公演情報詳細
歌舞伎座新開場柿葺落 | ||
八月納涼歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年8月2日(金)~24日(土)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
第一部
新版歌祭文
一、野崎村(のざきむら)
お光 久松 お染 久作 後家お常 | 福助 扇雀 七之助 彌十郎 東蔵 |
二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生後に獅子の精 小姓弥生後に獅子の精 胡蝶の精 胡蝶の精 用人関口十太夫 家老渋井五左衛門 | 勘九郎(2日~13日) 七之助(14日~24日) 虎之介 鶴松 宗之助 由次郎 |
第二部
一、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
髪結新三
髪結新三 弥太五郎源七 下剃勝奴 白子屋娘お熊 家主女房おかく 車力善八 加賀屋藤兵衛 白子屋後家お常 家主長兵衛 手代忠七 | 三津五郎 橋之助 勘九郎 児太郎 亀蔵 秀調 家橘 萬次郎 彌十郎 扇雀 |
二、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)
かさね
かさね 与右衛門 | 福助 橋之助 |
第三部
江戸みやげ
一、狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)
伊之助 おきわ おそめ おうた 福造 又市 重善 | 扇雀 七之助 亀蔵 歌江 巳之助 勘九郎 橋之助 |
二、棒しばり(ぼうしばり)
次郎冠者 太郎冠者 曽根松兵衛 | 三津五郎 勘九郎 彌十郎 |
みどころ
第一部
一、野崎村(のざきむら)
◆義太夫の名曲が心に沁みる世話物の名作
野崎村の久作の家では、久作の後妻の連れ子お光が、かねてより慕っていた養子の久松との祝言を控え、嬉しさを隠せない様子。そこへ、久松が丁稚奉公をしていた油屋のひとり娘お染がやって来ます。かつて恋仲であったお染と久松の心中の覚悟を知ったお光は自ら身を引き、尼となる決意をします。迎えに来た油屋の後家お常の配慮により、久松は駕籠、お染は舟で別々に野崎村を後にする姿を、お光は涙ながらに見送るのでした。
義太夫の名曲が印象深い、情感あふれる世話物の名作です。
二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
◆勇壮にして華麗――格調高い長唄舞踊の大曲
江戸城の新年恒例行事である御鏡曳きの日。その余興として舞を所望された小姓の弥生は、恥じらいながらも様々な踊りを見せますが、祭壇に祀られた獅子頭を手に踊るうちに、獅子の魂が弥生に乗り移り、姿を消してしまいます。やがて現れた獅子の精は、勇壮な獅子の狂いを見せるのでした。
新歌舞伎十八番の内の一つである華やかな舞踊をお楽しみいただきます。
第二部
一、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
◆江戸の市井に生きる人々の息吹を感じさせる世話物の傑作
小悪党の髪結新三は、白子屋のひとり娘お熊と手代の忠七が恋仲であることを知り、忠七を騙してお熊を拐(かどわ)かします。娘を取り戻そうと訪れた侠客の弥太五郎源七は、新三に啖呵を切られ追い払われてしまいますが、続いて現れた老獪な家主の長兵衛にはさしもの新三もかなわず、お熊を取り返されてしまいます。恥をかかされた源七は恨みに思い、閻魔堂橋のたもとで新三を待ち受け、仕返しに及ぶのでした。
江戸情緒と季節感を巧みに描いた、河竹黙阿弥の代表作をご堪能ください。
二、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)
◆古くから伝わる“累(かさね)伝説”から生まれた歌舞伎舞踊
腰元のかさねと浪人の与右衛門は人目を忍ぶ深い仲。二人は木下川堤までやって来ますが、流れて来た髑髏に刺さった鎌を与右衛門が引き抜くと、美しいかさねの顔は、見るも恐ろしい形相へと変化します。これは与右衛門が以前に行った悪事の因果。与右衛門は悪の本性を顕し、鎌でかさねを殺しますが、今度はその怨念が与右衛門を襲うのでした。
恐ろしくも美しいドラマ性に満ちた舞踊劇をお楽しみください。
第三部
一、狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)
◆男と女が繰り広げる虚々実々の駆け引きの行方は!?
元は歌舞伎の女方で手拭い染屋の伊之助は、女郎だった女房のおきわと、いささか愚鈍な使用人の又市との三人暮らし。しかし、あばずれで家事も一切やらないおきわは、粘着質な伊之助に嫌気がさしており、浮気相手のなまぐさ坊主重善に首ったけ。伊之助を殺せば夫婦になるという重善の言葉を真に受けたおきわは、伊之助を殺してしまいます。その後、弔いを済ませたおきわと重善の前に、死んだはずの伊之助が現れ…。
北條秀司の傑作喜劇を歌舞伎に移した、抱腹絶倒間違いなしの〝狐〟と〝狸〟の化かし合い。どうぞご期待ください。
二、棒しばり(ぼうしばり)
◆腕を縛られた従者二人が大奮闘するユーモラスな人気舞踊
太郎冠者と次郎冠者は無類の酒好き。ある日、主人の曽根松兵衛は、外出中に酒を盗み飲まれないよう、太郎冠者はうしろ手に、次郎冠者は両手を棒に縛ってしまいます。両手の自由を奪われた二人でしたが、苦心惨憺しながらも何とか酒にありつき、さらには興に乗って、ほろ酔い気分で踊り出します。
可笑し味に溢れながらも格調高い、松羽目物の人気舞踊をご堪能ください。
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