公演情報詳細
第二十五回記念 | ||
四国こんぴら歌舞伎大芝居 |
当公演は終了いたしました。
2009年4月7日(火)~25日(土)
劇場:旧金毘羅大芝居(金丸座)
料金(税込)
- 上場席(A席)13,000円
- 中場席(B席) 10,000円
- 並場席(C席)7,000円
演目と配役
第一部(午前11時開演)
一、平家女護島
俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 丹波少将成経 海女千鳥 瀬尾太郎兼康 丹左衛門尉基康 | 中村勘三郎 中村勘太郎 中村七之助 片岡亀蔵 坂東彌十郎 |
二、恋飛脚大和往来
新口村(にのくちむら)
亀屋忠兵衛 傾城梅川 父親孫右衛門 | 中村扇雀 中村七之助 坂東彌十郎 |
三、新古演劇十種の内
身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 奥方玉の井 | 中村勘太郎 中村扇雀 |
第二部(午後3時40分開演)
一、伊賀越道中双六
沼津(ぬまづ)
沼津棒鼻の場 平作住居の場 千本松原の場 |
雲助平作 娘お米 池添孫八 呉服屋十兵衛 | 中村勘三郎 中村七之助 片岡亀蔵 中村勘太郎 |
二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
大名邸広間の場 葛西領源兵衛堀の場 廓裏田圃の場 枯野原の場 庭中花盛りの場 |
小姓白梅/雪女郎/骸骨/読売 傘一本足 新造 河童 狸 骸骨/読売 | 中村扇雀 中村勘太郎 中村七之助 片岡亀蔵 坂東彌十郎 中村勘三郎 |
みどころ
第一部(午前11時開演)
一、平家女護島
俊寛(しゅんかん)
この作品は『平家物語』に題材を求めた作品で、近松門左衛門が人形浄瑠璃(現在の文楽)のために書き下ろしたものを歌舞伎に移した作品です。近代になってその作品性が高い評価を得て、繰り返し上演されるようになりました。
平家討伐を企て鬼界ヶ島に流された俊寛僧都、丹波少将成経、平判官康頼のもとへ、赦免船が到着します。ところが上使の瀬尾太郎兼康の赦免状には俊寛の名がありません。俊寛が嘆くところ、もうひとりの上使である丹左衛門尉基康が現れ、俊寛も赦されたことを告げます。こうして俊寛、成経とその妻の海女千鳥、康頼が船に乗ろうとしますが、瀬尾は千鳥の乗船を許しません。悲しむ千鳥が自害しようとすると、俊寛は自分の代わりに千鳥を船に乗せようとします。これを妨害する瀬尾を俊寛は殺害し、ひとり鬼界ヶ島に残ることを決意します。やがて俊寛は孤独感に苛まれながら、赦免船を見送るのでした。
勘三郎が当たり役の俊寛を勤めるほか、勘太郎の成経、七之助の千鳥、亀蔵の瀬尾、彌十郎の丹左衛門という配役で、海外でも高い評価を得ている近松の名作をお楽しみ頂きます。
二、恋飛脚大和往来
新口村(にのくちむら)
江戸時代に実際に起こった公金横領事件をもとにして、近松門左衛門が『冥途の飛脚』という作品を書き下ろしました。これを改作したのが『恋飛脚大和往来』で、今回はその中から雪の中での親子の別れを描いた『新口村』を上演しますが、こんぴら歌舞伎では初の上演となります。
公金を横領して傾城の梅川を身請けした亀屋忠兵衛は、梅川を連れて故郷の新口村までやって来ます。ここへ忠兵衛の実の父である孫右衛門が通りかかり、氷に足を滑らして転んでしまいます。これを見た梅川は孫右衛門を介抱し、やがて孫右衛門に目隠しをして忠兵衛と親子の対面をさせます。こうして忠兵衛と梅川は、降りしきる雪の中、孫右衛門との別れを惜しみながら、落ちて行くのでした。
梅川が孫右衛門と忠兵衛を対面させる件が、大きな見どころとなっている作品を、亀屋忠兵衛に扇雀、梅川に七之助、そして孫右衛門に彌十郎という清新な顔ぶれで上演します。
三、新古演劇十種の内
身替座禅(みがわりざぜん)
狂言の『花子』を題材にとり、恐妻家の男とその妻の様子を主題とした作品で、松羽目舞踊の代表的なものです。
都の大名である山蔭右京は、かつて深い契りを交わした花子と逢うために、一晩座禅をすると偽って出かけていきます。一方、奥方の玉の井は夫の見舞いにやって来ますが、座禅衾を取り上げると、中にいたのは太郎冠者であるので、烈火のごとく怒ります。そして右京を懲らしめようと、太郎冠者の代わりに自らが座禅衾を被り、夫の帰りを待ちます。やがてほろ酔い加減の右京が戻って来て、花子とののろけ話を語り始め上機嫌で座禅衾を取り上げると、中から現れたのは玉の井。驚いて逃げ出す右京を玉の井は追いかけて行くのでした。
大名ならではの品格と独特の色気が必要な山蔭右京に勘太郎が挑み、夫思いの奥方玉の井を扇雀が勤めます。
第二部(午後3時40分開演)
一、伊賀越道中双六
沼津(ぬまづ)
日本三大仇討ちの一つである伊賀鍵屋の辻の仇討ちに取材した作品で、もともとは人形浄瑠璃の作品として書き下ろされました。初演後まもなく歌舞伎に移されましたが、今日まで名作として繰り返し上演されています。今回上演される『沼津』は東海道の街道風景と、親子の情愛を巧みに描いており、この作品の中でも最も人気がある場面です。
東海道沼津宿の雲助平作は、呉服屋十兵衛の荷物を担がせてもらいますが、転倒して怪我をするので、十兵衛は平作を介抱します。そして十兵衛は平作と共に先を急ぎますが、ここへ平作の娘のお米が通りかかり、その美しさに見惚れる十兵衛は、平作の家に一夜の宿を乞います。
ところがその日の夜に起ったある騒ぎから、十兵衛は平作が実の父で、お米が妹であることを悟ります。そして十兵衛は、自らの氏素性が書かれた書付と、三十両の金を置いて旅立って行きます。一方の平作は、十兵衛が我が子であること、また十兵衛の印籠から、十兵衛がお米の夫和田志津馬の仇である沢井股五郎と近い人物であることを知り、その後を追って行きます。 やがて平作は一命を賭して、十兵衛に股五郎の行方を訊ねます。実の父のかくまでの思いに心打たれた十兵衛は、藪に潜むお米と池添孫八に股五郎が九州に落ちて行ったことを告げて、虫の息の平作と親子の名乗りをするのでした。
昭和六十二年(1987)に行われた第三回四国こんぴら大芝居で先代勘三郎が金丸座で上演したゆかりある作品を、当代勘三郎が雲助平作を勤め、勘太郎の呉服屋十兵衛、七之助のお米、亀蔵の池添孫八、という配役で上演する注目の舞台です。客席を沸かせる演出が見事な沼津棒鼻の場を始め、哀愁溢れる千本松原の場など、見どころ多い義太夫狂言の名作です。
二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
この作品は、妖怪たちを主人公としたユーモラスな舞踊で、四国こんぴら歌舞伎大芝居公演では過去に二回上演されているように、金丸座ではお馴染みの演目です。 大名屋敷で百物語を行い、百本目の蝋燭を小姓の白梅が吹き消すと、白梅はいつの間にかのっぺらぼうとなってしまいます。源兵衛堀での唐傘のお化けと河童と狸の飄逸とした踊りに、吉原田圃に現れた雪女郎と新造の艶やかな踊り。そして枯野原の骸骨の可笑し味ある踊りから一転して、花見の中での読売たちの賑やかな踊りと、華やかな踊りづくしとなっています。 今回は一座総出演でたっぷりとお楽しみ頂きます。
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