公演情報詳細
秀山祭九月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2016年9月1日(木)~25日(日)
劇場:歌舞伎座
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- 歌舞伎座「イベント託児サービス」9月分受付は8月1日から
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演目と配役
昼の部
右田寅彦 作
松岡 亮 補綴
一、碁盤忠信(ごばんただのぶ)
佐藤忠信 塩梅よしのお勘実は呉羽の内侍 右平太 左源次 万寿姫 三郎吾 小車の霊 浮橋 壬生の小猿 摺針太郎 宇都宮弾正 江間義時 番場の忠太 横川覚範 小柴入道浄雲 | 染五郎 菊之助 歌昇 萬太郎 新悟 隼人 児太郎 宗之助 桂三 由次郎 亀鶴 松江 亀蔵 松緑 歌六 |
岡村柿紅 作
二、太刀盗人(たちぬすびと)
すっぱの九郎兵衛 田舎者万兵衛 従者藤内 目代丁字左衛門 | 又五郎 錦之助 種之助 彌十郎 |
三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
檜垣
奥殿
三代目中村吉之丞襲名披露
一條大蔵長成 吉岡鬼次郎 お京 八剣勘解由 鳴瀬 茶亭与一 常盤御前 | 吉右衛門 菊之助 梅枝 吉之助改め吉之丞 京妙 橘三郎 魁春 |
夜の部
妹背山婦女庭訓
一、吉野川(よしのがわ)
大判事清澄 久我之助 腰元桔梗 腰元小菊 雛鳥 太宰後室定高 | 吉右衛門 染五郎 梅枝 萬太郎 菊之助 玉三郎 |
岡 鬼太郎 作
眠駱駝物語
二、らくだ
紙屑買久六 手斧目半次 駱駝の馬吉 半次妹おやす 家主佐兵衛 家主女房おいく | 染五郎 松緑 亀寿 米吉 歌六 東蔵 |
三、元禄花見踊(げんろくはなみおどり)
元禄の女 元禄の男 元禄の男 元禄の男 元禄の男 元禄の男 元禄の男 元禄の女 元禄の女 元禄の女 元禄の女 | 玉三郎 亀三郎 亀寿 歌昇 萬太郎 隼人 吉之助改め吉之丞 梅枝 種之助 米吉 児太郎 |
みどころ
昼の部
一、碁盤忠信(ごばんただのぶ)
佐藤忠信が碁盤を持って戦った伝説をもとにした荒事
ここは、京の鳥辺野。吉野から源義経一行を落ち延びさせた家臣の佐藤忠信が、京へと戻りこの界隈に潜んでいると噂されています。その忠信は、実は京都の堀川御所に隠れ住み、義経の影武者となっています。忠信の元へやって来た舅の小柴入道浄雲は、実は梶原景高に内通しており忠信の命を狙っています。しかし、そこへ忠信の亡き妻小車の亡霊が顕れ、父の行いを諫めます。忠信は、散らばった碁石から危険を察知し、義経の鎧を身につけ浄雲をかわします。そこへ横川覚範が現れますが…。
碁盤片手の立廻りなど歌舞伎味あふれる荒事をご堪能ください。
二、太刀盗人(たちぬすびと)
飄逸な滑稽味と松羽目物の品格が漂う舞踊劇
京へやって来た田舎者の万兵衛は、国元への土産を買おうと新市を見て回っています。その様子を見たすっぱの九郎兵衛は、万兵衛が持つ黄金造りの太刀を奪い取ろうと企てます。これに気づいた万兵衛が騒ぎ立てるところへ、目代が現れ二人の争いを裁くことになります。目代の問に万兵衛が答えると、それを盗み聞きして九郎兵衛も同じように答えます。太刀の由来などを踊ってみせる二人ですが、やがて万兵衛は、九郎兵衛が自分の真似をしていることに気がついて…。
万兵衛を真似て九郎兵衛が半間ずつ遅れて舞う舞など、可笑しみあふれる一幕です。
三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり) 檜垣・奥殿
阿呆の顔の裏に包み隠した本心
平家全盛の時代、能狂言に現を抜かし阿呆として知られる一條大蔵卿は、源義朝の妻であった常盤御前を妻に迎えます。源氏の忠臣吉岡鬼次郎は、常盤御前に源氏再興の意志があるのか本心を探ろうと、大蔵卿の許に妻のお京を送りこみ、その手引により、大蔵卿の館に潜り込みます。楊弓に興じている常盤御前を見て、鬼次郎夫婦は詰め寄りますが、実はその矢には平家調伏の願いが掛けられたものでした。この様子をうかがっていた家老の八剣勘解由が、平清盛に注進しようとするのを制したのは、常の姿とは異なる威厳を湛えた大蔵卿でした…。
作り阿呆と本性の演じ分けが眼目の味わい深い義太夫狂言をご覧ください。
夜の部
一、吉野川(よしのがわ)
互いの親子の情愛から悲劇へと転じる詩情あふれる義太夫狂言の大作
紀伊国を領する大判事家と大和国を領する太宰家とは、吉野川をはさんで両岸に位置しています。それぞれの息子久我之助と息女雛鳥は、相思相愛の仲ですが、親の不仲ゆえ会うことがかないません。そのような中、蘇我入鹿から、大判事清澄は、久我之助を出仕させるよう、また太宰の未亡人定高は雛鳥を妾に差し出すよう、それが聞き入れられない時は首を打てと命じられ、それぞれ帰宅します。大判事と定高は、不和の仲ではありましたが、互いに我が子を犠牲にして相手の子供だけは助けようとの心づもりでいます。そして大判事と定高は、互いに申し合わせていた合図を偽って送りますが…。
両花道を吉野川の両岸に見立て客席をも劇空間に取り込む趣向が特色の物語です。
二、らくだ
落語をもとにした笑いあふれる一幕
手斧目(ちょうなめ)の半次が、悪友のらくだと仇名される馬吉の家にやって来ると、らくだは河豚の毒で頓死していました。そこへ通りかかった紙屑買の久六を呼び止めた半次は、らくだの家財道具を売り払い弔いの金を用立てようとします。しかし久六は、この家には何もないと語るので、次に半次は、家主に通夜の酒と肴を供えさせようと久六に行かせますが、断られます。すると半次は、久六にらくだの遺体を担がせて家主を訪ねると、そこでらくだを抱きかかえて踊らせ、驚く家主に差し入れを了承させます。そして半次と久六は酒盛りを始めますが…。
遊び人の半次と小心者の久六の立場が次第に逆転していく様子をお楽しみください。
三、元禄花見踊(げんろくはなみおどり)
花見の様子を華麗な扮装と派手やかな長唄で魅せる舞踊
元禄の世。桜が満開の上野の山は、大勢の花見客で賑わっています。ここへ派手やかに着飾った人々が花見に訪れ、辺りは一層華やぎます。花見用に新調した華麗な着物を着て浮かれ気分で楽しんでいる皆々は、酒を飲み交わすうちに、ほろ酔い気分で踊り始めます。綺麗な月明かりが桜を照らすなか、皆一緒になって花を愛で、総踊りを披露していきます。上野の山は、花盛りとともにますます盛り上がっていくのでした。
元禄期の花見の雰囲気と色彩豊かな絢爛な舞台をご覧ください。
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