公演情報詳細
歌舞伎座百二十年 | ||
七月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2008年7月7日(月)~31日(木)
劇場:歌舞伎座
「七月大歌舞伎」昼の部の開演時間は午前11時30分、夜の部の開演時間は午後5時でございます。 よろしくご確認くださいますようお願い申し上げます。
「七月大歌舞伎」昼の部の開演時間は午前11時30分、夜の部の開演時間は午後5時でございます。 よろしくご確認くださいますようお願い申し上げます。
演目と配役
昼の部
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
鳥居前
吉野山
川連法眼館
市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候
〈鳥居前〉 〈吉野山〉 〈川連法眼館〉 | 佐藤忠信実は源九郎狐 源義経 静御前 早見藤太 武蔵坊弁慶 佐藤忠信実は源九郎狐 静御前 佐藤忠信/源九郎狐 源義経 川連法眼 妻飛鳥 駿河次郎 亀井六郎 静御前 | 海老蔵 段治郎 春猿 市蔵 権十郎 海老蔵 玉三郎 海老蔵 門之助 寿猿 吉弥 薪車 猿弥 玉三郎 |
夜の部
一、夜叉ヶ池(やしゃがいけ)
百合 白雪姫 萩原晃 穴隈鉱蔵 畑上嘉伝次 黒和尚鯰入 万年姥 山沢学円 | 春猿 笑三郎 段治郎 薪車 寿猿 猿弥 吉弥 市川右近 |
二、高野聖(こうやひじり)
女 宗朝 薬売 次郎 猟師 百姓 親仁 | 玉三郎 海老蔵 市蔵 尾上右近 男女蔵 右之助 歌六 |
みどころ
昼の部
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
鳥居前
兄の源頼朝に恭順の姿勢を示す源義経(段治郎)は都を落ち、西国を目指して伏見稲荷までやって来ます。そこへ静御前(春猿)と、続いて鎌倉方の侍を殺害した武蔵坊弁慶(権十郎)が後を追ってきますが、義経は軽率な振る舞いをとった弁慶を叱ります。しかし静御前のとりなしもあり、弁慶は西国の同行が許されます。
一方、静御前は都に残るようにと諭され、義経は宮中から拝領した初音の鼓を預け、梅の木に静御前を縛り付けて立ち去ります。ここへ鎌倉方の追手の早見藤太(市蔵)がやって来て、静御前を引っ立てようとします。その時、佐藤忠信(海老蔵)が駆けつけ、藤太の手勢を追い払い、藤太を討ち果たします。
その場へ戻ってきた義経は、忠信の働きを誉め、いざという時には自らの影武者となるように命じ、自身が着用する鎧を与えます。そして忠信は、嘆く静御前を慰めながら、都へ戻って行きますが、どことなく怪しい雰囲気を漂わせるのでした。
吉野山
その後、義経主従は西国へ向かうのを断念し、吉野山の川連法眼のもとへ向かいました。これを知った静御前(玉三郎)は、忠信と共に吉野山へ向かいますが、忠信の姿が見当たりません。
しかし静御前が初音の鼓を打ち鳴らすと、忠信はいずこともなく姿を現します。やがて忠信と静御前は、義経から賜った鎧と初音の鼓を取り出し、八島の合戦の様子を物語り、旅の憂さを晴らすと、さらに山中へと分け入って行くのでした。
川連法眼館
川連法眼に匿われている源義経(門之助)のもとへ、佐藤忠信(海老蔵)が参上するので、義経は静御前のことを訊ねますが、忠信は郷里の出羽にいたので預かりしらないことだと言上します。これを聞いて怒る義経は、亀井六郎(猿弥)、駿河次郎(薪車)を呼び出し、忠信の詮議を命じます。その時、静御前と佐藤忠信が現れた旨が告げられます。
やがて静御前がひとりで義経の前に現れ、再会を喜びますが、目の前にいる忠信と、自分の供をしていた忠信の様子が違うと言上し、初音の鼓を打つと忠信が姿を現した旨を告げるので、義経はもうひとりの忠信の詮議を静御前に命じます。やがて静御前が初音の鼓を打つと忠信が姿を現すので、静御前は贋忠信と言って斬りかかります。すると忠信は...。
三大義太夫狂言のひとつである『義経千本桜』より狐忠信の物語を、玉三郎、海老蔵ほか華やかな顔ぶれで上演する、話題の舞台をご覧ください。
夜の部
一、夜叉ヶ池(やしゃがいけ)
夜叉ヶ池の麓に住む、百合(春猿)と萩原晃(段治郎)夫妻は、池の主との約束を守り、鐘楼の鐘を昼夜三度必ず撞いています。それというのもこれを止めれば、池の主によって、辺りは全て水没してしまうため。ここへ晃の旧友の山沢学円(市川右近)が、その行方を尋ねてやって来ます。
晃と再会を果たした学円は、晃がこの村に留まっている理由を聞いて納得し、夜叉ヶ池をひと目見ようとふたりで出かけていきます。一方、池の主の白雪姫(笑三郎)は、黒和尚鯰入(猿弥)が持ってきた文を見て、麓の人間たちとの約束を破り、恋する剣ヶ峰千蛇ヶ池の主のもとへ向かいたいと言いますが、万年姥(吉弥)たちは約束を破れば神罰が下るとこれを止めます。
やがて皆が止めるのを聞かず白雪姫は剣ヶ峰へ向かおうとしますが、百合の歌う子守唄が聞こえてくるので、ようやく思い止まるのでした。おりしも夜叉ヶ池の麓は旱魃に襲われ、穴隈鉱蔵(薪車)や村人たちは、百合を生贄にして雨乞いを執り行おうとします。これを晃や学円が止めようとしますが、村人たちは耳を貸さず百合を生贄にと訴え続け…。
一昨年の歌舞伎座公演で好評を博した鏡花の名作を再演する注目の舞台です。
二、高野聖(こうやひじり)
修行僧の宗朝(海老蔵)は、飛騨から信州へ抜ける道すがら、富山の薬売(市蔵)と出会い、薬売が進んだ道を辿っていきますが、日も暮れてしまい山中の一つ家に宿を乞います。この家に住むのは妖艶で気高い女(玉三郎)と、女が養っている病持ちの次郎(尾上右近)、そして親仁(歌六)の三人。
女は宗朝の逗留を拒みますが、思い直してその願いを聞き届けると、人が変わったように甲斐甲斐しく世話を始めます。やがて女の案内で、宗朝は谷川で汗を流しますが、女の色気に迷い煩悩の思いが沸き起こります。しかし女が一頭の暴れ馬をいとも簡単に手なずける様子や、夜更けに獣たちが女のもとに集う様子を窺い、宗朝は恐れ慄き一心に経文を唱えます。やっとの思いで家から逃げのびた宗朝ですが、そこへ親仁が通りかかり…。
仏のような心を持ちながらも、妖気を漂わせる二面性のある美女に玉三郎、煩悩に迷う若き修行僧の宗朝に海老蔵という配役で、泉鏡花の代表作を上演します。鏡花の美学に溢れる舞台をどうぞお楽しみください。
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