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この扇は、『一條大蔵譚』に登場する牛若丸の母・常盤御前が手にする檜扇です。数ある檜扇の中でも最も豪華なもので、五色の綴糸が豊かに垂れたその様は、常盤御前の気高い品位を象徴しています。 檜扇は、主に王朝時代を舞台とした演目で用いられ、『義経千本桜』に登場する安徳帝の乳人・典侍の局もこの五色糸の垂れた扇を用います。
演目:一條大蔵譚 タイプ:檜扇 memo:松竹梅や鶴などの絵柄は、胡粉と呼ばれる白色の岩料を塗った上に、丁寧に描かれています。