ニュース
中村勘太郎、中村長三郎、「猿若祭二月大歌舞伎」お練りの賑わい
11月27日(日)、来年の歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」にて、三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を名のり初舞台を勤める波野七緒八と波野哲之が、中村勘九郎、中村七之助とともに「お練り」と「初舞台奉告法要」を行いました。
▼
「猿若祭二月大歌舞伎」夜の部の『門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)』で、七緒八は三代目勘太郎として兄の桃太郎を、哲之は二代目長三郎として弟の桃太郎を演じます。そのお披露目として、勘九郎、七之助とともに、浅草の雷門から浅草寺まで、仲見世通りを練り歩きました。
お囃子と木遣り唄の先導で、勘九郎、七之助が歩き、山車には七緒八と哲之が並んで座って雷門を出発。「中村屋!」の声が飛ぶ中、沿道の皆さんに挨拶をする勘九郎、七之助の後ろから、可愛らしく手を振る七緒八と哲之を乗せた山車が進んでいきます。浅草寺の本堂に着いた頃には日曜日ということもあり、身動きもできないほどの人に囲まれました。
「私の長男の七緒八が三代目として中村勘太郎、そして二男の哲之が二代目として中村長三郎を名のって、来年2月に歌舞伎座におきまして初舞台をさせていただくことになり、この度、お練りをさせていただきました。ありがとうございます。まだ海のものとも、山のものとも、ではございますけれど、ゆくゆくはひとかどの役者になれますよう、皆様、温かいご声援のほどをよろしくお願いいたします」と、勘九郎は本堂前での挨拶で、深い感謝の気持ちを表しました。
七之助も、「幼い二人にとりましては、最高の門出になったのではないでしょうか。あとは、私たちがこの感謝の気持ちを舞台上で皆様にお返しするだけでございます。父になり代わりましてこの場で御礼を申し上げます。本当に本日はありがとうございました」と、天から二人を見守っているであろう十八世勘三郎にもふれながら、今日の喜びを表しました。
続いて幼い二人が、「波野七緒八です。今度、初舞台をして中村勘太郎になります。どうぞよろしくお願いいたします」「波野哲之です。初舞台で桃太郎をやります。どうぞ、よろしくお願いいたします」と挨拶をし、愛らしくもしっかりとした晴れ姿に、大きな歓声と拍手が起こりました。
◇
浅草寺の本堂では初舞台奉告法要が行われ、初舞台の成功をそろって祈願。「彼らも本当にいいスタートが切れました」と、勘九郎はようやくほっとした表情を見せました。
30年前、自分たちの初舞台のときも、同様に前年の10月に父とともにお練りをしています。「覚えていないのですが、映像が残っていたりするので、(七緒八と哲之も)映像を見て思い出したりするんじゃないでしょうか。初舞台は刀を使った立廻りがうれしかった記憶があるんですけど…」。
「初舞台、できますか」「はい」「何やるんですか」「桃太郎です」と、父の問いにもはっきり答えた二人。「これからせりふを覚えまして、踊り、立廻りもございますので、毎日稽古していきます。せりふ覚えはいいほうだと思います」と、初舞台に向けての準備も順調に進んでいる様子です。勘九郎、七之助が勤めた30年前の『門出二人桃太郎』の映像を見ながら稽古をすることも明かしました。「当時はわかりませんでしたが、先輩方が出てくださっていて本当にありがたいと思いますし、祖父、父が愛されている人間だったんだなと、つくづく思います」と七之助。
「これからは舞台でともに役者となるわけですから、その喜びを大切にやってほしい。この年でこんなにたくさんの方に祝福されることはなかなかないと思いますので、大変ながらも一所懸命やってほしいなと思います」と、叔父としてのうれしい気持ちとはなむけの言葉を贈りました。「哲之が生まれたとき、二人桃太郎をさせてあげたい、という気持ちはありました。歌舞伎座でさせていただくことに感謝しなければいけないですし、(二人も)しっかりとやってくれるはずです」と、望みがかなう喜びを語った勘九郎。最後は七緒八と哲之の「ありがとうございました!」で、祝福ムードにあふれたお練りを締めくくりました。
▼
歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」は、2017年2月2日(木)から26日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて、来年1月12日(木)発売予定です。