公演情報詳細
芸術祭十月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2007年10月2日(火)~26日(金)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
平成十九年度文化庁芸術祭参加
一、赤い陣羽織(あかいじんばおり)
お代官 女房 お代官の子分 お代官の奥方 おやじ | 翫雀 孝太郎 亀鶴 吉弥 錦之助 |
二、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
封印切
新口村
亀屋忠兵衛 傾城梅川 丹波屋八右衛門 忠三郎女房 槌屋治右衛門 井筒屋おえん 孫右衛門 | 藤十郎 時蔵 三津五郎 竹三郎 歌六 秀太郎 我當 |
三、羽衣(はごろも)
天女 伯竜 | 玉三郎 愛之助 |
夜の部
通し狂言
一、怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)
第一幕 第二幕 | 大川の船 高座 新三郎の家 平左衛門の屋敷 伴蔵の住居 高座 伴蔵の住居 萩原家の裏手 新三郎の家 野州栗橋の宿はずれ 高座 関口屋の店 同 夜更け 夜の土手の道 幸手堤 |
伴蔵 三遊亭円朝・船頭・馬子久蔵 萩原新三郎 お露 女中お竹・酌婦お梅 お米 お国 飯島平左衛門 宮野辺源次郎 お峰 | 仁左衛門 三津五郎 愛之助 七之助 壱太郎 吉之丞 吉弥 竹三郎 錦之助 玉三郎 |
二、奴道成寺(やっこどうじょうじ)
白拍子花子実は狂言師左近 所化 所化 所化 所化 所化 所化 所化 所化 所化 | 三津五郎 亀鶴 薪車 萬太郎 巳之助 壱太郎 新悟 尾上右近 隼人 小吉 |
みどころ
昼の部
平成十九年度文化庁芸術文化祭参加
一、赤い陣羽織(あかいじんばおり)
風采はあがらないが人のいい百姓のおやじ(錦之助)と、美人で気だても頭もいい、出来すぎた女房(孝太郎)。不釣り合いながら仲のよい夫婦の前に、顔がおやじによく似た土地のお代官(翫雀)が現れ、おやじを捕らえると、その隙にかねてから岡惚れしていた女房をわがものにしようとします。
やっと逃げ出したおやじが家に戻ってきてみると、炉端に、いつもお代官が着ている赤い陣羽織が脱ぎ捨てられているではありませんか。ついに女房は...と思い込んだおやじは、今度は自分がこの赤い陣羽織を着てお代官になりすまし、その奥方を襲って復讐を遂げようとします。
木下順二の民話劇をもとにした楽しい舞台。ほのぼのとした、暖かい時間が流れます。
二、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい) 封印切
新口村
新口村
大坂新町の槌屋抱えの遊女梅川(時蔵)は、茶屋の女房おえん(秀太郎)に呼ばれても浮かぬ顔。飛脚問屋の養子忠兵衛(藤十郎)と言い交わした仲なのに、忠兵衛は身請けの手付金を払ったものの、後金を工面できずにいるところへ、飛脚仲間の丹波屋八右衛門(三津五郎)が、梅川を身請けすると言い出したのです。
槌屋の主人治右衛門(歌六)の説得にも耳を貸さず、忠兵衛との愛を貫こうとする梅川。そこへ八右衛門が現れ、忠兵衛への悪口雑言を繰り広げます。隠れて一部始終を聞いていた忠兵衛は思わずカッとして、屋敷へ届けるはずの為替の金の封印を切ってしまいます。公金横領の大罪を犯した忠兵衛は梅川を身請けして死出の旅に出るのでした。〈封印切〉
二人は忠兵衛の生まれ故郷、新口村にやって来ます。梅川が、身を隠す忠兵衛とその父孫右衛門(我當)の間を取り持ち、父子の対面がかなったのもつかの間、追われる二人は降りしきる雪の中に消えて行きます。〈新口村〉
言わずと知れた藤十郎の当たり役。襲名後、歌舞伎座では初の上演となります。上方和事の名作をたっぷりとお楽しみください。
三、羽衣(はごろも)
海辺に舞い降りた天女(玉三郎)と、松の木にかかるその天の羽衣を手にした漁師伯竜(愛之助)の二人が織りなす舞踊。伯竜は美保の松原で、松に美しい衣が掛かっているのを見つけ、持ち帰ろうとします。するとそこへ美しい天女が現れ、自分の衣を返して欲しいと訴えるのでした。
「羽衣伝説」をもとに、能の風情も取り入れた、新たな振り付けによる舞台にご期待ください。
夜の部
一、通し狂言 怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)
浪人萩原新三郎(愛之助)に恋い焦がれて死んだ旗本飯島平左衛門の娘お露(七之助)は乳母のお米(吉之丞)と、毎夜新三郎のもとを訪ねてきます。
二人が幽霊であることを知り、金無垢の海音如来と護符で身を守る新三郎。お米は下男の伴蔵(仁左衛門)に、お札を剥がして欲しいと頼みます。
世話になっている新三郎を殺させるわけにもいかず、幽霊の祟りも恐ろしいと伴蔵が迷っていると、女房のお峰(玉三郎)は、百両をもらって取引をするよう、伴蔵をけしかけます。伴蔵が百両と引き換えに如来像をすり替え護符を剥がすと、新三郎はお露の幽霊に取り殺されたのでした。〈第一幕〉
一年後。伴蔵とお峰は江戸から逃げ、故郷の栗橋で商売を営んでいます。一方、愛人の旗本宮野辺源次郎(錦之助)に平左衛門(竹三郎)を殺させた平左衛門の愛妾お国(吉弥)は、栗橋で物乞い暮らしをしていましたが、今は茶屋笹屋で女中をし、さらに伴蔵の妾となって、源次郎との生活を支えています。
そんなある日。笹屋に入った若い奉公人お梅(壱太郎)の素性を知って、お国はぞっとします。お梅は、お国と源次郎が平左衛門とともに殺してしまった、お竹の実妹だったのです。しかも今日は、お竹の一周忌。その夜、乱れ飛ぶ蛍の群れにまぎれて源次郎は発狂。お国ともども自らの刃で息絶えます。
伴蔵とお国の仲に嫉妬して、怒り心頭のお峰ですが、今夜は伴蔵にもてなされて上機嫌。しかしふとお峰が振り向くと、刀を振りかざした伴蔵が立っていました。〈第二幕〉
カラン、コロンという下駄の音を響かせ、牡丹燈籠を手に現れる女の幽霊。中国の説話をもとにしながら、幽霊よりも人間の業の恐ろしさを描く、三遊亭円朝の怪談噺。円朝(三津五郎)が登場して物語をすすめる大西信行脚本版を、仁左衛門と玉三郎が18年ぶりに上演する話題作です。
二、奴道成寺(やっこどうじょうじ)
紀州道成寺の鐘供養に美しい白拍子が現れ、舞を舞いますが、烏帽子が落ちて男性の狂言師左近(三津五郎)であることが判ります。そして所化たちの所望に従い、左近は軽快な踊りを次々と披露していきます。男が『道成寺』を踊るという趣向が楽しく、『娘道成寺』の見せ場である「恋の手習い」を、三つ面(おかめ、お大尽、ひょっとこ)を瞬時に付け替えて、廓の遊女と客と太鼓持ちの様子を巧みに踊り分けます。
坂東家の家の芸でもあり、踊り巧者三津五郎の舞台をお楽しみください。
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