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「第十二回 永楽館歌舞伎」お練りの賑わい
11月3日(日・祝)、「第十二回 永楽館歌舞伎」の初日を控え、出演の片岡愛之助、中村壱太郎、澤村宗之助、そして上村吉弥が、「出石お城まつり」でお練りを行いました。
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毎年この時期に行われる「出石お城まつり」のなかで行われたお練りは、たくさんの人出となり、出石の町中が大賑わいとなりました。
太鼓や提灯、色鮮やかな幟とともに、街道をゆっくりと進むのは、四人の俳優が乗った人力車。沿道に詰めかけた皆さんの手には、「お帰りなさい」という言葉や俳優たちの名前が書かれた小さな幟がはためき、1年ぶりの永楽館歌舞伎と俳優たちを歓迎します。愛之助たちも、行列の右へ左へと笑顔で手を振り、声援に応えました。
お練りの後の挨拶では、『道成寺再鐘供養(どうじょうじごにちのかねくよう)』で、地元に縁が深い仙石権兵衛を演じる愛之助が「どのような権兵衛さんになっているか、お楽しみに」と、出石の皆さんに呼びかけました。また、関所を通るために登場人物たちが一芸を披露するという趣向の『滑稽俄安宅新関(おどけにわかあたかのしんせき)』については、「ただでさえ歌舞伎は非日常的な世界が体験できる。今回はさらにもっと楽しい、違った世界が見られます。抱腹絶倒です」と紹介。上演機会が少ない演目だけに、ますます期待が高まります。
「今年も戻ってまいりました」と切り出した壱太郎。『道成寺再鐘供養』について「歌舞伎にもいろんな踊りがあるが、道成寺は3つの指に入るくらいの大作。その一部を初めてこの永楽館で踊らせていただきますので、ぜひ観ていただきたい。『安宅新関』は、口上より100倍も200倍も面白いです」と、今回は行われない口上を補って余りある、芝居の楽しさをアピールしました。
「永楽館歌舞伎」に、今回が初めての出演となる宗之助は、「始まった当初から出してほしいとお願いしていて、やっと12回目にして出させていただくことになりました」と、喜びを込めて挨拶。「また永楽館歌舞伎が来年も続きますように。そしてまた皆さんにお帰りなさいと言っていただけるように、この地に帰ってきたい」と話し、温かい拍手を受けていました。
吉弥は、「今年は珍しい演目が並びました。私は1本目の演目で、本当に怖いおばあさんをやらせていただきます。どうなるか私自身が心配です」と挨拶し、笑いを誘いました。「2本目の演目は、皆様ご覧になってからのお楽しみ。ということで、永楽館でお待ち申し上げております」と力強く声を張り、初日に向けての意気込みを見せました。
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出石永楽館「第十二回 永楽館歌舞伎」は、11月4日(月・休)から10日(日)までの公演。チケットは、出石永楽館(電話 0796-52-5300)へお問い合わせください。