公演情報詳細
歌舞伎座新開場 | ||
柿葺落六月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2013年6月3日(月)~29日(土)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
第一部
其俤対編笠
一、鞘當(さやあて)
不破伴左衛門 名古屋山三 茶屋女房お駒 | 橋之助 勘九郎 魁春 |
六歌仙容彩
二、喜撰(きせん)
喜撰法師 所化 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 祇園のお梶 | 三津五郎 秀調 亀三郎 亀寿 松也 梅枝 歌昇 萬太郎 巳之助 壱太郎 新悟 尾上右近 廣太郎 種之助 米吉 廣松 児太郎 鷹之資 時蔵 |
平家女護島
三、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 丹波少将成経 海女千鳥 平判官康頼 瀬尾太郎兼康 丹左衛門尉基康 | 吉右衛門 梅玉 芝雀 歌六 左團次 仁左衛門 |
第二部
一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤祐経 曽我十郎 曽我五郎 化粧坂少将 八幡三郎行氏 近江小藤太成家 梶原平次景高 梶原平三景時 鬼王新左衛門 小林妹舞鶴 大磯の虎 | 仁左衛門 菊之助 海老蔵 七之助 松江 男女蔵 亀蔵 市蔵 愛之助 孝太郎 芝雀 |
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
僧智籌実は土蜘の精 待女胡蝶 巫子榊 番卒太郎 同 次郎 同 藤内 太刀持音若 石神 実は小姓四郎吾 坂田主馬之丞公時 卜部勘解由季武 碓井靭負之丞貞光 渡辺源次綱 平井保昌 源頼光 | 菊五郎 魁春 芝雀 翫雀 松緑 勘九郎 玉太郎 藤間大河 尾上右近 亀寿 亀三郎 権十郎 三津五郎 吉右衛門 |
第三部
一、御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
幡随院長兵衛 東海の勘蔵 飛脚早助 北海の熊六 白井権八 | 幸四郎 團蔵 錦吾 家橘 梅玉 |
十二世市川團十郎に捧ぐ
二、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
花川戸助六 三浦屋揚巻 通人里暁 朝顔仙平 福山かつぎ 三浦屋白玉 男伊達山谷弥吉 同 田甫富松 同 竹門虎蔵 同 砂利場石造 同 石浜浪七 傾城八重衣 同 浮橋 同 胡蝶 同 愛染 同 誰ヶ袖 茶屋廻り 同 同 同 文使い番新白菊 奴奈良平 国侍利金太 遣手お辰 三浦屋女房お京 曽我満江 髭の意休 くわんぺら門兵衛 白酒売新兵衛 口上 | 海老蔵 福助 三津五郎 又五郎 菊之助 七之助 亀鶴 松也 歌昇 萬太郎 巳之助 壱太郎 新悟 尾上右近 米吉 児太郎 竹松 廣太郎 種之助 廣松 歌江 亀蔵 市蔵 右之助 友右衛門 東蔵 左團次 吉右衛門 菊五郎 幸四郎 |
みどころ
第一部
一、鞘當(さやあて)
◆二人の男の渡りぜりふが響き合う絢爛たる名場面
桜満開の吉原仲之町。稲妻の模様の羽織着流しの不破伴左衛門と、濡れ燕の羽織と小袖の名古屋山三がやってきます。二人はすれ違い際に、互いの刀の鞘が当たったことから斬り合いになりますが、茶屋女房が留めに入って、その場を収めます。
様式美に富んだ歌舞伎味溢れる一幕をご覧ください。
二、喜撰(きせん)
◆六歌仙の一人、喜撰法師の洒脱な味わいの舞踊
春爛漫の京都の東山へやってきた喜撰法師は、茶汲女の祇園のお梶を口説きますが、お梶はあっさりと喜撰を振って立ち去ります。やがて喜撰は迎えにやってきた弟子の所化たちと賑やかに踊ると庵へと帰って行くのでした。
六歌仙の一人、喜撰法師を軽妙な舞踊仕立てで描く一幕をお楽しみいただきます。
三、俊寛(しゅんかん)
◆絶海の孤島に残された男の悲哀
鬼界ヶ島に流罪となった俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経は、流人の生活に疲れ果てています。そんな俊寛を喜ばせたのは、成経が島に住む海女の千鳥と夫婦になること。日頃の憂いを忘れて喜び合う三人。そこへ都からの赦免船が到着し、上使の丹左衛門尉基康と瀬尾太郎兼康が現れ三人の赦免が告げられますが、千鳥の乗船は許されません。悲嘆にくれる千鳥を見て俊寛は…。
俊寛の孤独と悲劇を描く近松門左衛門の名作をご堪能ください。
第二部
一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
◆歌舞伎の役柄が勢ぞろいする様式美に満ちた華麗な一幕
工藤祐経の館。工藤の富士の巻狩りの総奉行就任を祝い、宴に興じているところへ、曽我十郎、五郎の兄弟が対面を願い出ます。実はこの兄弟、十八年前に工藤が討った河津三郎の遺児。その仇を討とうと逸る五郎は工藤に詰め寄りますが、これを十郎が押し止めます。二人の様子を見て工藤は、仇討よりも源氏の重宝友切丸の探索こそが重要と説きます。そこへ兄弟の家臣が友切丸を手に駆けつけます。こうして工藤は巻狩りの奉行職を果たしたうえで兄弟に討たれようと、巻狩りの切手を与えるのでした。
江戸歌舞伎の色彩溢れる祝祭劇をご高覧いただきます。
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
◆土蜘退治伝説を題材にした荘重な舞踊劇
重病の床に伏せる源頼光のもとへ、病気を気遣う家臣の平井保昌が見舞い、侍女の胡蝶が薬を届けにやって来ると、胡蝶は慰みにと紅葉の名所の様子を踊り聞かせます。夜も更け、頼光が再び病に苦しみ始めると、そこへ比叡山の智籌と名乗る僧が現れ、病平癒の祈念を申し出ます。しかし、火影に映る智籌の影は尋常ではなく、とうとう土蜘の精の本性を顕し消え失せます。そして館の庭では番卒達が土蜘退治を祈願し、巫子に諌めの舞を舞わせます。一方、土蜘退治を命じられた保昌が四天王とともに智籌の血潮を辿って行くと…。
新古演劇十種の一つで智籌の醸し出す不気味さ、千筋の蜘蛛の糸を繰り出す派手な立廻りも見どころの河竹黙阿弥の名作をご堪能ください。
第三部
一、御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
◆長兵衛と権八の出会いを描いた様式美溢れる名場面
東海道品川宿にほど近い鈴ヶ森。夜には盗賊と化した雲助が多数出没するところへ通りかかったのは、はかなげな美少年白井権八。暗闇から大勢の雲助が現れ襲いかかりますが、権八は見事な剣術で次々と斬り倒します。この様子を駕籠の中から窺っていた侠客幡随院長兵衞はその腕前に感心し、権八を匿うことを申し出ます。そして二人は江戸での再会を約束して別れるのでした。
鶴屋南北の歌舞伎味溢れる一幕をお楽しみください。
二、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
◆江戸の粋を随所に魅せる豪華絢爛な舞台
賑わう新吉原仲之町。花川戸助六は夜ごとに吉原に現れては喧嘩を売っています。実は助六は曽我五郎で、相手に刀を抜かせて源氏の重宝友切丸の行方をさがしています。助六は、花魁の揚巻に執心の髭の意休へ悪態をつき刀を抜かせようとしますが、相手にされません。一方、白酒売の新兵衛は助六の実の兄で弟の様子を案じて意見します。しかし新兵衛は、紛失した刀詮議のためとの真意を知ると、助六と連れだって喧嘩をしかけます。そこへ兄弟の母満江がやって来て…。
歌舞伎十八番のひとつで、粋で華やかな江戸歌舞伎を代表する名作。十二世市川團十郎に捧げる一幕です。
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