公演情報詳細
歌舞伎座新開場柿葺落 | ||
七月花形歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年7月4日(木)~28日(日)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
通し狂言 加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)
骨寄せの岩藤
発 端 序 幕 二幕目 三幕目 四幕目 大 詰 | 多賀家下館奥庭浅妻舟の場 浅野川々端多賀家下館塀外の場 浅野川々端の場 浅野川堤の場 八丁畷三昧の場 花の山の場 多賀家奥殿草履打の場 鳥井又助内切腹の場 多賀家下館奥庭の場 |
岩藤の霊/鳥井又助 二代目尾上/お柳の方 望月弾正 蟹江主税 又助妹おつゆ 花園姫 奥女中関屋 又助弟志賀市 松浪主計 梅の方 花房求女 若党勝平 蟹江一角 多賀大領/安田帯刀 | 松緑 菊之助 愛之助 亀寿 梅枝 右近 廣松 玉太郎 廣太郎 壱太郎 松也 松江 権十郎 染五郎 |
夜の部
通し狂言 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
序 幕 二幕目 三幕目 大 詰 | 浅草観音額堂の場 宅悦地獄宿の場 浅草暗道地蔵の場 浅草観音裏田圃の場 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場 伊藤喜兵衛内の場 元の伊右衛門浪宅の場 本所砂村隠亡堀の場 滝野川蛍狩の場 本所蛇山庵室の場 |
お岩/佐藤与茂七/小仏小平 直助権兵衛 奥田庄三郎 お袖 お梅 四谷左門 按摩宅悦 後家お弓 伊藤喜兵衛 民谷伊右衛門 | 菊之助 松緑 亀三郎 梅枝 右近 錦吾 市蔵 萬次郎 團蔵 染五郎 |
みどころ
昼の部
通し狂言 加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)
◆歌舞伎のエッセンスを満載した黙阿弥の傑作
加賀百万石のお家騒動を題材とした『鏡山旧錦絵』では、召使いのお初が主人の中老尾上を自害へと追いやった局岩藤を討ち、その功により二代目尾上に取り立てられます。この作品はその後日譚で、野晒しにされていた岩藤の骨が寄せ集まって岩藤の亡霊が現れ、再び恨みを晴らそうとすることから、〝骨寄せの岩藤(こつよせのいわふじ)〟と通称されています。岩藤の満開の桜の中での舞台上の宙乗りや、草履打ち、鳥井又助の切腹など、怪談物としての見せ場と生世話の味とを巧みに絡ませた黙阿弥らしい趣向に富んだ作品をお楽しみください。
騒動から5年、主君である多賀大領の側室お柳の方と兄の望月弾正は、お家横領を企てます。一方、多賀家の忠臣花房求女は、大領をいさめて不興をかい、その上家宝の香炉も奪われ浪々の身。その家来鳥井又助もまた騙され、正室梅の方を殺害してしまいます。(発端 序幕)
二代目尾上が岩藤を回向しようと念仏を唱えていると突如、岩藤の亡霊が現れます。思い半ばで討たれた怨みを抱く岩藤の亡魂は、花の山の上空を局の姿になって宙を舞って去っていきます。再び御殿に姿を現した岩藤の霊は、かつて尾上にしたように、二代目尾上を草履でさんざんに打ちすえます。(二幕目 三幕目)
又助の家には、病になった主人求女が身を寄せていました。そこを訪れた家老の安田帯刀の話から、又助は自分が誤って主君の奥方を殺害し、その責めが求女に及んだことを知ると、目が不自由な弟の志賀市が弾く琴の音を聞きながら自害します。やがてお柳と弾正の悪事が露見し…。(四幕目 大詰)
夜の部
通し狂言 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
◆運命に翻弄される男女と亡霊の怨念を描く怪談物
忠臣蔵の世界を背景に、時代に翻弄される市井の人々の暮らし、陰惨な殺人と死霊の恨みを描いた怪談物の傑作です。典型的な色悪の役柄である民谷伊右衛門に陥れられた妻のお岩は「髪梳き(かみすき)」の場面で怒りを表します。死霊の怨念を描く場面での「戸板返し」「提灯抜け」などの仕掛けもみどころです。また、幻想的な「蛍狩」の場面は歌舞伎座では実に三十年ぶりの上演となります。鶴屋南北の代表作をご堪能ください。
塩冶浪人の伊右衛門は、妻のお岩を連れ戻された恨みから舅の四谷左門を殺害します。一方、中間の直助はお岩の妹お袖に横恋慕し許嫁の佐藤与茂七を殺します。二人は姉妹を騙して、敵討ちを約束します。(序幕)
やがて伊右衛門の子を産んだお岩は産後の病に苦しみ、隣家の伊藤喜兵衛から届けられた薬を飲みますが、顔を押さえて苦しみだします。実は、お岩の顔を毒薬で醜くして伊右衛門と離縁させ、孫娘のお梅と添わせる企みでした。真実を知ったお岩は伊藤家に向かう身支度をするうちに絶命してしまいます。そこで伊右衛門は、情死に見せかけるため、お岩の死骸と小者の小平の亡骸を同じ戸板に打ち付けます。やがて、お梅が嫁いできますが、お岩の怨念に惑わされ、伊右衛門は喜兵衛とお梅を殺してしまいます。(二幕目)
隠亡堀に戸板が流れつき、お岩と小平の亡霊が伊右衛門を悩ませます。そこに、生きていた与茂七と直助が現れます。(三幕目)
伊右衛門は七夕の夜に女との逢瀬を楽しむ夢を見ますが、その女はお岩の亡霊でした。夢から覚めた伊右衛門は尚もお岩の怨霊に悩まされ、改めて執念深い怨みを思い知らされます。そこへ与茂七が駆けつけ…。(大詰)
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