公演情報詳細
歌舞伎座さよなら公演 | ||
八月納涼大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2009年8月8日(土)~27日(木)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
第一部
一、天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)
勝小吉 松坂庄之助 大久保上野介 勝麟太郎 井上角兵衛 阿茶の局 八重次 | 橋之助 勘太郎 彌十郎 宋生 亀蔵 萬次郎 扇雀 |
二、六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)
遍照・文屋
業平・小町
喜撰・黒主
僧正遍照 文屋康秀 在原業平 喜撰法師 大伴黒主 小野小町 所化 同 同 同 同 同 同 同 同 同 官女 同 祇園のお梶 | 三津五郎 福助 秀調 高麗蔵 松也 梅枝 萬太郎 巳之助 新悟 隼人 小吉 鶴松 亀蔵 彌十郎 勘三郎 |
第二部
一、真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)
豊志賀の死
豊志賀 新吉 お久 勘蔵 噺家さん蝶 | 福助 勘太郎 梅枝 彌十郎 勘三郎 |
二、新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)
静御前/平知盛の霊 源義経 舟子岩作 舟子浪蔵 亀井六郎 片岡八郎 伊勢三郎 駿河次郎 武蔵坊弁慶 舟長三保太夫 | 勘三郎 福助 高麗蔵 亀蔵 松也 巳之助 新悟 隼人 橋之助 三津五郎 |
第三部
一、お国と五平(おくにとごへい)
池田友之丞 若党五平 お国 | 三津五郎 勘太郎 扇雀 |
二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
中村勘三郎四役早替りにて相勤め申し候
菱川重信/下男正助/蟒三次 磯貝浪江 千住茂左衛門 万屋新兵衛 住職雲海 重信妻お関 | 勘三郎 橋之助 亀蔵 家橘 彌十郎 福助 |
みどころ
第一部
一、天保遊俠録(てんぽうゆうきょうろく)
幕末天保時代、若い頃から放蕩三昧で無役の御家人勝小吉(橋之助)は、向島の料理茶屋に大久保上野介(彌十郎)を招いて役を斡旋してもらう為の御振舞いの宴を催すこととなりました。小吉は金の無心に来た甥の松坂庄之助(勘太郎)を窘めています。
まもなく井上角兵衛(亀蔵)らが上野介お気に入りの芸者、八重次(扇雀)を連れて現れますが、八重次は座敷に出るのを嫌がります。実は、以前小吉と深い仲になり、捨てられた八重次は、小吉に会って恨み言を言います。その折、離れに案内されていた小吉の息子、勝麟太郎(宗生)が顔を出します。小吉は、この宴が神童とも言われる息子を立派に育て上げるために思い立ったことなので、上野介の機嫌を取るよう八重次に頼みます。やがて、上野介らが現れ、宴が始まりますがその横柄な振る舞いに小吉も堪りかね、ついに宴は御破算に。そこへ阿茶の局(萬次郎)が現れ…。
幕末の世相が活き活きと描かれた真山青果作の一幕をお楽しみください。
二、六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)
「古今和歌集」に和歌の名人として記された六人を六歌仙と称し、五人の歌人が小野小町(福助)に恋をしかけて振られるさまが描かれます。
遍照
御殿を訪れた僧正遍照(三津五郎)は小町を口説こうとしますが、道を誤ってはならないと小町に諭され、寺へ帰っていきます。
文屋
色好みの文屋康秀(三津五郎)は、小町を求めて御殿に忍びますが、官女(彌十郎、亀蔵)たちに阻まれて叶わず、その様子を洒脱に踊ると去っていきます。
業平
美男で知られる在原業平(三津五郎)も小町にすげなく振られます。
喜撰
都の東山へやって来た喜撰法師(三津五郎)は祇園のお梶(勘三郎)を口説きますが、こちらも振られて迎えに来た所化(秀調、高麗蔵、松也、梅枝、萬太郎、巳之助、新悟、隼人、小吉、鶴松)達と賑やかに踊り、高僧の姿に立ち戻ります。
黒主
小町は大伴黒主(三津五郎)に、歌の盗作を責められますが、逆に黒主が詠んだ歌を証拠に天下横領の企てを暴きます。
小町に恋をする五歌人を三津五郎が一人で踊り分ける注目の舞台です。
第二部
一、真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)
富本節の師匠豊志賀(福助)は、歳の離れた弟子の新吉(勘太郎)と深い仲になりましたが、顔に腫れ物が出来る病にかかってしまいます。豊志賀は新吉と若い娘お久(梅枝)の仲を勘ぐって嫉妬に狂い、病は重くなるばかり。新吉はそんな豊志賀を看病しています。
ある日、豊志賀を寝つかせた新吉がふと外に出ると、お久が通りかかるので、二人は連れ立って下谷の寿司屋へ出かけます。看病に疲れた新吉と、継母から逃れたいお久は共に逃げようと決意しますが、その時、豊志賀の声が聞こえ、新吉はお久を残して池之端に住む伯父、勘蔵(彌十郎)の家へと逃げ込みます。新吉は勘蔵に諭されて師匠の家に戻ることを誓いますが、その時、家の奥から豊志賀が現れます。青ざめる新吉のもとへ噺家のさん蝶(勘三郎)がやって来て…。
三遊亭円朝の口演を原作に複雑な男女の心理を描く怪談噺をお楽しみください。
二、新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)
海路で西国を目指す源義経(福助)が、家臣(松也、巳之助、新悟、隼人)らを引き連れ大物浦にやって来ると、それを迎えた武蔵坊弁慶(橋之助)は、義経に同道してきた静御前(勘三郎)を都へ帰すよう進言します。義経はこれを受け入れ、静御前を召し出して、門出に今様を舞わせて別れを惜しみます。
舟出の時刻となり、舟長三保太夫(三津五郎)と、舟子(高麗蔵、亀蔵)たちが舟を漕ぎ出して舟唄を賑やかに唄います。ところが俄に海は大荒れとなり、舟をおびやかします。やがて海上に平知盛の霊(勘三郎)が出現し、義経主従に襲いかかりますが、弁慶が一心不乱に祈ると、さしもの亡霊も姿を消すのでした。
新歌舞伎十八番の松羽目物の大曲を、華やかな顔ぶれで上演いたします。
第三部
一、お国と五平(おくにとごへい)
闇討ちにされた夫の敵を求めて、旅に出た後家のお国(扇雀)は、家来の若党五平(勘太郎)と共に奥州那須野ヶ原にやって来ます。敵の池田友之丞(三津五郎)はお国の元許婚だったのですが、家老の息子にもかかわらず、剣術が下手な臆病者。愛想をつかしたお国は伊織の元へ嫁いだのでした。
友之丞はそれを恨んで伊織を殺害し逐電したのです。二人が国許の広島を出て三年が経ち、慣れない旅に疲れているお国を励ます五平と、そんな五平を気の毒に思うお国。折から尺八の音が聞こえ、やがて虚無僧が現れます。そしてその虚無僧が編笠を脱ぐと…。
耽美的な男女の情念を描く谷崎潤一郎作の舞台をお楽しみください。
二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
絵師菱川重信(勘三郎)には、美貌の妻お関(福助)と、生れたばかりの真与太郎がいます。偶然にお関と知り合い、ひと目惚れした浪人の磯貝浪江(橋之助)は、重信に弟子入りします。重信はかねてから頼まれていた高田南蔵院の天井画を描くことを決め、依頼に来た千住茂左衛門(亀蔵)と万屋新兵衛(家橘)と共に出立します。
天井画の完成が間近となったある日、浪江は旧臣の蟒三次(勘三郎)に再会します。旧悪を知る三次に金を渡して追い返した浪江は、重信を殺してお関を手に入れようと下男の正助(勘三郎)を脅して、その殺害を手伝わせます。殺された重信は霊となり、住職雲海(彌十郎)らを伴って南蔵院の本堂に現れると、画を完成させて煙と共に消え去るのでした。悪業を隠してお関と夫婦になった浪江でしたが、今度は、正助に四谷角筈十二社の滝壺へ真与太郎を棄てに行かせますが…。
三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺を勘三郎が四役早替りで上演する話題の舞台です。
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