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新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

 

 2023年7月2日(日)から新橋演舞場で開幕する新作歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)』に出演の尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉が公演に向けて思いを語りました。

 歴史上の戦いを舞台にしたゲーム構成や、刀剣男子たちの美しいビジュアルが多くの反響を呼び、世界的な大ヒットゲームへ発展した「刀剣乱舞 ONLINE」。人気の勢いはゲームの枠を超え、メディアミックスの幅を次々に拡大させています。そんな刀剣乱舞が、この夏、いよいよ新作歌舞伎として上演されます。

 

新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

 

古典歌舞伎の魅力をふんだんに

 出演のみならず、演出も勤める松也は、今回の歌舞伎化のコンセプトを、「今までにありそうで、見たことのなかった古典歌舞伎」と表現します。「義太夫や邦楽器、ツケや歌舞伎の型を用いた立廻りなど、皆さんが想像するような王道の歌舞伎のテイストをふんだんに盛り込みたいと思っています。また、できるだけアナログに、生の舞台の良さというものを表現できれば」と、構想を語ります。

 

 右近は、これまで刀剣男士を演じた俳優たちと、舞台で共演経験があると言い、「今回の歌舞伎化をとても喜んでくれました。歌舞伎俳優が『刀剣乱舞』を歌舞伎として上演する、ということに期待して、背中を押してくれていますので、(原作やこれまでの舞台化作品などに)寄りすぎず、歌舞伎の手法や様式を正々堂々と貫くことで、大いに受け入れていただけるのではないかと思っています」と、力を込めました。

 

新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

 

 原作がある新作歌舞伎への出演は初めてという鷹之資。「ビジュアル撮影で初めて同田貫正国の拵えをしたときに、これからとても素敵な作品になっていくのだろうと強く感じました。原作のキャラクターがいかに刀の個性を表現しているかも改めて実感しましたし、歌舞伎の古典にもともとある手法が、いかに素晴らしく、新作に組み込まれたときに素敵な色を発してくれるかを、改めて再認識することができました」と、目を輝かせます。 

 

 莟玉も、「お客様が“歌舞伎を観た”と思ってくださることが、一番大事なことだと思います。原作で表現されているものが、歌舞伎の記号論ではどのような形に落とし込まれるか、というところを楽しんでいただきたいです」と、続けます。「なんと言っても、公私ともにお世話になっている松也兄さんが演出を勤められる場に立ち会えますので、すごく楽しみです。皆で力を合わせて頑張りたいと思います」と、笑顔で意気込みを語りました。

 

新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

 

ワンチームで、未来に残る作品を

 刀剣乱舞を新作歌舞伎として上演することについて松也は、「歴史をテーマにしている点やキャラクター造形など、歌舞伎化しやすいと感じました。また、基本的にはゲームのシステムを踏襲しつつ、各メディアがオリジナルのストーリーをつくっているところが非常に面白い。そのようなコンテンツは、ほかにあまりない気がします。ストーリーが自由であることは、古典らしさを表現するにもつくりやすいのではないかと感じました」と、説明します。

 

 物語の題材は、「十三代将軍足利義輝と、刀剣乱舞の中心キャラクターである三日月宗近のクライマックスを想像するところから着想を得て」、永禄の変を題材にしたとのこと。「登場する六振りは、歌舞伎に関わりのある刀剣から選ばせていただいたものが多いですね。同田貫は一つサプライズのような形でしたが、無骨な男らしいキャラクターが、鷹之資さんに合うだろうと思いました」と、にっこり。「(キャラクタービジュアルの解禁時には)子どもの写真を皆さんに見ていただくような、初めての心持ちになりました」と、こだわりの詰まったビジュアルを感慨深げに振り返りながら、「自分のなかでは満足。自信をもって舞台に立てます」と、会心の出来となった様子を見せました。

 

新作歌舞伎『刀剣乱舞』出演者が語る意気込み

 

 「一つのチームであることを意識して、出演者・スタッフ全員で1カ月を乗り切れたら、僕のなかでは一つの目標達成になります。また、新作歌舞伎をやるときにはいつも、今回一度きりではなく、何百年後にも古典歌舞伎としてお客様に愛される、そして後輩たちが演じたいと思ってくれるような作品を残したいと常に思っています」と松也が語った通り、皆で一丸となって臨む『刀剣乱舞』に、期待が高まります。

 新作歌舞伎『刀剣乱舞』は、7月2日(日)から27日(木)までの上演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2023/06/09