公演情報詳細
歌舞伎座さよなら公演 | ||
芸術祭十月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2009年10月1日(木)~25日(日)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 小原万兵衛実は石原瀬平 小野春風 錦の前 秦秀太郎 八剣数馬 腰元若菜 秦民部 八剣玄蕃 小野春道 腰元巻絹 | 三津五郎 錦之助 松也 梅枝 巳之助 萬太郎 吉弥 秀調 團蔵 東蔵 魁春 |
二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)
花山院空御所の場
白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精 渡辺綱 碓井貞光 ト部季武 源頼光 坂田金時 | 玉三郎 松緑 萬太郎 尾上右近 菊之助 三津五郎 |
心中天網島
三、玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛 紀の国屋小春 江戸屋太兵衛 五貫屋善六 丁稚三五郎 粉屋孫右衛門 河内屋お庄 | 藤十郎 時蔵 亀鶴 寿治郎 萬太郎 段四郎 東蔵 |
四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
藤間大河初お目見得
音羽夜叉五郎 奴伊達平 稚児音若 大内息女大姫 大江三郎 結城左衛門 白拍子仏御前 鎌田蔵人 夕照の前 熊笹のお仲 畠山重忠 雲霧袈裟太郎 | 菊五郎 松緑 初お目見得藤間大河 (松緑長男) 菊之助 権十郎 錦之助 萬次郎 團蔵 魁春 田之助 吉右衛門 富十郎 |
夜の部
平成二十一年度文化庁芸術祭参加
通し狂言 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
吉野山
川連法眼館
〈渡海屋・大物浦〉 〈吉野山〉 〈川連法眼館〉 | 渡海屋銀平実は新中納言知盛 女房お柳実は典侍の局 相模五郎 亀井六郎 伊勢三郎 駿河次郎 片岡八郎 入江丹蔵 武蔵坊弁慶 源義経 佐藤忠信実は源九郎狐 静御前 逸見藤太 佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐 源義経 静御前 亀井六郎 法眼妻飛鳥 駿河次郎 川連法眼 | 吉右衛門 玉三郎 歌六 種太郎 尾上右近 隼人 巳之助 歌昇 段四郎 富十郎 菊五郎 菊之助 松緑 菊五郎 時蔵 菊之助 権十郎 秀調 團蔵 彦三郎 |
みどころ
昼の部
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
小野家の館では、当主小野春道(東蔵)、春風(松也)親子を陥れ、お家を転覆しようとする八剣玄蕃(團蔵)の企みを、秦民部(秀調)が防いでいます。玄蕃の一子八剣数馬(萬太郎)と、民部の弟秀太郎(巳之助)の言い争いを腰元若菜(吉弥)が留めます。
そして、文屋豊秀の家臣粂寺弾正(三津五郎)が病の為に豊秀への輿入れが遅れている息女錦の前(梅枝)の様子を窺いにやってきます。髪の毛が逆立つ姫の奇病を見た弾正は春道との対面を求めてその場に残ります。給仕に来た秀太郎や腰元巻絹(魁春)を口説いて振られる弾正ですが、手にした毛抜きが踊り出す事から思案を巡らせます。弾正は、やって来た小原万兵衛(錦之助)が実は玄蕃の手下、石原瀬平だと正体を見破ると姫の奇病の仕掛けを暴きます。
古風な味わいある歌舞伎十八番をお楽しみください。
二、蜘蛛の拍子舞(くものひょうしまい)
物怪が出るという花山院の空御所に、検分のため逗留している源頼光(菊之助)は、俄に病にかかり、その憂さ晴らしに碓井貞光(松緑)らと酒を酌み交わしています。現れた蜘蛛を貞光が鞘で突くと、怪気が漂い頼光達は気を失います。目を覚ました頼光達の前に白拍子妻菊(玉三郎)が現れます。病の慰みに頼光達は妻菊と拍子舞を舞いますが、灯火に蜘蛛の影が映るので、妻菊に討ちかかります。妻菊は千筋の糸を繰り出し、姿を消します。
実は妻菊は城山の女郎蜘蛛の精。本性を顕した女郎蜘蛛の精が頼光の家来、渡辺綱(萬太郎)、卜部季武(尾上右近)に襲いかかります。そして頼光と貞光に追い詰められた女郎蜘蛛の精は、頼光主従や、駆け付けた、怪力で知られる坂田金時(三津五郎)らと共に立廻るのでした。
天明期の、スケールの大きな舞踊劇をお楽しみください。
三、玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
大坂天満の紙屋治兵衛(藤十郎)は、妻子がありながら遊女の紀の国屋小春(時蔵)と深い仲となり心中の約束をしています。ある晩、北新地の茶屋、河庄に出向いた小春は、丁稚三五郎(萬太郎)から受け取った手紙を読んで塞ぎ込んでいます。それを河内屋のお庄(東蔵)が慰めていると、小春の身請けをしようと江戸屋太兵衛(亀鶴)がやってきます。それを小春が断る所へ、今日の小春の客の侍(段四郎)が訪れます。
小春に一目会おうと河庄へやって来た治兵衛が座敷の様子を窺っていると、小春は冶兵衛とは心中したくないと侍に言うので、逆上した冶兵衛は刀を突き立て小春を刺そうとしますが、侍に手を縛られてしまいます。侍と見えたのは、治兵衛の兄孫右衛門。治兵衛は、兄に諭され小春を諦めると約束をするのですが…。
玩辞楼十二曲の内の上方和事の代表作をお楽しみください。
四、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)
音羽嶽の山中に現れる音羽夜叉五郎(菊五郎)、奴伊達平(松緑)、稚児音若(藤間大河)。そして、雲霧袈裟太郎(富十郎)、覚日大僧正(吉右衛門)、局常盤木(田之助)、夕照の前(魁春)、鎌田蔵人(團蔵)、白拍子仏御前(萬次郎)、大江三郎(権十郎)、結城左衛門(錦之助)、大内息女大姫(菊之助)らと、白旗を手にしながらお互いにさぐり合います。
松緑の長男、藤間大河が初お目見得をする注目の一幕です。
夜の部
平成二十一年度文化庁芸術祭参加
通し狂言 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋・大物浦
摂津国大物浦の船問屋の渡海屋に先頃から逗留している山伏は、源義経の家臣、武蔵坊弁慶(段四郎)。兄頼朝に追われ都を落ちた義経主従は、大物浦から海路で九州を目指しているのです。そこへ鎌倉方の追手の相模五郎(歌六)と入江丹蔵(歌昇)が現れ、船を出すよう迫りますが、渡海屋の女房のお柳(玉三郎)に断られ、掴みかかろうとすると、現れた主の渡海屋銀平(吉右衛門)に追い返されます。
出船の時刻となり源義経(富十郎)は家臣(種太郎、尾上右近、隼人、巳之助)と共に渡海屋を後にすると、鎧姿の銀平が現れます。実は銀平は平家の武将平知盛、妻のお柳は安徳帝の乳人典侍の局でした。二人は帝を娘のお安と偽ってこの地で育て、源氏に復讐する機会を窺っていたのです。知盛は義経を討ち取ろうと出陣しますが、大物浦で義経方に敗北。安徳帝を守護するという義経の言葉を聞いた局は自害し、知盛も体に碇を巻きつけ壮絶な最期を遂げるのでした。
吉野山
その後、九州へ落ち延びるのを断念した義経主従は吉野の川連法眼のもとを目指します。 佐藤忠信(菊五郎)に預けられた義経の愛妾、静御前(菊之助)はそれを知り吉野へと向かいますが、その道中で忠信とはぐれてしまいます。しかし、静御前が義経から形見として拝領した初音の鼓を打つと忽然と忠信が現れます。二人が屋島の戦いに思いをはせていると、鎌倉方の追手、逸見藤太(松緑)が手勢を引き連れて現れます。忠信は討ってかかる藤太達を蹴散らすと、静御前を伴い山中へと分け入っていくのでした。
川連法眼館
源義経(時蔵)を匿う川連法眼(彦三郎)が帰館し妻の飛鳥(秀調)に、義経を匿うために評定であえて、鎌倉方に味方すると言ったと告げます。義経が法眼の配慮に感謝をする所へ佐藤忠信(菊五郎)が参上します。義経は忠信に静御前の行方を訊ねますが、忠信は覚えがない様子。義経は忠信の謀反を疑い、家臣(團蔵、権十郎)に詮議を命じるところへ、忠信とはぐれた静御前(菊之助)が一人館へやって来ます。静御前は忠信の姿を見て驚きますが、同道してきた忠信とは別人のよう。道中で忠信を見失った時、初音の鼓を打つと現れると静御前から聞いた義経は鼓を用いての詮議を静御前に命じます。
静御前が早速、鼓を打つと、忽然と姿をあらわす忠信。実は鼓の皮になった狐の子が忠信の姿となって鼓を守護していたのでした。親狐を慕う心情に感じ入った義経は、狐に鼓を与えます。喜んだ狐は、鎌倉方に味方する悪僧を館に引き入れ、狐の通力でさんざんに打ち負かすと、自らの古巣へと帰っていくのでした。
三大義太夫狂言の一つ『義経千本桜』。「歌舞伎座さよなら公演」ならではの豪華な顔ぶれによる注目の舞台にご期待ください。
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