公演情報詳細
七月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2014年7月5日(土)~29日(火)
劇場:歌舞伎座
- 玉三郎のインタビューをイヤホンガイドと字幕ガイドで再放送
- 歌舞伎座「七月大歌舞伎」初日開幕
- 歌舞伎座「七月大歌舞伎」幕見席のご案内
- 字幕ガイドメンバーズカードが歌舞伎座に登場
- 歌舞伎座「イベント託児サービス」7月分受付は6月2日から
演目と配役
昼の部
一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
曽我五郎時致 小林妹舞鶴 | 市川右近 笑三郎 |
二、通し狂言 夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
お鯛茶屋
住吉鳥居前
三婦内
長町裏
団七内
同屋根上
団七九郎兵衛 三河屋義平次 一寸徳兵衛 琴浦 お梶 玉島磯之丞 おつぎ 堤藤内 釣舟三婦 お辰 | 海老蔵 中車 猿弥 尾上右近 吉弥 門之助 右之助 家橘 左團次 玉三郎 |
夜の部
一、猿翁十種の内 悪太郎(あくたろう)
悪太郎 修行者智蓮坊 太郎冠者 伯父安木松之丞 | 市川右近 猿弥 弘太郎 亀鶴 |
二、修禅寺物語(しゅぜんじものがたり)
夜叉王 源頼家 修禅寺の僧 妹娘楓 姉娘桂 春彦 | 中車 月乃助 寿猿 春猿 笑三郎 亀鶴 |
三、天守物語(てんしゅものがたり)
天守夫人富姫 姫川図書之助 舌長姥 薄 亀姫 朱の盤坊 山隅九平 小田原修理 近江之丞桃六 | 玉三郎 海老蔵 門之助 吉弥 尾上右近 猿弥 市川右近 中車 我當 |
みどころ
昼の部
一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
◆荒事の豪快さと華やかさにみちた曽我物舞踊
曽我五郎は父の仇を討つために、鎧を小脇に抱えて工藤の館へ駆け付けようとしています。今はその機会ではないと五郎を止めようとするのは小林朝比奈の妹舞鶴。いずれも力自慢の二人は鎧の草摺(裾の部分)を引き合います。
曽我兄弟の仇討を題材にした作品で、荒事の趣向と華やかさを併せ持つ長唄舞踊です。歌舞伎の絵面美にみちた舞台をご堪能ください。
二、通し狂言 夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
◆夏の大坂の風情があふれる義太夫狂言の名作
和泉国浜田藩家臣、玉島兵太夫の子息磯之丞は、堺お鯛茶屋で恋仲の傾城琴浦と遊蕩にふけっています。そこへ、放蕩の磯之丞を連れ戻して欲しいと頼まれた魚屋の団七九郎兵衛女房お梶がやって来て、一計をめぐらします。
団七は、喧嘩の罪で入牢しましたが、玉島兵太夫の取りなしで出牢を許されます。住吉鳥居前で、団七は俠客の釣舟三婦と再会すると、そこに磯之丞と琴浦が逃れてきます。団七はその危急を救おうとしますが、一寸徳兵衛が立ちはだかり、争う内にお梶の仲裁によって、互いの主筋が玉島兵太夫であるとわかると、義兄弟の仲になるのでした。
誤って人殺しを犯した磯之丞は、琴浦と共に三婦の家に匿われていました。そこへ徳兵衛の女房お辰が訪れ、磯之丞を預かることを申し出ます。三婦は、お辰の若く美しい顔を見て、間違いがあってはと難色を示しますが、お辰は意外な行動を取ります。
一方、金に目がくらんだ団七の舅三河屋義平次は、琴浦を連れ出します。この悪事を知った団七は義平次を追いかけ…。
今回は、役柄の人物像がより鮮明になる通しでの上演。盛夏の大坂を舞台にした義太夫狂言の名作をお楽しみください。
夜の部
一、猿翁十種の内 悪太郎(あくたろう)
◆憎めない無邪気な男を描く軽快な舞踊劇
大酒飲みで酒癖の悪い悪太郎は、今日も酒に酔って足元がおぼつかない様子。伯父の安木松之丞も困り果てています。悪太郎は酔った勢いで、通りがかりの修行僧智蓮坊にからみ、修行の話を所望したり、自分の薙刀の話を聞かせたりと勝手な振舞ばかりです。何度意見しても聞く耳を持たぬ悪太郎に対し、松之丞は一計を案じ…。
狂言を素材にしたユーモアと大らかな雰囲気に包まれた作品です。愛嬌あふれる悪太郎が繰り広げる舞踊劇をお楽しみください。
二、修禅寺物語(しゅぜんじものがたり)
◆孤高の人間の心理を鮮やかに描いた新歌舞伎の傑作
修禅寺村に暮らす面作師の夜叉王は、将軍源頼家から自分に似せた面を作るように依頼されていましたが、納得のいく面を作ることができずにいます。そのことに苛立った頼家は、夜叉王を斬りつけようとしますが、娘の桂が昨夜打ち上がった面を差し出します。夜叉王が、その面には死相が表れていると言うのも聞かずに頼家は持ち帰ります。しかし、その夜…。
岡本綺堂による新歌舞伎の代表作として知られ、夜叉王の職人気質と芸術家ならではの非情な精神を丹念に描き出しています。巧みな人間描写と名ぜりふの数々をご堪能ください。
三、天守物語(てんしゅものがたり)
◆天上に暮らす美しく妖しい姫が落ちた永遠の恋
播磨国姫路にある白鷺城。この城の天守閣の最上階は、人間たちが近づくことのない、美しい異形の者たちが暮らす別世界。この世界の主こそ、美しく気高い富姫です。そこへ富姫を姉と慕う亀姫が訪れ、久しぶりの再会を喜ぶ富姫は、亀姫に土産として白鷺城の城主である武田播磨守自慢の白い鷹を与えます。
その夜、天守閣に播磨守に仕える姫川図書之助が鷹を探しに現れました。富姫は、凛とした図書之助の応対に、命を奪うべきところを無事に帰すこととしますが、図書之助は天守を降りる途中で燈を消してしまい、火を求めて最上階へと戻ってきます。図書之助に恋心を抱き始めていた富姫は、自分に会った証として、城主秘蔵の兜を渡しますが、再び天守を降りた図書之助は、家宝の兜を盗んだ疑いをかけられてしまい…。
泉鏡花の戯曲の中でも屈指の名作とされ、姫路城(白鷺城)の天守に隠れ住むといわれた姫の伝説を題材に、鏡花ならではの幻想的な世界を織り込んだ作品です。美しい異形の世界の者とこの世の人間との夢幻の物語にご期待ください。
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