公演情報詳細
六月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2014年6月1日(日)~25日(水)
劇場:歌舞伎座
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演目と配役
昼の部
一、お国山三 春霞歌舞伎草紙(はるがすみかぶきぞうし)
出雲阿国 若衆 若衆 若衆 若衆 若衆 女歌舞伎 女歌舞伎 女歌舞伎 名古屋山三 | 時蔵 亀寿 歌昇 萬太郎 種之助 隼人 尾上右近 米吉 廣松 菊之助 |
源平布引滝
二、実盛物語(さねもりものがたり)
斎藤実盛 小万 葵御前 矢走仁惣太 小よし 九郎助 瀬尾十郎 | 菊五郎 菊之助 梅枝 橘太郎 右之助 家橘 左團次 |
元禄忠臣蔵
三、大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)
大石内蔵助 磯貝十郎左衛門 おみの 細川内記 赤埴源蔵 原田玄沢 吉田忠左衛門 堀部弥兵衛 早水藤左衛門 堀内伝右衛門 久永内記 荒木十左衛門 | 幸四郎 錦之助 孝太郎 隼人 橘太郎 松之助 錦吾 桂三 由次郎 彌十郎 友右衛門 我當 |
四、お祭り(おまつり)
鳶頭松吉 若い者 | 仁左衛門 千之助 |
夜の部
倭仮名在原系図
一、蘭平物狂(らんぺいものぐるい)
三代目尾上左近 初舞台
劇中にて口上相勤め申し候
奴蘭平実は伴義雄 女房おりく実は音人妻明石 水無瀬御前 一子繁蔵 壬生与茂作実は大江音人 在原行平 | 松緑 時蔵 菊之助 初舞台左近 團蔵 菊五郎 |
二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)
太郎冠者 太刀持鈍太郎 次郎冠者 三郎吾 姫御寮 大名某 | 幸四郎 彌十郎 亀寿 錦吾 高麗蔵 左團次 |
三、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)
縮屋新助 芸者美代吉 船頭三次 魚惣女房お竹 藤岡慶十郎 魚惣 | 吉右衛門 芝雀 錦之助 歌女之丞 又五郎 歌六 |
みどころ
昼の部
一、お国山三 春霞歌舞伎草紙(はるがすみかぶきぞうし)
◆絵巻物を見るような美しく幻想的な舞台
桜の花が咲き誇る京の四条河原では、出雲の阿国が一座の面々とともに歌舞伎踊りを披露しています。するとそこに今は亡き名古屋山三の幻が現れます…。
歌舞伎の始祖として知られる阿国と同時代に実在した、伊達男の山三が恋い慕う仲だったという、美しく幻想的な舞踊をお楽しみください。
二、実盛物語(さねもりものがたり)
◆源氏の白旗を巡って繰り広げられる時代物の名作
平家全盛の時代。琵琶湖のほとりにある九郎助夫婦の家に、斎藤実盛と瀬尾十郎が詮議のために訪れます。この家には、源氏再興を目指しながらも命を落とした木曽義賢の妻で、臨月の葵御前が匿(かくま)われており、実盛と瀬尾の目的は、産まれてくる子の検分だったのです。追い詰められた九郎助夫婦は、一計を案じ、さきほど拾ってきた白旗を掴んだ女の片腕を葵御前が産んだと差し出します。それに憤った瀬尾が去っていくと、残った実盛は白旗を守るため、小万と名乗る女の片腕を斬り落としたと語り始め…。
斎藤実盛は、「生締(なまじめ)」と呼ばれる歌舞伎の代表的な役柄で、知勇を兼ね備えた武将として描かれています。義太夫狂言の魅力にあふれる舞台にご期待ください。
三、大石最後の一日(おおいしさいごのいちにち)
◆最期の時も"初一念"を貫こうとする浪士の姿
吉良邸への討入り後、本懐を遂げた大石内蔵助以下赤穂浪士四十七名の内十七名は、細川家にお預けとなりました。内蔵助は、細川家から手厚いもてなしを受けながら処分を待つ日々を送る浪士たちに対して、驕りがみえると叱責します。そのような折、内蔵助の前に、一人の小姓が現れますが、内蔵助は女と見抜くと、それは浪士の磯貝十郎左衛門の許婚のおみのでした。討入りのため、結納の日に姿を消した磯貝の本心を知るために、男装までして必死の思いで屋敷を訪れたのです。おみのは内蔵助に磯貝との対面を申し出ますが、それに対して内蔵助は…。
内蔵助をはじめとする浪士たちの最期の姿を丹念に描き出した作品です。深みのある心理描写、流麗なせりふなどみどころあふれる真山青果による史劇の傑作を存分にご堪能ください。
四、お祭り(おまつり)
◆粋でいなせな鳶頭が魅せる江戸の情緒
山王祭の日。屋台囃子が賑やかに聞こえる中、町に戻ってきたのは、ほろ酔機嫌の鳶頭です。上機嫌の鳶頭は、なじみになった女郎との思い出話を始めます。そして若い者たちが鳶頭に打ってかかるのを振り払う賑やかな所作ダテとなります。
江戸の大祭を題材にした、粋で洒脱な華やかな清元の舞踊をお楽しみください。
夜の部
一、蘭平物狂(らんぺいものぐるい)
◆豪快な大立廻りをはじめみどころの尽きない一幕
奴の蘭平は、主君である在原行平が須磨で見そめた海女松風を忘れられずに引きこもっていたため、松風によく似たおりくを連れて来て対面させます。松風が現れたと信じた行平は上機嫌になりますが、そこへ捕らえていた曲者が逃げ出したとの知らせが届きます。行平は、刃物を見ると乱心する奇病がある蘭平を避け、その息子である繁蔵に捜索を命じます。勇んで駆け出す繁蔵を心配する蘭平ですが、その狂乱は実は仮病で、行平の命を狙うための計略でした…。
蘭平は、わが子を思う親心、物狂の様子、後半の大立廻りなど多くの見せ場を持つ役柄です。また今回は、三代目尾上左近の初舞台で、蘭平の一子繁蔵を演じます。みどころの多い義太夫狂言にどうぞご期待ください。
二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)
◆酒に酔いながらも素襖を隠そうとするユーモラスな狂言舞踊
主人の大名の使いで、その伯父のもとを訪れた太郎冠者ですが、娘の姫御寮に酒を振る舞われ、餞別に素襖まで与えられます。酔っ払って戻った太郎冠者は、主人に知られては一大事と素襖を隠しますが、大名から伯父のことを聞かれても酩酊して答えられない始末に。上機嫌で小舞を舞ううちに素襖を落としてしまい…。
松羽目物の舞踊劇で、酔態をみせながらも物語を聞かせて舞を踊り、必死に素襖を隠すなど大らかな面白みにあふれる作品です。狂言を元にした舞踊ならではの舞台をお楽しみください。
三、名月八幡祭(めいげつはちまんまつり)
◆純朴な男が騙されて辿りつく悲劇の結末
越後の実直な商人、縮屋新助は深川きっての芸者美代吉に惚れ込んでいます。しかし、美代吉は旗本の藤岡慶十郎という旦那がいながらも、遊び人の船頭三次を情夫にもつ奔放な女。博奕好きな三次のため借金を抱え、深川大祭に必要な百両の大金が用意できない美代吉のために、新助は故郷の家や田畑を売り払い、金を工面します。ところが藤岡から手切れの百両が届いた美代吉は、新助をまるで相手にしません。裏切られた新助は狂乱し、深川八幡の祭礼の夜に…。
池田大伍が河竹黙阿弥の『八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい)』を元に近代的な解釈を取り入れて書き換え、人間の明暗を描いた新歌舞伎の名作です。また、新しい歌舞伎座では初めてとなる本水を使った雨の演出にもご期待ください。
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