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南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

 2023年8月3日(木)、南座で「坂東玉三郎特別公演」の初日が開幕しました。

 三遊亭円朝の代表的な作品の一つとして知られる『怪談 牡丹燈籠』。怪談というジャンルを超えた、男女の愛憎、人間の煩悩や本質を描きながらも、夫婦のやり取りが笑いを誘う怪談物として、たびたび歌舞伎の舞台で上演されています。今回はお峰と伴蔵の二人にスポットを当てた大西信行の脚本をもとに、坂東玉三郎の演出によって、新たな構成で上演します。玉三郎のお峰、片岡愛之助の伴蔵に加え、喜多村緑郎、河合雪之丞、中村歌女之丞、上村吉弥の顔ぶれでお届けします。

 

 物語の序盤、萩原新三郎への恋ゆえに焦がれ死んだお露と、その乳母のお米が幽霊となって新三郎の許へ通う場面では、下駄の“カランコロン”という音が劇場内に響き渡り、客席を恐怖へと誘います。幽霊との取引で100両の大金を手にした伴蔵(愛之助)と女房お峰(玉三郎)を待ち受ける、男女の色と欲が交錯した幽霊よりも怖い人間の業の世界に、観客も思わず息をのみます。一方で玉三郎と愛之助が終始見せる息の合った夫婦のやり取りに、客席から何度も笑い声が上がり、和やかな場面も。夏の暑さをひととき忘れさせる舞台に、どうぞご期待ください。

 南座「坂東玉三郎特別公演」は27日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2023/08/04