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大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」『曽根崎心中』壱太郎、尾上右近が公演成功祈願
2024年2日2日(金)から始まる大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」夜の部『曽根崎心中』に出演する中村壱太郎、尾上右近が、露天神社(通称お初天神)を参拝し、公演成功祈願を行いました。
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『曽根崎心中』は、元禄16(1703)年に露天神社で起きた心中事件を題材に、近松門左衛門が描いた若い男女の悲恋の物語。現代まで繰り返し上演されてきましたが、近松門左衛門歿後三百年の節目に、壱太郎、右近がお初と徳兵衛を演じます。
実際に心中事件が起きた場所として知られる露天神社を参拝した壱太郎と右近。物語の主人公であるお初と同じ19歳で初役として挑み、今回で3度目のお初を演じる壱太郎は、「初演のときに自分がどういう思いでいたのか、思い返しました。成功祈願で、“立春歌舞伎特別公演”とともに、『曽根崎心中』という演目名が祝詞で奏上され、責任を強く感じる瞬間となりました」と、決意を新たにします。右近は、「お初は壱太郎さんにとって大事なお役。いつか自分も相手役をやりたいという思いでいました。祝詞を奏上していただいている間も、公演の成功をずっと祈っていました」と、気合は十分。
『曽根崎心中』について壱太郎は、「上方歌舞伎らしく情や色の濃さはもちろん、この時代にお初という女性像に焦点を当てて、女性の生き方を描いたことは大きいことだと思います。だからこそ今も生きていて、現代でもさまざまな作品の題材となっている。演じる役者に余裕があるかを問われる作品だとも感じています」と、真摯な面持ちで語ります。右近は「若さや未熟さが、良い悪いではなくキラキラして見える。人間の矛盾した心情を描いた作品が、現代の人の心をも動かすのだと思います。成駒家さん、そして壱太郎さんにとって大切な作品ですので、僕は江戸の人間ですが、江戸や上方の垣根を越えて、挑戦していきたいです」と、熱い思いを語りました。
今回は壱太郎の父、中村鴈治郎指導のもと、上演されます。「歌舞伎のお稽古の期間は少ないですが、少ない稽古に一所懸命になるからこそ生まれるものがあると考えています。お初を思って、稽古に全力で励めば、いいものが見えるのではないかと思います。そして、祖父(四世坂田藤十郎)に教えられた『毎日、揚幕に立つと初心に戻る』という精神を大事にしていきたいです」と、気を引き締める壱太郎。右近は、「僕は初役ですので、型をつくりこんでいく段階だと思っています。鴈治郎のおじさまに見ていただくなかで、しっかりと徳兵衛像をつくっていきたいと思っています。心から演じているという状態にもっていける自信はあります」と、力強く語って締めくくりました。
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大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」は、2024年2月2日(金)から18日(日)までの公演。チケットは1月7日(日)から、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売予定です。