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勘九郎、七之助「スターの手型」顕彰
2月16日(土)、浅草公会堂で「スターの手型」顕彰式が行われ、中村勘九郎、中村七之助が登場しました。
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「大衆芸能の振興に貢献した芸能人の功績をたたえ、その業績を後世に伝えるため」に浅草に飾られている「スターの手型」。平成30年度は6名が選ばれ、被顕彰者として勘九郎と七之助の手型も新たに設置されました。二人の祖父、十七世勘三郎、七世芝翫、そして父の十八世勘三郎、伯母の波乃久里子も選出された「スターの手型」に加わることになった二人。「映画、テレビなど幅広い分野へも挑戦」していることが認められた勘九郎、「歌舞伎の舞台出演のみならずさまざまなところでも活躍」していることが評価された七之助が、浅草公会堂「江戸まち たいとう芸楽祭」クロージングイベント内で行われた顕彰式に、そろって出席しました。
小走りで舞台に現れたのは勘九郎。現在出演中のNHK大河ドラマの役を彷彿とさせる走り方に、さっそく会場は笑いと、温かな拍手に包まれました。「大好きな浅草の地、そして浅草の人たちに、本当に助けられています。この浅草公会堂では新春浅草歌舞伎が行われていて、私も長年にわたり、この場所で修行させてもらいました。また、父の夢の小屋でもある平成中村座を、(浅草寺の)観音裏でさせていただいております。こののちも、浅草の人たちを愛し、そして浅草の人たちに愛されるような、いい役者になりたい」と意気込みました。
続いて登場した七之助。浅草公会堂へは思い入れがあるようで、「この浅草公会堂には私が16歳のときからたいへんお世話になりました」と、平成13(2001)年に当時の亀治郎(現 猿之助)、勘太郎(現 勘九郎)、男寅(現 男女蔵)、獅童とともに出演した浅草歌舞伎復活第十九回公演「初春花形歌舞伎」を振り返りました。初日は観客が数名しかいなかったことに、「すごい衝撃を受けました。ああ自分の実力はこのくらいなんだと。ここで一からたたき上げ、今はこんな賞までいただきました。本当にうれしく思います。父に少しだけ恩返しができた気持ちでいっぱいでございます」と感謝を述べました。
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式典のあとには、『舌出三番叟』を素踊りで披露。勘九郎が三番叟を、七之助が千歳を勤めました。三番叟が軽快に舞いながら舌を出すたびに、客席には笑顔が広がりました。千歳とともに厳かながらも躍動感あふれる踊りを見せたあと、五穀豊穣を願って三番叟が鈴を振り上げ舞い納めると、「中村屋!」と客席から声がかかりました。