である宙乗りで中空へと飛び去っていく。男女両様の愛欲の凄まじさが切々と描かれた、これらが後へ巧みにつながり、清姫・忠文の亡魂が合体した"双面"の形態をとった「道成寺」となる。
 近江国三井寺。ここで世を忍ぶ頼光は、龍宮から引き上げた釣鐘を鐘楼に上げ、清姫や忠文の霊を弔い、七綾姫と祝言を挙げることにした。そこへ花子と名乗る美しい白拍子が現れ、舞を奉納したいという。やがて花子は大内の狂言師・升六が変装した姿だとばれてしまうが、頼光に許され、器用に太鼓持・お大尽、おかめの三つの面を使い分け舞う。舞うにつれ、成仏できないまま怨みの炎に燃える清姫、忠文の霊が升六に入り込み、頼光と七綾姫を祟り殺そうとする。とっさに寺男たちの機転で、鐘を下ろし二人の姿を隠すと、正体を顕した怨霊は執念に狂って暴れまわり、ついに鬼畜の念力で鐘を引き上げるのだった。ここでは常磐津、清元、長唄の三方掛け合いという、豪華な舞台をぜひ堪能していただきたい。
 長らく上演が途絶えていた作品が、昭和39年日生劇場で、亀治郎の伯父・市川猿之助主演により復活上演された。そしていまや「猿之助十八番」の一つに数えられる作品となっている。博多座では今回が初めての上演となるが、古典・新作に意欲的に挑戦し、女方と立役の両方で進境も著しいだけに、数々の工夫をこらした、「金幣猿島郡」を生み出してくれるに違いない。

夜の部

一、竜馬がゆく(りょうまがゆく)

  立志篇

 幕末から明治維新までの年月は、日本の歴史の中でも類を見ないほどの激動の時代であった。徳川幕府最後の舞台にあって、土佐の風雲児・坂本竜馬がこの時代の主役を演じたといっても過言ではない。その常識を超えた発想と大胆な行動力は、今もなお我々の心を魅了し続けている。
 今回の作品は、幕末を題材とする時代小説の中でも屈指の人気を誇る司馬遼太郎の『竜馬がゆく』が原作となっている。現在の竜馬のイメージはこの作品によって作られたといってもいいだろう。一昨年の九月、歌舞伎座にて三部作の第一弾として齋藤雅文の脚本・演出により「立志篇」が上演された。竜馬が勝海舟に出会い、その見識に衝撃を受け国事に奔走しようと決意するところまでが描かれ、新作歌舞伎の優れた作品に贈られる大谷竹次郎賞を受賞した。翌年九月には、「風雲篇」として、池田屋事件を発端に、夢に向かって動き出した竜馬と後に妻となるおりょうと出会いを中心に、旧友・中岡慎太郎とともに倒幕への志を固める場面や、慶応2年の寺田屋における竜馬襲撃事件までが描かれ、さらに本年9月には「最後の一日」と題し、奇しくも竜馬33歳の誕生日に潜伏先の京都近江屋にて突然訪れた「その時」に焦点をあてた舞台が上演され、大きな話題を呼んだ。
 テレビ時代劇でも坂本竜馬役を勤めた市川染五郎が、まさに竜馬が乗り移ったような情熱を持ってこの作品の世界観を見事に作り上げ、真っ直ぐで爽快な竜馬像を体現したのは記憶に新しい。今回の博多座では果たしてどのような竜馬を見せてくれるのか、大いに期待が高まる。

二、三社祭(さんじゃまつり)

 躍動感に富んだ舞踊。『三社祭』は天保3年(1832)に江戸中村座で初演した四変化舞踊『弥生の花浅草祭』の中の巻で、作詞二世瀬川如皐、作曲清元斎兵衛。
 幕が開くと船に乗った浜成、武成が揺れている。宮戸川(隅田川)で浅草寺の本尊の観音像を掬い上げた二人の山車人形である。二人に魂が入り網を打つのは、その網に黄金の観音像が掛かったという浅草寺縁起に基づいている。船を下りた二人は漁師の暮らしを面白おかしく綴ったリズミカルな曲に乗って、軽妙に踊る。
 その縁起を綴った歌詞で始まり、そなた思えばから当時の流行唄を取り入れた躍動的で軽妙な踊りになり、次いで天から降って来た善悪の面を付けた滑稽な踊りを見せる。これも当時流行した「心学」を借りた趣向で、悪魂と善魂が人間の心に入って様々な行いをさせる姿を描いている。悪玉と善玉になっての悪尽くし、善尽くしの踊り、続く玉尽くしでは、江戸の見世物小屋である軽業を写しだす。リズミカルで軽快な舞踊で、その爽快さとおかしみが楽しい。
 今回は踊りにも定評のある市川染五郎と市川亀治郎の花形二人が悪玉と善玉でコンビを組む。息のあった二人の競演に注目だ。

三、瞼の母(まぶたのはは)

 長谷川伸作の新歌舞伎の名作で、昭和6年に明治座で13世守田勘弥が初演した。幼ない時に母と生き別れした作者自身の母を慕う思いが篭った作品で、その後も新国劇、大衆劇など多くの一座で上演を重ねてきている名作である。
 武州葛飾の金町。江州番場の生まれの忠太郎は弟分の半次郎の家を訪ねるが、半次郎の母は「息子はいない」と言い張り、忠太郎に向かって「倅がぐれたのはあなたのような友達がいるからだ」と言う。生命を賭けて半次郎の身を守ろうとする母や妹の姿を見た忠太郎は、半次郎を追って来たやくざを叩き斬り、飛び出してきた半次郎に「堅気になれ」と言い残して、生き別れになった母を求めて江戸へ向かう。半次郎の母に自分の母の面影を見る忠太郎の切ない思いが見どころである。
 時が流れて秋も深い日、忠太郎は柳橋の割烹水熊の裏口から、板前に叩き出された老夜鷹を助け、その口からこの家の女将が江州生まれで、幼い子を残してきたという話を聞く。忠太郎は思い切って女将のおはまに会うが、おはまは「忠太郎は死んだ」と突っぱねる。忠太郎は母のため百両の金を用意してきたと語り、母恋しさの思いで生きてきた真情を訴えるが、おはまはこの家で生まれた娘お登世のことを思い、我が子と知りつつ冷たくあしらう。忠太郎は親子の思いがこうも違うものかと絶望して去っていく。忠太郎を兄と知ったお登世は母を説き伏せ、おはまも心が折れて、二人は駕籠で忠太郎の後を追う。忠太郎は二人の声を聞きながらも最早会おうとはしない。閉じた瞼の中に浮かぶ母だけが、忠太郎の母なのである。
 中村獅童が初役で母を想う忠太郎を勤める。

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