ニュース

「團菊祭五月大歌舞伎」初代尾上眞秀初舞台祝幕をお披露目

「團菊祭五月大歌舞伎」初代眞秀初舞台祝幕をお披露目

 左より、アスカ・ヤマシタ、グザヴィエ・ヴェイヤン、尾上眞秀、尾上菊五郎

 

 2023年4月28日(金)、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」の『音菊眞秀若武者(おとにきくまことのわかむしゃ)』初代尾上眞秀初舞台の祝幕がお披露目されました。

 5月2日(火)に開幕する「團菊祭五月大歌舞伎」で、寺嶋眞秀が初代尾上眞秀を名のって初舞台を勤めます。その初舞台を彩る特別な引幕「祝幕」が、世界的なラグジュアリーブランド「CHANEL(シャネル)」のサポートにより作成され、このたび歌舞伎座の舞台上でお披露目されました。

 

 シャネルのファッションショーでのコラボレーション実績もある現代アーティストのグザヴィエ・ヴェイヤン氏が、フランスの刺繍工房モンテックスのアーティスティック・ディレクターであるアスカ・ヤマシタ氏の協力を得て構想した今回の祝幕。縦5.3m、横25.4mの生成り色の生地上に、レーザーカットされた直径12cmの丸いオーガンザ約8,900枚が並び、ピクセルアートのような抽象的なモチーフを形作ります。そのなかに、眞秀の名前と音羽屋の家紋を象ったシルクオーガンザが、コーネリーミシンを使う伝統的な刺繍の技法を用いて配されています。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」初代眞秀初舞台祝幕をお披露目

 

 グザヴィエ・ヴェイヤン氏はこの幕のデザインにあたり、「遠くから見ると全体像がわかり、近くから見るとディテールがわかるという、距離感を使った見方」を考えたと話します。また、眞秀の舞台姿や歌舞伎から得たイメージをもとに、「抽象的かつダイナミックなデザイン」にしたと明かしました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」初代眞秀初舞台祝幕をお披露目

 

 縫製を手がけたアスカ・ヤマシタ氏は、舞台上に懸けられた祝幕を見て、「幕が生き生きと息づいているよう。丸いパーツがスパンコールのように動く様子にファンタジーを感じます」と、感想を述べながら、この祝幕の製作に携わる機会を得たことへの喜びを伝えました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」初代眞秀初舞台祝幕をお披露目

 

 「いつもは裏からしか見ていないので…」と言いながら、祝幕を見上げた菊五郎。「なかなか面白い色使いです。こうした斬新なデザインの幕のなかで、お芝居ができることを幸せに思っております」と、笑顔を見せました。「眞秀も、この幕に負けないように、毎日一所懸命稽古に励んでいます。お芝居も、またこの立派な幕も、大勢の方にご覧いただけたら」と呼びかけました。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」初代眞秀初舞台祝幕をお披露目

 

 写真で見ていたという眞秀は、ドットの模様に見えていたものが、1枚1枚の丸い布だったことに驚いた様子。「近くで実物を見て、びっくりしました。カラフルなものが好きだから、すごく好きです」と、素直な言葉で印象を語ります。舞台への意気込みを問われると、「衣裳が思ったよりも重くて動きづらかったので、もっと力強くならないといけない」と、真剣な表情を見せます。

 

 初日まであと数日に迫った「團菊祭五月大歌舞伎」。菊五郎は、「大きな声で元気に。お客様に元気を与えられるような初舞台なら成功だと思います」と、日々の稽古に励む眞秀に向けて温かなエールを送りました。水彩画のような透明感のある美しい祝幕が、新しい門出の初舞台を盛り上げます。ご来場の際は、ぜひ祝幕にもご注目ください。

 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」は、5月2日(火)から27日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

 

「團菊祭五月大歌舞伎」初代尾上眞秀初舞台祝幕をお披露目

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初代尾上眞秀初舞台祝幕

 「初代尾上眞秀丈江」の文字は、母・寺島しのぶの手蹟によるもの。制作には800時間以上の時間が費やされました

2023/04/29