公演情報詳細
十月花形歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年10月3日(木)~27日(日)
劇場:大阪松竹座
料金(税込)
- 一等席12,600円
- 二等席7,350円
- 三等席4,200円
演目と配役
昼の部
新・油地獄
一、大坂純情伝(おおざかじゅんじょうでん)
河内屋与兵衛 お吉 刷毛の弥五郎 皆朱の善兵衛 天王寺屋遊女小菊 おかち 雁金文三 山本森右衛門 おさわ 豊嶋屋七左衛門 果心 | 愛之助 壱太郎 亀鶴 萬太郎 新悟 尾上右近 薪車 猿弥 吉弥 男女蔵 翫雀 |
楳茂都
二、三人連獅子(さんにんれんじし)
親獅子 子獅子 母獅子 | 愛之助 吉太朗 壱太郎 |
夜の部
平成25年度文化庁芸術祭参加
通し狂言 夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序 幕 二幕目 三幕目 大 詰 | お鯛茶屋の場 住吉鳥居前の場 内本町道具屋の場 横堀番小屋の場 釣舟三婦内の場 長町裏の場 田島町団七内の場 同 大屋根の場 |
団七九郎兵衛 一寸徳兵衛 玉島磯之丞 団七女房お梶 娘お仲 傾城琴浦 下剃三吉 番頭伝八 徳兵衛女房お辰 釣舟三婦 | 愛之助 亀鶴 薪車 壱太郎 新悟 尾上右近 萬太郎 猿弥 吉弥 翫雀 |
みどころ
昼の部
一、新・油地獄 大坂純情伝(おおざかじゅんじょうでん)
純情ながらも不良仲間とつるみ喧嘩沙汰ばかり起こす河内屋与兵衛は、苦涯に身を落とす恋人小菊のこと、男癖の悪い母親おさわのことと悩みは尽きない。そんな折、母おさわの放蕩で妹おかちが身売りすることになるかもしれないと知り、普段なにかと世話を焼いてくれる幼馴染で油商豊嶋屋女房のお吉に、金を融通してほしいと頼むが、にべもなく断られてしまい…。
『女殺油地獄』は近松門左衛門が書き下ろした全三段の世話浄瑠璃で、享保6(1721)年に大坂竹本座で初演された作品です。当時、実際に大坂で起きた油屋の後家が殺害された事件を素材としているといわれています。本作は平成15年(2003)年、『女殺油地獄』の世界をもとに平成若衆歌舞伎第二回公演で初演され、好評を得ました。情熱と純情溢れる、平成の歌舞伎を存分にお楽しみください。
二、楳茂都 三人連獅子(さんにんれんじし)
『連獅子』は、能の『石橋(しゃっきょう)』をもとにした「石橋物」と呼ばれる歌舞伎舞踊の一つです。今回上演いたします『三人連獅子』は、『楳茂都連獅子』とも称される作品で、明治41(1908)年、上方舞の楳茂都流、二世楳茂都扇性の振付によるものです。前半は人間の姿で現れた獅子の親子が、微笑ましい一家団欒(だんらん)の情景を見せ、後半は獅子の姿となりますが、化粧も隈取はせずに前シテのままというのが特徴的です。獅子の子落としでは、厳しい父親、その教育に耐える健気な子ども、そこへ慈愛に満ちた優しい母親が加わり、家族の結び付きが華やかに情愛深く描かれています。
夜の部
通し狂言 夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
和泉浜田藩家臣、玉島兵太夫の子息玉島磯之丞は堺お鯛茶屋の遊女琴浦と恋仲となります。横恋慕する大鳥佐賀右衛門にそそのかされ遊興にふけり、その放蕩が主君の耳に聞こえ父より勘当されてしまいます。堺の魚売り団七九郎兵衛は佐賀右衛門の中間との喧嘩がもとで入牢中でしたが、女房お梶の願いを聞いた兵太夫のとりなしにより、出牢を許されます。恩人の子息磯之丞とその恋人琴浦を佐賀右衛門から守ろうと、団七は、お梶や義兄弟の契りを交わした一寸徳兵衛、その妻お辰、釣舟三婦らと奔走します。しかし、強欲な舅三河屋義平次がお金に目が眩み琴浦を拐(かどわ)かし、連れ去ってしまいます。奸計(かんけい)に気づいた団七は長町裏で義平次に追いつき、言い争いの末…。
並木千柳、三好松洛、竹田小出雲の合作で、大坂の堺の長屋裏で実際に起こった殺人事件をもとに、延享2(1754)年、大坂竹本座で人形浄瑠璃として初演され、翌月歌舞伎化されました。前半の俠気ある男女のドラマから壮絶な迫力の殺しの場へとつながっていきます。長町裏の場は“泥場” とも呼ばれ、殺しの場面が高津宮の賑やかな祭囃子に乗って錦絵のように繰り広げられ、陰惨な悲劇をよりいっそう印象づける、歌舞伎美あふれる演出となっています。
浪花の俠客の意地と粋の世界を夏祭の風情の中で描いており、通常なかなか上演されることの少ない場面も加え、随所に見どころ豊富な通し上演でお目にかけます。
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