公演情報詳細
歌舞伎座百二十年 | ||
三月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2008年3月2日(日)~26日(水)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
一、春の寿(はるのことぶき)
三番叟
萬歳
屋敷娘
〈三番叟〉 〈萬歳〉 〈屋敷娘〉 | 翁 三番叟 三番叟 千歳 萬歳 お梅 お春 | 我當 歌昇 翫雀 進之介 梅玉 扇雀 孝太郎 |
二、一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
陣門・組打
熊谷次郎直実 玉織姫 平山武者所季重 熊谷小次郎直家/無官太夫敦盛 | 團十郎 魁春 市蔵 藤十郎 |
三、女伊達(おんなだて)
木崎のお秀 淀川の千蔵 中之島鳴平 | 菊五郎 秀調 権十郎 |
四、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 扇屋夕霧 太鼓持豊作 番頭清七 阿波の大尽 吉田屋女房おきさ 吉田屋喜左衛門 | 仁左衛門 福助 愛之助 錦吾 由次郎 秀太郎 左團次 |
夜の部
一、御存 鈴ヶ森(すずがもり)
白井権八 東海の勘蔵 飛脚早助 北海の熊六 幡随院長兵衛 | 芝翫 左團次 段四郎 彦三郎 富十郎 |
坂田藤十郎喜寿記念
二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
道行より押戻しまで
白拍子花子 所化 同 同 同 同 同 同 同 大館左馬五郎照秀 | 藤十郎 翫雀 扇雀 進之介 孝太郎 愛之助 壱太郎 虎之介 吉弥 團十郎 |
三、江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしち)
浄瑠璃「道行旅路の花聟」
お祭佐七 芸者小糸 すだれの芳松 三吉 鳶重太 同柳吉 同長蔵 同辰吉 同仙太 同佐助 同勇次 娘お種 女髪梳お幸 箱廻し九介 おででこ伝次 矢場女お仲 おてつ 倉田伴平 吉野屋富次郎 世話人太兵衛 鳶頭勘右衛門 | 菊五郎 時蔵 権十郎 錦之助 松江 男女蔵 亀三郎 亀寿 松也 萬太郎 巳之助 梅枝 歌江 亀蔵 市蔵 右之助 家橘 團蔵 萬次郎 田之助 仁左衛門 |
みどころ
昼の部
一、春の寿(はるのことぶき)
『春の寿』では、春を寿ぐ舞踊三題をご覧いただきます。
三番叟
能から移された儀式舞踊で、翁(我當)と千歳(進之介)が、天下泰平、国土安穏を祈って舞い、続いて三番叟(歌昇・翫雀)が、五穀豊穣を祈って舞います。
萬歳
萬歳(梅玉)が往来へとやって来て、商売繁盛を祈願しながら、賑やかに踊ってみせます。
屋敷娘
屋敷奉公をしているお梅(扇雀)とお春(孝太郎)が、宿下がりの帰り道で、恋の話をしながら艶やかに踊ります。華やかな舞踊の競演をご覧ください。
二、一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき) 陣門・組打
源平の合戦が一の谷で始まり、源氏方の武将・熊谷次郎直実(團十郎)は、子の小次郎直家(藤十郎)と共に出陣します。小次郎は平家の陣所に先駆けをしますが、かえって怪我を負ってしまい、直実は小次郎を助け出します。
一方、須磨の浦で、平敦盛(藤十郎)を直実は組み伏せますが、小次郎と変わらない年齢であることを知り、その命を救おうとします。しかし平山武者所にこれを見咎められた熊谷は敦盛の首を刎ね、敦盛の許婚で、平山に斬られて瀕死の玉織姫(魁春)に、その首を見せるのでした。
『平家物語』を巧みに脚色した義太夫狂言の名作を、東京では初となる藤十郎、團十郎の顔合わせでお楽しみいただきます。
三、女伊達(おんなだて)
金平娘と謳われる木崎のお秀(菊五郎)が、新吉原へとやって来て、お秀に掴みかかる男伊達たちを振り払い、恥じらいながら恋の話を語っていきます。
華やかな所作ダテが見どころの長唄舞踊をお楽しみください。
四、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう) 吉田屋
大坂新町の廓にある吉田屋の店先へ、紙衣を着た若い男がやって来ます。実はこの男は藤屋の若旦那である伊左衛門(仁左衛門)。伊左衛門は放蕩が過ぎたために勘当され、零落の身となったのでした。店の者は伊左衛門を追い返そうとしますが、吉田屋の主人の喜左衛門(左團次)は、男が伊左衛門であることを知ると早速、座敷へと案内します。
座敷には喜左衛門の女房のおきさ(秀太郎)も現れ、再会を喜びあいますが、当の伊左衛門は機嫌を悪くします。それというのも喜左衛門夫婦が、伊左衛門の恋人である傾城夕霧のことを口に出さないため。折りよく夕霧は吉田屋に来ているので、喜左衛門夫婦は夕霧を呼びにやります。
そしてようやく夕霧(福助)が現れますが、伊左衛門は夕霧につれなく当たって拗ねてみせます。太鼓持の豊作(愛之助)がふたりを取り持とうとする中、夕霧は伊左衛門を思うあまり病に臥していたことを語り、伊左衛門をなじります。そこへ喜左衛門がやって来て...。
仁左衛門の当り役である伊左衛門に、左團次と秀太郎の喜左衛門夫婦で、福助が初役で夕霧を勤める注目の舞台です。
夜の部
一、御存 鈴ヶ森(すずがもり)
東海道品川宿に近い鈴ヶ森を通りかかった飛脚の早助(段四郎)を、東海の勘蔵(左團次)や北海の熊六(彦三郎)ら雲助たちが取り囲み、その身ぐるみを剥ぎます。
すると早助は勘蔵たちの仲間にしてくれと申し出て、まもなく鈴ヶ森を通りかかる、お尋ね者の白井権八を捕らえたら、褒美の金が貰えることを教えます。やがてここに当の権八(芝翫)が現れるので、雲助たちは打って掛かりますが、権八はこれを切り倒していきます。
この様子を駕籠の中から窺っていた侠客・幡随院長兵衛(富十郎)は、権八の働きに感心し、自らが権八を匿うことを申し出て、江戸での再会を約束して別れるのでした。芝翫と富十郎、ふたりの人間国宝が共演する舞台をお楽しみください。
二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
桜が盛りの道成寺へ、花子(藤十郎)と名乗る白拍子がやって来て、新しく建立された撞鐘を拝みたいと申し出ます。道成寺の所化たちは、舞を舞うのであれば入山を許すと言うので、花子は金の烏帽子を被り舞い始めます。そして次々と華やかな踊りを披露するうちに、花子は撞鐘の中へと飛込んでしまいます。
実は花子は、先年、恋の恨みから蛇体となって道成寺の撞鐘を焼いた清姫の亡霊が姿を変えたものでした。やがて花子が蛇体となって鐘の中から現れますが、ここへ大館左馬五郎照剛(團十郎)がやって来て、清姫の亡霊を退散させるのでした。
藤十郎喜寿記念の『娘道成寺』に市川團十郎が押戻しで華を添える話題の舞台です。
三、江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしちり)
お祭佐七と仇名される鳶の佐七(菊五郎)は、以前から芸者の小糸(時蔵)と恋仲で、鎌倉河岸の祭礼でも、世話人の太兵衛(田之助)が引き連れてきた踊り屋台で踊りが披露される中、束の間の逢瀬を楽しんでいます。小糸に言い寄る侍の倉田伴平は、力づくで小糸に迫りますが、小糸はその場から逃げ出し、そこへ通りかかった佐七が小糸を救います。
そしてふたりは佐七の家で夫婦同然の生活を始めますが、佐七の頭である勘右衛門(仁左衛門)が、小糸の養母おてつの頼みで、小糸を取り返しにやって来ます。勘右衛門の頼みとあっては佐七も断ることも出来ず、またいつもは佐七に邪険なおてつがその態度を改めるので、佐七は小糸を帰すことを決意します。ところが…。
五世菊五郎が初演した佐七を菊五郎が初役で勤め、小糸に時蔵、太兵衛に田之助、そして鳶頭勘右衛門に仁左衛門という豪華配役で、世話狂言の名作をお楽しみいただきます。
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