公演情報詳細
料金(税込)
- 1等席15,750円
- 2等席8,400円
- 3等席4,200円
演目と配役
昼の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
曽我五郎時致 曽我十郎祐成 静御前 | 松緑 菊之助 孝太郎 |
二、片岡十二集の内 木村長門守(きむらながとのかみ)
血判取
木村長門守 郡主馬之助 井伊兵部 成瀬隼人正 榊原越中守 本多忠友 酒井左衛門尉 徳川家康 | 我當 進之介 亀三郎 亀寿 松也 家橘 團蔵 左團次 |
三、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
花水橋
御殿
床下
対決
刃傷
〈花水橋〉 〈御殿〉 〈床下〉 〈対決・刃傷〉 | 足利頼兼 絹川谷蔵 乳人政岡 栄御前 松島 沖の井 弾正妹八汐 仁木弾正 荒獅子男之助 細川勝元 渡辺外記左衛門 渡辺民部 笹野才蔵 山中鹿之助 山名宗全 仁木弾正 | 菊之助 愛之助 藤十郎 秀太郎 孝太郎 魁春 仁左衛門 仁左衛門 松緑 菊五郎 左團次 愛之助 松也 亀寿 團蔵 仁左衛門 |
夜の部
一谷嫩軍記
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実 白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 藤の方 堤軍次 相模 源義経 | 仁左衛門 我當 孝太郎 愛之助 秀太郎 藤十郎 |
二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)
浄瑠璃「忍岡恋曲者」
花川戸助六/番頭権九郎 三浦屋揚巻 牛若伝次 新造白玉 朝顔仙平 三浦屋女房お仲 俳諧師東栄 鳥居新左衛門 紀伊国屋文左衛門 | 菊五郎 魁春 松緑 菊之助 亀三郎 家橘 團蔵 左團次 田之助 |
三、上 羽衣(はごろも)
下 団子売(だんごうり)
〈羽衣〉 〈団子売〉 | 天女 伯竜 お臼 杵造 | 菊之助 松緑 孝太郎 愛之助 |
みどころ
昼の部
一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)
明和四年(一七六七)正月に江戸中村座で上演された『初商大見世曽我』という曽我狂言の舞踊として初演されました。
正月の七草粥の準備の為、春の七種を擂粉木(ぎこすり)や包丁で叩く行事を取り入れためでたい舞踊劇で、今回は曽我五郎を松緑、曽我十郎を菊之助、静御前を孝太郎が勤めます。
二、片岡十二集の内 木村長門守(きむらながとのかみ)
大坂冬の陣、勅命により豊臣家と徳川家の和睦が結ばれました。秀頼の名代として家康の本陣へ和睦の神文を受け取りに行くことになった木村長門守は、いささかも臆することなく家康の血判を取り、見事大役を果たしたのでした。
"片岡十二集"の内の一つで、華やかな若武者の木村長門守の我當と、老獪な徳川家康の左團次とのやりとりが楽しみな一幕です。
三、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
伊達騒動に材をとった代表的な作品で、関西では「花水橋」「対決」「刃傷」の場は久々の上演となります。
「花水橋」
足利家の当主足利頼兼は花水橋を通りかかるところ、暗殺者に襲われますが、お抱えの相撲取り絹川谷蔵が駆けつけ難を逃れます。
「御殿」
乳人政岡が、頼兼の嫡子・鶴千代を毒殺から守る為、自ら食事の用意をしているところへ、お家横領の黒幕、山名宗全の奥方・栄御前が来訪し、鶴千代に見舞いの菓子を勧めます。政岡の子千松が菓子を口にし苦しみ出すと、八汐は千松を刺し殺してしまいます。我が子を殺されても動じない政岡を見た栄御前は、政岡が千松と鶴千代を入れ替えたと思い込み、謀反の連判状を渡します。政岡がひとりになり悲しみに嘆いているところに斬りかかってきた八汐を仕留めますが、連判状は鼠に持ち去られます。
「床下」
床下に逃げ込む鼠を、荒獅子男之助が一旦は取り押さえますが、逃げられてしまいます。この鼠は、仁木弾正が妖術で化けたもので、やがて正体を現し不敵に去っていきます。
「対決・刃傷」
渡辺外記左衛門らと仁木弾正らの足利家のお家騒動は、幕府の問註所で裁かれることとなります。立ち会いの山名宗全が弾正方の勝訴の裁決を下そうとした時、細川勝元が現れ裁決を覆し外記左衛門方の勝訴となったのでした。観念した弾正は、最後の抵抗と外記左衛門に刃傷に及びますが、ついには討ち取られ、足利家は安泰となります。
政岡を藤十郎、細川勝元を菊五郎、八汐・仁木弾正を仁左衛門と豪華な配役の舞台をご堪能ください。
夜の部
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷次郎直実の陣屋に、初陣の我が子小次郎を案じた直実の妻・相模が、続いて平敦盛の母・藤の方が現れます。戻ってきた熊谷は敦盛を討った様子を語って聞かせますが、首実検の場に供されたのは熊谷の息子小次郎の首。実は陣屋の桜の木の制札には「一枝を折れば一指を切るべし」と記されており、そこに託された義経の意を汲んだ熊谷は我が子を犠牲にして後白河院の落胤である敦盛を助けたのでした。救われた敦盛が無事落ち延びたことを見届けた熊谷はあらかじめ用意の僧形となり小次郎の菩提を弔うため旅に出るのでした。
平家物語に名高い敦盛の最期を題材に意外な真相が描かれます。武将にふさわしい大きさ、剛毅さと共に戦乱の世の無常を感じさせる熊谷に仁左衛門、義経に藤十郎、弥陀六に我當、相模に秀太郎という顔合わせでご覧いただきます。
二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき) 浄瑠璃「忍岡恋曲者」
「黒手組曲輪達引」は河竹黙阿弥が世話の助六として四世小團次の為に書き下ろした作品と伝えられています。従って至る所に助六のパロディが散りばめられた世話狂言となっています。
三浦屋の新造白玉は、間夫の牛若伝次と図って自分に入れあげている番頭の権九郎をだまして廓を抜け出し、あげくに権九郎は池に突き落とされてしまいます。一方新吉原仲之町では鳥居新左衛門の門弟たちが白酒売りの親父新兵衛をなぶり、商売ものを駄目にしてしまいます。それを救ったのは花川戸の助六。新兵衛はこの助六の馴染の花魁揚巻の父と知れます。実は助六は父の敵を探して吉原で武士と見ると喧嘩を吹っかけ刀を抜かせていたのでした。新兵衛から敵の手がかりも得た助六に影から助六を援助する紀伊国屋文左衛門は短気を起こさぬよう戒めるのでした。
権九郎と助六の二役に菊五郎、文左衛門に田之助、鳥居新左衛門に左團次、揚巻に魁春の配役で趣向に富んだ三幕をお楽しみください。
三、上 羽衣(はごろも)
浜辺にやってきた漁師伯竜は、松の枝に美しい羽衣が掛かっているのを見つけ持ち帰ろうとします。そこへ天女が現れ、その羽衣を返して欲しいと頼むのでした。
「羽衣伝説」をもとにした舞踊で、天女を菊之助、漁師伯竜を松緑が幻想的に踊ります。
下 団子売(だんごうり)
屋台を担いでやってきた団子売のお臼と杵造という夫婦が、評判の団子を作っていく様子を面白く賑やかに踊る人気舞踊です。
女房お臼の孝太郎と、杵造の愛之助が息の合った踊りをみせます。
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